社会人野球といえば誰もが聞いたことのある有名企業ばかりという印象ですが、野球部を運営するには企業の経済負担も小さくなくそれなりの売上、利益規模の企業でないとなかなか運営できません。
そのため企業の業績が悪化すると野球部が廃部になるケースも少なくはなく、それ故に社会人野球チームを持っている企業は大企業に限定されてしまいます。今回はそんな社会人野球チームを持っている企業の給料、平均年収はいったいいくらなのか?ランキングしてみました。早速見てみましょう!
社会人野球企業の給料、平均年収ランキング!
社会人野球の名門、強豪チームには軒並み大企業がずらりと名を連ねます。そこで今回は2020年11月に開催された都市対抗野球大会に出場した32チームの給料、平均年収をランキングしてみました。
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平均年収は、株式上場会社に作成義務のある有価証券報告書が公表されていますので、直近の報告書に記載の平均年収、平均年齢を一覧にしました。
順位 | 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
1 | ENEOS※ | 1,129万円 | 42.7歳 |
2 | JFE東日本※ | 1,096万円 | 44.2歳 |
3 | ヤマハ | 948万円 | 44.3歳 |
4 | 日本電信電話(NTT)※ | 922万円 | 41.1歳 |
5 | 日立製作所 | 902万円 | 42.3歳 |
6 | 東芝 | 867万円 | 44.8歳 |
三菱重工 | 867万円 | 40.7歳 | |
8 | トヨタ自動車 | 865万円 | 39.6歳 |
9 | セガサミー※ | 834万円 | 42.4歳 |
10 | 本田技研工業 | 816万円 | 45.5歳 |
11 | 日本新薬 | 791万円 | 41.0歳 |
12 | TDK | 778万円 | 43.4歳 |
13 | パナソニック | 754万円 | 45.7歳 |
14 | 三菱自動車工業 | 731万円 | 41.1歳 |
15 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) | 719万円 | 38.8歳 |
16 | 大阪瓦斯 | 653万円 | 43.3歳 |
17 | 日本製紙 | 649万円 | 42.8歳 |
18 | 四国銀行 | 612万円 | 38.7歳 |
日本製鉄 | 612万円 | 37.2歳 | |
20 | 日本通運 | 586万円 | 43.5歳 |
西部瓦斯 | 586万円 | 43.9歳 | |
22 | 東邦瓦斯 | 564万円 | 42.6歳 |
23 | 伏木海陸運送 | 558万円 | 40.2歳 |
24 | ジェイプロジェクト※ | 487万円 | 38.8歳 |
非上場の鷺宮製作所、ハナマウイ、北海道旅客鉄道と相互会社である日本生命は有価証券報告書の提出義務がないため記載してありません。三菱自動車岡崎、三菱自動車倉敷オーシャンズは三菱自動車工業、Honda、Honda鈴鹿、Honda熊本は本田技研工業となります。
なお※のENEOSは親会社であるENEOSホールディングス、同様にJFE東日本はJFEホールディングス、NTT西日本と東日本は日本電信電話、セガサミーはセガサミーホールディングス、ジェイプロジェクトはジェイグループHDがそれぞれ持ち株会社として上場しているので親会社の有価証券報告書から記載しました。
ENEOSの1,129万円が1位となりましたが、上述のように親会社であるENEOSホールディングスの平均年収なので子会社であるENEOSの平均年収はこの金額より下になると思われます。ENEOSは都市対抗野球大会でも歴代優勝回数は1位の11回ですので、企業としても野球部としても名門中の名門と言えます。
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同じく親会社のJFEホールディングスの金額となった2位のJFE東日本も1,096万円と高額になりました。ホールディングスはグループ子会社の株式を保有しグループ経営の中核を担う形式のため少人数で給料水準の高い社員が属していることが多く平均年収は高くなります。
これら2社はあくまでも参考金額となりますが、とはいえ子会社の中心事業会社であるENEOS、JFE東日本(JFEスチール)の給料もかなり高い水準にあることが推測されます。
商工リサーチによると全上場企業の平均年収が630万円、国税庁によれば会社員の平均年収は440万円とのことですので、やはり社会人野球チームを持っている企業は給料水準の高い大企業であるということが言えます。
なお平均年収は平均年齢、雇用形態、男女の比率によっても変わってきます。年功序列型の日本企業では年齢が上がるほど給料が高くなるんが一般的で、平均年齢が高ければ平均年収も上がる傾向にあります。
さらに雇用形態が正社員か契約社員でも給料水準は異なり正社員の方が高くなります。平均年収には契約社員や期間工、パートなどが含まれるケースもあり、また女性の一般職は男性の総合職に比べ給料水準は低いため女性比率が多いと平均年収を押し下げる要因になります。
野球部員は多くは正社員採用で野球部引退後も会社に残るケースがほとんどです。現役の間は給料はさほど多くなくても総合職採用であればこれらの平均年収を上回る可能性も高いのではないでしょうか。
社会人野球を経てプロの道に進む選手もいますが、競争の厳しいプロ野球の世界で数年で自由契約になるリスクを考えれば、これらの企業に入社できた方が将来に渡って安定した会社員生活を送れるかもしれません。
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しかしこれらの企業は普通に大学生が就職活動をして採用試験に受かるのも難しいような一流企業です、社会人野球のセレクションに受かるのはさらに狭き門と言えそうです。
まとめ
一般的に社会人野球で野球部を運営している企業は超一流企業が多い印象ですが、今回はこれらの企業の平均年収、給料水準がどれくらいなのかランキングしてみました。2020年の都市対抗野球大会に参加した企業について公表されている有価証券報告書で調べてみました。
有価証券報告書を提出していない企業や社会人野球チームの企業の持ち株会社である親会社の金額のものもありますが、
- 1位はENEOSの1,129万円(金額はENEOSホールディングス)
- 2位はJFE東日本の1,096万円(金額はJFEホールディングス)
- 3位はヤマハの948万円
と上場企業の平均年収630万円に比べてもかなりの高水準であることがわかりました。都市対抗野球に出場している企業チームの半分以上はこの平均額を超えています。
社会人野球チームを運営するには経済的な負担も多く、宣伝広告的な意味合いを割り引いても維持していくにはそれなりの規模の企業でないと難しく、企業の平均年収を比べてみても給料水準が高い超一流企業であることがわかります。
このような社会人野球を運営している一流企業には、今後も野球界の発展のために引き続き好業績を維持していただきたいですね。個人的にも応援したいと思います!