高校野球日本代表U18のメンバーが発表され、世代注目の両右腕奥川恭伸投手(星稜)、佐々木朗希投手(大船渡)が選出されました。高校野球ファンならずともその名前が知られた両投手、2019年の高校日本代表のWエースとして大いなる期待が寄せられています。
8月26日の大学日本代表との壮行試合では、佐々木投手が先発しました。1回を投げ終えたところで、右手中指に血マメができかけたということで大事をとって降板しました。
1回の投球では、最速156㎞と全8球の直球で150㎞超を計測し、無安打2三振と完ぺきな結果を残しました。一方、奥川投手は夏の甲子園大会の決勝まで投げた疲労が蓄積しているとのことで、日本代表の試合ではまだ投げていないという状況です。
U18は予選オープニングラウンドを5試合消化、台湾戦は雨天5回コールドで敗戦となりましたが、最終戦パナマ戦を勝利し王者アメリカとの勝ちを含む4勝1敗とスーパーラウンドへの進出を決めました。
この5試合までは奥川投手は代打での出場はあるものの両投手はまだ1球も投げていません。他の投手が奮起してオープニングラウンドは無事通過しました。W杯で優勝するためにはこのWエースの登板は欠かせません。ではいつ投げるのでしょうか?今後の試合展開とともに予想してみたいと思います。
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優勝するための道のりは?
高校野球日本代表U18のW杯は、オープニングラウンド5試合を消化、台湾戦で敗戦したものの4勝1敗として台湾とともにスーパーラウンド進出を決めました。
日本代表の属するBグループは日本、台湾がスーパーラウンド進出、ここまでの結果を見る限り残り1チームはアメリカになる可能性が大きいでしょう。
このW杯のルールでは、オープニングリーグの上位3チーム同士の試合結果が次のスーパーラウンドに持ち越され、スーパーラウンドではもう一方のオープニングラウンド上位3チームとそれぞれ対戦します。
オープニングラウンドの上位となるであろうこれらの3チームの直接対決の成績は、日本1勝1敗(アメリカ〇、台湾●)、アメリカ1勝1敗(台湾〇、日本●)、台湾1勝1敗(日本〇、アメリカ●)と三つ巴の状態です。
スーパーラウンドでは、1位、2位通過チームで決勝戦を行います。このため優勝するには、スーパーラウンドでは負けが許されない試合が続きます。
Aグループの上位に予想されるのは、韓国、豪州、カナダの3チームです。特に韓国はスーパーラウンドでも上位通過する可能性が最も高く実力もあります。
スーパーラウンドでは、この韓国と日本、アメリカ、台湾が対決する可能性が大きいと思われます。これら4チームはいずれも4勝1敗でスーパーラウンドに勝ちあがってくる可能性が大きく韓国にとってもハードな戦いとなりますが、日本が1位、2位通過するためにはともにスーパーラウンドを全勝したいところです。
豪州、カナダも強敵ですが、これらのチームとの対戦で取りこぼしは許されません。日本が優勝するためには、スーパーラウンドでは1戦必勝で臨まなければなりません。
さらにスーパーラウンドを2位以上で通過した後、決勝戦に勝つためにはこのWエースの登板が不可欠となります。この決勝戦から逆算してWエースがいつ投げるのか予想してみたいと思います。
Wエース奥川投手と佐々木投手はいつ投げるのか?
まず日本が決勝戦に進出する場合、もちろん相手国は未定ですが日にちは9月8日(日)になります。さらにスーパーラウンドは9月5日(木)から9月7日(土)までの3日間で3試合を行うという超過密日程です。
またスーパーラウンドでの日程も未定です。韓国戦がどこになるのか?によって先発投手のローテーションも変わってくることになるでしょう。あらかじめ登板日が決まっているプロ野球と違い、代表チームの投手はいつでも投げられる準備をして毎試合臨むことになります。
ここでポイントとなるのが球数制限です。超過密日程のため投手が1試合で投球できる球数と球数により登板できる試合間隔がルール化されています。
【投球数ごとに与えられる休養日】
投球数 | 連投の条件 |
1~49球 | 翌日の試合での連投が可能 |
50~104球 | 翌日1日は休養日 |
105球 | 105球に達した時点(対戦中の打者が終えるまで)で降板、その後4日間の休養日 |
以上のような条件のもとで投手起用を考えなければなりません。
まず決勝戦(に進む前提)では、このWエースを試合展開に応じて惜しみなく投入することになると思います。ここで気がかりなのは8月26日の壮行試合で1回で降板した佐々木投手の回復具合です。満を持して決勝戦まで温存なのか、スーパーラウンドで登板するのか?は不明です。
また甲子園の疲労回復のためこちらも登板していない奥川投手はブルペンでの投球練習を開始しています。スーパーラウンドでの登板が予想されるでしょう。この場合104球以内で降板すると思われます。
他の投手は台湾戦で宮城投手が5回までを投げ(104球以下)、途中から西投手が登板し打者一人にのみ投げました(49球以下)、翌日のパナマ戦は西投手が登板しましたが、スーパーラウンドでは全員の投手が登板可能です。では今後の日程を見てみましょう。
【今後の日程】
日程 | ラウンド | 対戦相手 |
9月3日(火) | オープニングラウンド | パナマ |
9月4日(水) | 予備日 | - |
9月5日(木) | スーパーラウンド | 未定 |
9月6日(金) | ||
9月7日(土) | ||
9月8日(日) | 決勝戦(順位決定戦) | 未定 |
以上のように3日のパナマ戦から決勝戦までは中4日あります。奥川投手、佐々木投手を含め現時点では決勝戦には投手全員が登板可能です。しかしスーパーラウンドでのWエースの初登板は韓国戦が大本命だと思います。
スーパーラウンドでは、あるいは試合展開が苦しい場合に緊急登板、もしくは試合登板が楽な展開での調整登板もあるかもしれませんが、仮に登板しても現実的にはスーパーラウンドの残りの試合展開や疲労度を考慮して49球以下で降板するでしょう。
本命としては、韓国戦が9月7日(土)でない場合、韓国戦にWエースの登板があるのではないでしょうか?この場合、甲子園の大舞台を経験している奥川投手の先発を予想します。
7日が韓国戦となった場合は、Wエースのどちらかが先発して行けるところまで行くことになるかもしれません。佐々木投手は壮行試合でも1回しか投げていないので実戦登板の経験不足がやや不安要素ではありますが、この場合は佐々木投手が先発すると予想します。
以上より、Wエースの登板は決勝戦は奥川投手が本命、スーパーラウンドの韓国戦が7日ならば佐々木投手が先発するか登板しても49球以下で降板する可能性もあるでしょう。7日以外ならば韓国戦はWエースで104球以下まで投げる可能性が大きいのではないのでしょうか?
韓国戦の日程次第では49球以下限定でカナダ、豪州に投げることも大いにあります。この両チームに勝つことも容易ではありません。韓国戦以外は、浅田、林両投手の先発とほかの投手のスクランブル登板あるいは遠藤、石川の野手の登板で何とかしのぎたいところです。
とにかく優勝するためには1敗もできないことを考えると、早めに先制して優位にゲームを進める展開に持ち込んで継投を有利にする必要があります。まだ万全ではないWエースの調子次第ではありますが、いよいよそのベールを脱ぐときは近いでしょう。
まとめ
高校野球の日本代表U18のW杯が始まりスーパーラウンドへの進出を決めました。ここまで登板のない奥川投手、佐々木投手がいつどこで投げるのか?今後の優勝するための展開を見据えながら予想してみました。
決勝戦に行く前提であれば、先発の本命は奥川投手、スーパーラウンドでの韓国戦は佐々木投手の先発が本命だと思います。韓国戦が決勝戦と連戦ならないのであれば、韓国戦にWエースが登板して104球以下で降板、中1日以上空けて決勝戦に臨むと思います。
まだ本調子ではないWエースですが、優勝に向けていよいよエンジン全開になる日が近づいてきました。悲願のW杯制覇に向けて残りの試合を全勝してほしいですね。