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プロ野球12球団の収益や経営状態、黒字、赤字の球団は?決算公告から見るパリーグの好調さとは?

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12球団ある日本プロ野球にはそれぞれ球団事情があり、選手の年俸が上がりやすいチーム、練習環境や待遇の良いチームなどそれらを裏付ける経営状態はさまざまです。

かっては貧乏球団と言われる球団も多く存在しましたが、最近はあまり聞かれないように思います。スタンドががらがらといった極端に不人気な球団もありません。

では12球団すべてが儲かっているのかというと黒字の球団もあれば赤字の球団もあるのが現実です。多くの球団が決算公告という形で経営状態が公開されています。この決算公告から各球団の収益、経営事情をまとめてみました。

さらに一昔前は長らく不人気な時代を過ごしてきたパリーグは意外な結果となりました。早速見ていきましょう。

決算公告から見える12球団の経営状態

日本プロ野球の12球団は全てがれっきとした「株式会社」です。そして株式会社は会社法という会社に対していろんなルールを定めた法律により会社の経営状態を表す決算を公に告知することが義務付けられています。

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この会社法に則って各球団は決算公告を行っています。ただし読売巨人軍と中日ドラゴンズは非公表となっています。理由は定かではありませんが、ともに親会社が非上場の新聞社という事情があるのかもしれません。

決算書には主に会社の資産や負債状況を表す貸借対照表と1年間の売上高や費用といった収支を表す損益計算書がありますが、決算公告ではこの貸借対照表だけを公告している球団がほとんどで売上高は公開されてません。

いずれにしても国の広報、公告紙である「官報」にこのプロ野球団の決算公告が記載されています。各球団の決算公告から収益、もうけがいくらあるのかまとめてみました。

球団決算日純利益利益剰余金
横浜DeNAベイスターズ2019年12月31日15億2,500万円47億5,100万円
阪神タイガース2019年3月31日8億100万円88億4,600万円
広島カープ2019年12月31日4億8,700万円87億1,100万円
東京ヤクルトスワローズ2019年12月31日1億600万円1億7,400万円
福岡ソフトバンクホークス2019年2月28日5億4,400万円82億7,400万円
西武ライオンズ2019年3月31日15億9,900万円39億6,700万円
楽天野球団2018年12月31日▲4,700万円4億円
北海道日本ハムファイターズ2018年12月31日7億4,000万円85億1,300万円
千葉ロッテマリーンズ2018年12月31日3億8,500万円4億1,700万円
オリックス野球クラブ2019年3月31日非公表▲800万円

非公表の巨人、中日と純利益を公表していないオリックスを除く9球団が純利益を公表しています。この3球団を除く9球団のうち東北楽天を除く8球団が黒字を確保していました。

唯一の赤字球団だった東北楽天も4,700万円の赤字にとどまります。親会社の楽天からすればこの赤字分の4,700円の赤字を補填するのは痛くもかゆくもないでしょう。この程度の赤字ならば球団は「自立」していると言えますし、現に過去の利益の積み重ねである利益剰余金は4億円とまだ余力はあります。

純利益が非公表だったオリックスは利益剰余金もぎりぎりマイナスの800万円です。まだ債務超過ではないことを考えればなんとか自立している状態と言えます。

かつてのように親会社が赤字を補填するどころか、独自で利益剰余金を維持している球団がほとんどというのは意外でした。それどころか横浜や西武のように純利益が10億円を超える球団があるのも驚きです。

横浜や西武は球場の球場の飲食、看板広告収入などの営業権を持っていることが寄与しているといえます。このあたりはソフトバンク、阪神、広島、千葉ロッテが利益を出していることのひとつの要因であるでしょう。

西武はさらに菊池雄星投手のメジャー移籍に伴うポスティング譲渡金11億円も大きく寄与しているようですが、これを除いても利益を確保している点は健全な経営状態にあることを示しています。

一昔前は球団単独で黒字をだしているのは巨人、阪神くらいと言われた時期もありましたが、今やほとんどの球団が単独で黒字を確保できているのは球団の努力のたまものでしょう。

ソフトバンクを筆頭にパリーグが儲かっている!

それにしてもパリーグの堅調ぶりは目を見張るものがあります。ソフトバンクのみ売上高が公表されていましたが、317億円と破格の金額でした。売り上げの割に利益が多くないのは12球団断トツの選手総年俸約が影響していそうです。

ソフトバンクの2020年契約の3億円超えプレーヤーは柳田選手(5.7億)を筆頭にサファテ選手、バレンティン選手(ともに5億)、森投手(4.6億)、松田選手、デスパイネ選手(ともに4億)、ムーア投手(3.8億)、千賀投手、バンデンハーク投手(ともに3億)と9人もいます。

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これらの年俸は2020年度の決算に影響しますので、さらに費用が増える見込みです。2020年の総年俸は約65億円ですが、他球団の総年俸の平均は30億円前後という点から見てもほぼ倍の総年俸にあたります。

球団が稼いだ売り上げから選手を補強、補強した結果チームが優勝して球団の収入も増えるといったスポーツビジネスの良いサイクルができています。2020年も開幕の見通しが立たず試合数減による減収は避けられない見通しですが、利益剰余金82億円とまだまだ体力はありそうです。

先にも触れましたように西武はポスティング収入が大きく寄与してますが、かつては松坂投手がメジャーに移籍した2006年は60億円のポスティング収入を得ました。ざっと11球団の選手総年俸平均額約30億円の倍にあたります。

この時は球場の改修にこのポスティング収入をあてましたが、利益剰余金39億円にも大きく寄与していそうです。2020年は西武に復帰した松坂投手はこれだけでも十分球団に恩返ししたといえますね。

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松坂投手が14年ぶりに復帰した西武はチケット収入やグッズ収入の増加が見込めそうです。ポスティング移籍した選手が久しぶりに復帰して再び球団に売り上げ増をもたらすというのも単純な話ではないですが、これからの球団経営の在り方の一つとなるかもしれません。

千葉ロッテも業績は好調のようです。かつて川崎球場を本拠地としていたロッテは球場にいる選手の数より観客の数の方が少ないと揶揄されましたが、千葉に移転してから地域密着化に尽力、赤字経営は続いたものの単年で利益を出すようにまでなりました。

赤字が続いたので利益剰余金は4億円とまだまだ不安定ではありますが、選手とファンが一体化した応援などファンサービスが功を奏して観客動員数も着実に伸ばしています。

西武、ロッテの2球団は圧倒的に人口の多い東京圏にあることも観客動員という点で有利とも言えますが、東京圏に比べて人口が多くない札幌に本拠地を置く日本ハムも利益を上げています。

日本ハムは札幌ドームが全く別の経営体であるため球場使用料が割高という不利な点があるにも関わらず利益を出せているのは、シーズン観客動員数約200万人というソフトバンクに次ぐ集客力が大きいようです。

日本ハムも札幌に移転して以降、北海道の地元球団として定着するよう努力を重ねてきました。それに加えてダルビッシュ投手、中田翔選手、大谷翔平選手、清宮選手、そして吉田輝星投手と甲子園のスターをことごとく獲得してきたことも集客を増やした要因としてあるでしょう。

東北楽天は赤字ではあるものの積極的にFA選手を補強するなどチーム力アップに力を入れていることで支出が増えている側面もあるでしょう。観覧車に代表されるような積極的な球場改修によるボールパーク化構想により観客動員も着実に伸ばしています。

かつては東京ドーム、川崎球場、日生球場、藤井寺球場、大阪球場、西宮球場といった東京圏、大阪圏の球場を本拠地としていた日本ハム、ロッテ、近鉄、南海、阪急といったパリーグの球団が、身売り、合併消滅から地方への移転を経て見事に地域と密着した球団へと発展をとげています。

シーズン観客動員300万人を超える巨人、阪神という老舗の2大球団には及ばなくとももはやパリーグ人気はセリーグに迫る勢いです。決算の収益がそれを物語っていると言えます。

まとめ

日本プロ野球の12球団は果たして儲かっているのか?という疑問から黒字球団、赤字球団を調べてまとめてみました。10球団が官報に公開している決算公告から各球団のもうけである収益がいくらなのか純利益をまとめたところ

  • 巨人、中日は決算公告なし、オリックスは純利益は非公表
  • この3球団を除く9球団では単年で赤字だったのは楽天野球団(東北楽天)のみで約4,700万円の赤字だがほぼ収支トントンといえる
  • パリーグは軒並み黒字を確保している球団が多くかつての不人気時代とは大きく様相が異なる
  • パリーグは身売り、合併消滅から地方へ移転し地域に密着した球団経営が着実に観客動員数を伸ばしている

とかつては親会社からの損失補填がなければ経営が立ち行かなかったプロ野球の球団経営もほぼ全ての球団が自立で経営していることがわかりました。特にパリーグはソフトバンクを筆頭に地域に根差した球団運営により着実に経営状態が上向いています。

もはや親会社の宣伝塔として赤字が容認される時代ではなく、球団が単体でもうけを出せる時代となりました。球団の経営努力によるたまものですが、年間200万人近くの観客を動員するコンテンツは他のどのスポーツ、コンサートにもないと言えます。

これからのプロ野球の発展にも各球団が自立して経営し収益を増やし続けることが重要ではないでしょうか?


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