2020年のプロ野球はコロナ禍の中、試合数が120試合に縮小されたものの巨人がセリーグを制覇し2連覇を達成しました。巨人のエース菅野智之投手は沢村賞こそ逃したものの開幕13連勝で優勝に貢献しました。
2020年年俸額は6億5千万円と球界最高額プレーヤーを維持、2020年オフにはポスティングによるアメリカメジャー移籍を目指していましたが、条件が折り合わず巨人残留が決定。
契約更改では単年契約の8億円、球界最高年俸はメジャーのニューヨークヤンキースから東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰が決まった田中将大投手の9億円に譲りました。
今季オフにも再度メジャー移籍を目指す菅野投手のプロフィールやここまでの生涯年俸、通算成績を振り返ってみましょう!
菅野智之投手のプロフィール
菅野智之投手は、2012年にドラフト1位で読売巨人軍に入団、入団1年目の2013年から1軍登板を果たしました。プロフィールについて見ていきましょう。
名前 | 菅野智之(すがの ともゆき) |
誕生日 | 1989年(平成元年)10月11日 |
投打・ポジション | 右投右打・投手 |
出身 | 神奈川県相模原市 |
出身校 | 東海大相模高校(神奈川)→東海大学 |
身長・体重 | 186㎝、95㎏ |
ドラフト年、順位 | 2012年1位 |
有名な話ではありますが、巨人軍原辰徳監督は菅野投手の母方の伯父、元東海大相模高校の野球部監督原貢氏は菅野投手の祖父にあたります。野球一家の血を引き継ぎ、祖父が監督を務め伯父の辰徳氏と親子鷹でかつて甲子園を湧かせた東海大相模高校に入学します。
東海大相模高校での甲子園出場はなく系列の東海大学へ進学します。大学時代には大学日本代表にも選ばれるなど明治大学の野村祐輔投手(広島)、東洋大学の藤岡貴裕投手(千葉ロッテ→日ハム→巨人)と大学ビッグ3として注目されました。
大学4年時の2011年ドラフト会議では、当然ドラフト1位候補として注目を浴びます。そして伯父の原辰徳氏が監督を務める読売巨人軍が単独1位指名となるか話題となりましたが、日ハムが果敢に1位指名を強行。巨人、日ハムが競合の末、抽選で当たりくじを引いた日ハムが交渉権を獲得しました。
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ところが菅野投手は日ハムへの入団を拒否し、1年間浪人します。1年間の浪人生活後の2012年ドラフト会議で晴れて巨人から単独1位指名、無事巨人へ入団を果たします。
1年間の浪人生活をものともせず入団1年目の2013年から菅野投手は先発投手として活躍します。年度別の成績を見てみましょう。
菅野投手の年度別成績は?
入団1年目からの菅野智之投手の年度別成績は以下の通りです。
年度 | 登板 | 先発 | 完投(完封) | 勝利 | 敗戦 | 防御率 |
2013 | 27 | 26 | 1(0) | 13 | 6 | 3.12 |
2014 | 23 | 23 | 3(0) | 12 | 5 | 2.33 |
2015 | 25 | 25 | 6(2) | 10 | 11 | 1.91 |
2016 | 26 | 26 | 5(2) | 9 | 6 | 2.01 |
2017 | 25 | 25 | 6(4) | 17 | 5 | 1.59 |
2018 | 28 | 27 | 10(8) | 15 | 8 | 2.14 |
2019 | 22 | 22 | 3(1) | 11 | 6 | 3.89 |
2020 | 20 | 20 | 3(3) | 14 | 2 | 1.97 |
通算 | 196 | 194 | 37(20) | 101 | 49 | 2.32 |
1年目から27試合登板、チームトップタイの13勝をあげ新人とは思えない成績をおさめました。しかしこの年は16勝をあげたヤクルトの小川泰弘投手が新人王を獲得、阪神の藤浪投手とともに新人特別賞を受賞します。
2016年は唯一2桁勝利に届きませんでしたが、この年は味方打線の援護がなく防御率は2.01と最優秀防御率のタイトルを獲得します。この年以外にも2014年、2017年、2018年と過去4回も最優秀防御率のタイトルを手にし、通算でも2.36という驚異的な数字を残しています。
2017年17勝、2018年15勝、2020年14勝と最多勝利のタイトルを3回獲得、このほか2014年、2020年のリーグ優勝時にはMVPも受賞しています。さらにベストナインを2014年、2017年、2018年、2020年と計4回、ゴールデングラブ賞も2016年から3年連続、2020年の計4回受賞しました。
2020年は3回目の沢村賞の受賞を逃したものの2017年、2018年には沢村賞を2年連続で受賞します。
過去8年のキャリアで先発投手としてローテーションをきっちりこなし、数々のタイトル、受賞を手中におさめてきた菅野投手は、球界を代表する投手にまで飛躍しました。2020年の年俸は6億5千万円と名実ともに球界ナンバー1選手まで上り詰めました。
コロナ禍により120試合に短縮された2020年のシーズン成績は14勝で最多勝、防御率は1.97という驚異的な数字を残しました。3度目の沢村賞は中日の大野雄大投手に譲ったものの、最多勝、MVPを獲得してチームの2連覇に大きく貢献しています。
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球界ナンバー1だった年俸額は、2021年契約更改で東北楽天に復帰した田中将大投手の9億円に抜かれてしまいましたが、今季オフには改めてメジャー移籍を目指します。菅野投手のここまでの生涯年俸推移はどうなっているでしょうか?見ていきましょう!
菅野投手の生涯年俸推移は?
菅野智之投手は2013年に契約金1億円、年俸1,500万円の上限金額で契約しました。以降の年俸推移は以下の通りです。
年度 | 年俸(推定) |
2013 | 1,500万円 |
2014 | 7,000万円 |
2015 | 1億1,000万円 |
2016 | 1億3,000万円 |
2017 | 2億3,000万円 |
2018 | 4億5,000万円 |
2019 | 6億5,000万円 |
2020 | 6億5,000万円 |
2021 | 8億円 |
通算 | 31億500万円 |
1年目に1,500万円だった年俸は2年目には4倍超の7,000万円、3年目にはあっさり1億円を超え、以降も年俸は右肩上がりで推移していきます。特に最多勝、最優秀防御率、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブといったタイトルを受賞した2017年、2018年の翌年の年俸は大幅増となっています。
2018年の年俸は前年のほぼ倍増となる2億3,000万円から4億5,000万円、2019年は一気に2億円増の6億5,000万円と球界最高年俸額まで到達しました。
この金額はかつて横浜ベイスターズで活躍した大魔神佐々木主浩投手のもつ日本プロ野球の日本人選手最高金額に並ぶと同時に、巨人時代の松井秀喜選手の日本人選手の球団最高額6億1,000万円を超えるものです。
2019年の成績は登板数、勝利数、防御率ともに前年を下回る成績で、2020年年俸は現状維持の6億5,000万円でしたが、球界ナンバー1をキープしています。
そして2020年オフにはポスティングによるアメリカメジャーリーグへの移籍を目指しましたが、単年契約8億円で巨人に残留。MVP、最多勝にゴールデングラブ賞、ベストナインとタイトルを獲得、かつて巨人に在籍したペタジーニ選手の7億2,000万円を上回る年俸となりました。
現役9年間での年俸総額は31億5,000万円と日本球界だけで年平均3億円以上の金額は日本球界最高峰でしょう。今季オフにもメジャー再挑戦を目指すとされている菅野投手、今季の活躍次第ではメジャー球団との大型契約も勝ち取るかもしれないですね。
まとめ
2020年は巨人軍がセリーグを制覇して2連覇。開幕13連勝で優勝に貢献した菅野投手は、ポスティングによるメジャー移籍を目指しましたが、巨人残留が決定。2021年年俸は8億円と球界最高額は東北楽天の田中将大投手の年俸9億円に譲りましたが、破格の年俸額と言えます。
ここまでの菅野投手の年度別成績、生涯年俸を振り返ってみましたが、
- 入団1年目から2桁勝利をあげ、2016年を除きすべての年度で2桁勝利を達成、通算防御率は2.36と安定した成績をあげている
- 2018年、2019年には最多勝、最優秀防御率、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブと主要タイトルを獲得
- 2020年は最多勝、MVPのタイトルを獲得
- 入団3年目で1億円超え、2018年、2019年は連続して約2億円の大幅アップ、2019年、2020年年俸は球界最高の6億5,000万円
入団以来、球団のエースとして活躍してきた菅野投手の通算成績や年俸推移も超一流ですが、来季もメジャー移籍を目指す菅野投手の2021年シーズンの活躍に期待です!