上達編

所属する野球チームの選び方。将来を見据えた高校までのチーム選びはこれをおさえよ!

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試合終了の挨拶をする選手たち

まず野球を始めるためには、団体競技ですのでどこかのチームに所属しなければ試合ができません。

最初は小学生時に草野球から始める方も多いでしょう。草野球でしたら数人から集まれば試合もできます。ただ最近は野球そのものができる公園が少ないようですし、何よりも野球を楽しむなら最低9人ずつそろえて本格的に試合をした方が断然楽しいです。

となると野球を楽しむためには正式なチームに所属することが手っ取り早いと思います。草野球でチームを作ることでも試合はできますが、対戦相手を探すのも大変ですし、それぞれの段階に応じた野球連盟に加盟しているチームに所属することが何よりも早く野球を楽しめることになります。

まず小学生から野球を始める人も多いことでしょう。プロ野球選手の多くも小学生のころから始めてます。その後、中学に進んで続ける方、中学から始める方もいますが、ここでは小学校、中学校、高校でどのような野球チームの選び方があるのか、またそれぞれの特徴について紹介します。

関連記事:子供の野球チームにおける親の負担。父母会など保護者が意識すべき3つのポイント。

小学生のチーム選び

小学生から始めるなら小学校の野球部、あるいは地元のクラブチームに参加することになります。身体的な成長が著しい時期ですが、一方でまだ身体が出来上がっていない時期ですので、それぞれの成長度合いを見ながら所属するチーム選びを検討しましょう

学校の野球部に所属する

学校の野球部に所属するメリットは

  • 基本的に費用が少なくすむこと
  • 学校のグラウンドで平日は毎日練習ができること

です。練習も平日の放課後にほぼ毎日行うことが一般的です。基本的にグラウンドへの移動や送迎などは不要です。

練習試合や公式戦の場合は移動の交通費や親御さんが何人かをまとめて送迎するケースもあるでしょうが、比較的費用は少なくすみます。練習試合や公式戦は土日や祝日、夏休みなどに行われるケースが多いので、移動や応援に親御さんが関わることは多いでしょう。

デメリットという点では、

  • 所属する小学校の野球部に所属するためチームが選べない
  • 学校によっては力を入れていない部や指導者次第では技術が向上する環境にはない

があります。なお最近では指導者となる教職員の労働環境に配慮し小学校の野球部は減る傾向にあります。

クラブチームに所属する

学校の野球部に比べてクラブチームは、

  • 学校単位ではないため練習グラウンドへ移動すること
  • 学校と違い交付される予算がないため会費が必要になること

といった点が小学校の野球部と大きく異なります。また部活動と違い練習が毎日ないクラブもあります。

会費は、クラブによって様々ですが入会金,月謝ともにそれぞれ2,000円から5,000円の範囲内が多いようです。当然硬球を扱うリトルリーグは、用具費用や遠征費用など全体的に会費等の金銭負担が高くなり、月10,000円近くになる場合もあります。

会費負担は大きいですが、メリットとして

  • 野球経験の豊富な指導者が指導すること
  • 学区を超えてメンバーが集まるので部活動よりはレベルが高い

などの点が挙げられます。またクラブチームは軟式のチームもありますが、リトルリーグなど硬式のチームになると入団するためにテストがあるケースもあり、目的意識の高い選手も多いのでより高いレベルの野球を目指すためにリトルリーグに入団する選手も数多くいます。

僕自身は小学校の軟式野球部の出身ですが、リトルリーグの入団テストを受けて落選した経験があります。この時は遠投力と50m走のタイムがテスト内容でしたが、まずはこの基礎体力が試されるかと思います。

結果リトルリーグには入団できませんでしたが、小学校の野球部では何とかレギュラーとなり、公式戦で勝ち進んで県大会に進出できました。リトルリーグではできなかったであろう経験もしましたし、この経験はその後の野球人生においても自信となりました。

小学生から硬球を扱うのも選手によっては安全面、成長面で問題があるケースもあります。まずは軟式野球部で試合に出て経験を積むことも重要です。まずは選手自身のレベルを見ながら入団するチームを決めることがよいでしょう。

中学生のチーム選び

さて中学生になっても小学生の時と選択肢はほぼ同じです。メリット、デメリットも大きく変わりません。

学校の野球部に所属する

多くの中学校にも野球部が存在します。こちらも小学校と同様、部活動ですので先の硬式リーグに比べて参加しやすいのが特徴でしょう。また通常は軟球を使用しますので気楽に始めたい方が野球部に所属するケースも多くあります。

僕自身も野球部出身ですが、弱小チームでありながら主将を務めました。この辺りは高校進学における内申書に有利に働いた側面もあるかと思います。また弱小チームがゆえに2年時からレギュラーとなることもできました。試合経験を積むという点では軟式野球部に所属することもメリットと言えるでしょう。

軟式野球部からもたくさんのプロ野球選手を輩出しています。イチロー選手や松井秀喜選手も軟式野球部出身です(ちなみにこの2選手は学年はイチロー選手が1年上ですが、中学時代に軟式野球の同一の中部大会にも参加していました)。

後にメジャーリーグで活躍する両選手も軟式野球部出身で、高校時代は甲子園にも出場してます。またプロ野球で活躍する選手でも、特に投手では軟式野球部出身の選手も多くいます。

クラブチームに所属する

一般的には小学生の時に硬式リーグに所属していた場合は、さらに上位のシニアリーグ、ポニーリーグ、ヤングリーグ、ボーイズリーグの硬式リーグのチームに進むケースが多いです。小学生と異なり中学生の軟式クラブチームは少なく多くは硬式野球となります。

これらのリーグは、それぞれ独立したリーグです。各リーグの正式名称は

  • 日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)
  • 全日本リトルシニア中学硬式野球協会(リトルシニア)
  • 全日本少年硬式野球連盟(ヤングリーグ)
  • 日本ポニーベースボール協会(ポニーリーグ)
  • 九州硬式野球協会(フレッシュリーグ)

となります。ボーイズリーグは関西中心、リトルシニアは関東中心でそれぞれ下位クラスには小学生リーグも所属し、参加チーム数はこの2リーグが大半を占めます。ヤング、ポニー、フレッシュリーグは上記2リーグに比べて参加チーム数は少ないです。

また学校では陸上部などに所属し、週末のみクラブチームで野球をするという選手もいます。平日を有効活用して基礎体力をつける、脚力をいかすなどが目的です。これらのリーグになると強豪校のスカウトも活発です。

一方で、小学生と同様、平日の練習は少なく週末のみの練習となることや遠征も多くなるため会費や遠征費用の負担も大きくなります。練習や試合の送迎などの親御さんの負担も増えるでしょう。

しかし上記硬式リーグなどのクラブチームはレベルの高い選手が多くなり、多くのチームは毎年強豪校へ選手を送り込んでいるので、甲子園への近道といえるでしょう。またチームメイトや対戦チームにはレベルの高い選手が多いので、上のレベルでの経験や人脈を築くという点でメリットはあるでしょう。

一概に硬式リーグが甲子園、プロ野球への近道とは言えませんが、それでも全体的には硬式リーグ出身者が甲子園出場、プロ野球選手の輩出という点で有利なのは否めません。

僕自身は中学軟式野球部の出身ですが、小学校の軟式野球部時のエースで4番でキャプテンだったチームメイトはシニアリーグに進み活躍、高校進学後も甲子園にも出場し優勝もしました。その後はプロ野球選手にはなれなかったみたいですが、シニアリーグのレベルの高さを知りました。

一方で、その後の高校野球でも地元の強豪校で活躍した選手には軟式野球部出身の選手も多くいましたし、プロに進んだ選手もいました。その後の進学も見据え、軟式野球で鍛えるのか、早くから硬式野球を経験するのかを検討した方がよいでしょう。

高校生のチーム選び

中学生でも選択肢はいくらかありますが、中学生くらいになるとどこの強豪校へ行くのかなど将来の目的に合わせて所属するチームを選ぶことが重要になるでしょう。

しかし高校での野球となりますと選択肢はほぼ一択です。

そう「甲子園」があるからです。

甲子園に出場するには硬式野球部に参加することになります。高校野球ともなると甲子園があるために世間の注目度もマスコミの取り上げ方も格段に変わります。もちろん高校によっては軟式野球部がある学校も多く、最近では延長50回まで戦ったことでクローズアップされることもありました。

しかし全国の硬式野球部が約4,000校あるのに対して、軟式野球部は約400校強と10倍近い開きがあります。高校野球の所属はほぼ硬式野球部の一択というのは学校数からも歴然としてます。

以下に硬式野球部と軟式野球部のそれぞれの特徴について見ていきましょう。

硬式野球部に所属する

基本的には甲子園出場のためには硬式野球部に所属します。甲子園の常連校から普通の高校野球部までいろんな選択肢があります。

所属するチームは、甲子園に出られる強豪校、憧れの伝統校、文武両道を目指す強豪校で進学校、あるいは自分の学力で行ける学校にある野球部に所属するといったそれぞれの考え方に応じて選ぶことになるでしょう。

大きく分けて私立強豪校、公立強豪校、それ以外(野球部が強豪ではない)の選択肢になります。

私立強豪校に所属する

まず甲子園への最短のルートであるがゆえに難易度は相当高くなります。まず入学するにあたり大きく特待生、推薦入学、一般入学の方法がありますが、特待生となるには中学での実績が必須となります。

  • 特待生

入学金、授業料免除で是非当校へ来てくださいという待遇ですので、必然的に実力のある選手でなければなりません。これだけでもかなりハードルが高いのですが、入学後も結果を出し続けなければレギュラーになれないなんてケースもあります。

最悪レギュラーになっても甲子園に行けなかったということもありえます。一方で、多くのプロ野球選手が特待生を経験してドラフト指名を受けて入団するというルートを経ていることから、プロ野球選手への王道であります。

  • 推薦入学

これは入学金、授業料などは一般生徒と同じ条件ですが、野球で実績があることが評価され入試において一般よりも優遇される制度です。特待制度を導入していない強豪校では最もポピュラーな入学方法です。

  • 一般入試

特に中学で実績がなかったり、実績があってもスカウトの目に止まらなかった選手がどうしても入学したい高校を受験する方法です。この場合は、入部後の待遇も特に優遇されず、レギュラーになるためには高校で実力を伸ばし少ないチャンスを生かす必要がありますし、そもそも合格するための学力がなければいけません。

強豪校であれば甲子園へ行くチャンスは多いですが、その分日本全国から有望な選手が集まるので競争は相当激しいものになり、それなりの覚悟も必要です。また全寮制か通いかでも費用面や練習環境に差が出ます。

  • 全寮制

全寮制は野球部専用、もしくは運動部員専用の寮に入寮する制度です。当然寮費がかかるので高額になりますし、親御さんと会えるのも年に数回というのが普通です。携帯、スマホ禁止というところもありますので、野球や勉強に打ち込むには向いているかもしれません。またあいさつや生活態度も指導されるので人間力形成に役立つ面もあると思います。

食事面でも栄養士がついているようなところであったり、メニューもきちんと管理されいていれば身体の成長という点では安心できるかもしれません。何より学校やグラウンドに隣接されている分、練習に打ち込めるという点では優れているといえるでしょう。

関連記事:高校野球の厳しい寮生活、何が辛い?地獄ってホント?

  • 通い

一般的には通いの方が圧倒的に多いでしょう。通いの場合は、通学に時間がかかったり、時間によっては親御さんが送り迎えするなど、また弁当を作ったり当然食事面での気配りなど親御さんの負担は大きなものになるでしょう。

公立強豪校に所属する

近年の甲子園での優勝校を見ると多くは私立の強豪校ですが、公立でも多くの名門校、強豪校はあります。第100回高校野球選手権でも準優勝した金足農業も公立校でした。戦前から輝かしい実績を残している四国4商(高松商業、松山商業、高知商業、徳島商業)、広島商業、県立岐阜商業、銚子商業の古豪商業高校やかつて一世を風靡した池田高校、箕島高校などは公立の強豪です。

地方では、いまだ強豪公立高校は健在し多くの球児の憧れの高校として君臨しています。私立並みのグラウンド、設備を所有している学校もあります。

公立校ですので、原則一般入試での入学となるので学力も必要です。また越境入学も認められないので、学区内からの通いが一般で全寮制もほぼありません。

特待制度もありませんが、ただ有望な中学の生徒に声をかけることはあるので、あくまで一般入試もしくは推薦入試を経て学費も負担しての入学となります。こういう点では、私立強豪校に比べると選手を集めるのは不利です。

それでも名門公立校で野球をしたい、地元の公立校から甲子園に出たいという選手も多くいますので、まだまだ甲子園に出場するチャンスはあります。卒業後の進路先として大学や社会人とのパイプがある高校もありますので、将来を見据えても十分検討の余地があります。

強豪校以外に所属する

大半の高校球児が上記の私立、公立の強豪校以外の高校野球部に所属します。地方大会では時に上位に名を連ねるような高校野球部も多く存在します。もちろん甲子園を目指して3年生の最後の夏の大会までの2年半汗を流す選手もたくさんいます。

ただしこういった高校の大半は、練習環境も恵まれてなく強豪校ほどの練習量もないので、野球を楽しんだり、学業と並行して受験勉強にも力を入れるといった部分が大きいといえます。

僕自身も普通の県立高校野球部に所属していましたが、甲子園は夢のまた夢といった感じでした。それでも引退するまでは練習に励み、夏の暑い日や冬の寒い日も耐えたことは貴重な財産となりました。また夏の大会で最終回に大逆転できた試合は(最終回代打を出されましたが)、今でも良い思い出となっています。

選手や運にも恵まれれば甲子園出場も夢ではありません。何より厳しい練習に耐えたチームメイトとはその後も結びつきが強く、甲子園に出場できなくてもいろんな経験をすることが部活動の本質だと思います。

軟式野球部に所属する

高校にも軟式野球部がある学校はありますが、その数は硬式野球部に比較してかなり少ないです。全国で硬式野球部が4,000校弱あるのに対して軟式野球部は400校超と10倍近い開きがあります。

軟式野球部の特徴は、

  • 軟球を使用しているので硬式野球部に比べて安全
  • 硬式野球部のような厳しい練習や上下関係があまりない
  • 参加校数が少ないので全国大会に行きやすい

などが挙げられます。また一部社会人でも軟式野球部がある企業もあるので、全国大会に出場すれば就職しやすいという点もあるようです。野球経験がない人が始めやすいというメリットもあります。

全国大会に出場するようなチームはレベルの高い選手もいます。数年前には全国大会で延長50回を4日間かけて戦った試合も注目されました。ごくまれに軟式野球出身のプロ野球選手もいます。

軟式野球部の有無、チームの戦績、雰囲気などを参考に軟式野球部に所属するのも楽しいかもしれませんね。

関連記事:全国高校軟式野球と歴代優勝校は?軟式野球を選ぶ理由とは?

以上、高校までの所属チームの選び方にはいろいろあります。それぞれの目的に合わせて無理のないように選ぶのが野球を楽しくするためのポイントです。

【まとめ】

小中学校のチームの選び方には、大きくわけて

  • 学校の野球部に所属する
  • 地域のクラブチームに所属する

ことになります。また学校の野球部は基本軟式野球ですが、クラブチームは軟式、硬式の両方あります。

一方で高校野球では野球部に所属することが前提となります。硬式野球部がメインではありますが、将来、野球をどう生かしていきたいのかによって選ぶチームが変わります。将来を見据えたチーム選びが重要です。

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