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2019神宮大会、星稜と明徳因縁の再戦と監督コメント!試合結果はどうなった?

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神宮球場

2019年の明治神宮野球大会が開催しました。高校の部、大学の部が11月15日から6日間、決勝の21日まで開催されます。年内最後の公式大会である明治神宮野球大会は今回で第50回の歴史があります。

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今大会も例年通り各地区の代表校が出場し神宮大会優勝というタイトルをかけて争うわけですが、この第50回はちょっとした因縁対決が見られました。かなり懐かしい話になってしまうのですが、あの「松井5敬遠」で物議をかもした星稜高校対明徳義塾高校が27年ぶりに公式戦で対戦しました。

甲子園の長い歴史でも今や語り草となっている「5敬遠」。当時はいろんな議論がなされ社会問題にまでなったほどの出来事でしたが、27年ぶりのこの両校の対決が明治神宮野球大会で実現しました。あえてこの話題にふれるとともに両校の監督の当時の思いに焦点を当ててみたいと思います!

星稜対明徳義塾の因縁とは?

この因縁対決というのを知らない方のために解説します。当初は1992年の第74回夏の甲子園大会2回戦で対戦した星稜対明徳義塾は社会問題になるまでの試合でした。

有名な話ではありますが、「松井選手5敬遠」という前代未聞の明徳義塾高校の戦略であの松井秀喜選手に勝負せず、優勝候補でもあった星稜に結果的に勝った試合です。当時は明徳義塾も甲子園には常連校になりつつありましたが、高知県では高知商、高知高に次ぐイメージでした。

今では甲子園でも常連ではなく常勝の明徳義塾ですが、松井選手擁する星稜との対戦では大方の勝利予想は星稜でした。しかしのちに巨人の4番、メジャーの名門ヤンキースで活躍する松井選手を相手に明徳義塾は予想外の戦術をとります。

初回は走者を置いて松井選手を敬遠します。試合前にも明徳義塾の馬淵監督は全打席歩かせるような発言をしていましたが、初回から敬遠しました。この時は2死3塁だったので初回とはいえ理解できます。

しかし2打席目以降も1塁にランナーがいるケースどころかランナーがいないケースも含め松井選手の全5打席を敬遠しました。まして試合展開は星稜が追うケースだったのもあり、スタンドのファンは星稜ファンならずとも明徳義塾が敬遠する姿勢に批判的でした。

特に第5打席では二死三塁というケースで、敬遠もままありえますがまたもや敬遠をしました。その前までの4打席全て敬遠だったためいよいよスタンドの観客からもブーイングを浴びます。グラウンドにはメガホンなどが投げ入れられ、球場は騒然とした雰囲気に包まれました。

しかし明徳義塾は第5打席目も敬遠を敢行、後続の打者を打ち取り見事1点差の薄氷の勝利をつかみました。しかし試合後の校歌斉唱の際にはスタンドから「帰れ!」コール、明徳義塾ナインにはブーイングが浴びせられました。

この時馬淵監督も「県を代表している以上、一つでも多く甲子園で勝たせたかった」というコメントを残しています。一方、松井選手は「歩かすのも作戦のうち、自分はどうこう言えない」と敗戦の悔しさを噛み殺しながら無難なコメントを残しました。

当時高野連の牧野会長は「ランナーいない時くらいは勝負してほしかった。今回は度が過ぎている」という批判をし、マスコミでも大きく取り上げ賛否両論あったものの批判的な報道が相次ぎました。

また明徳義塾の宿舎にも嫌がらせの電話などが殺到、脅迫めいた行動もあり3回戦の広島工業戦では0-8の大敗を喫します。

長い甲子園の歴史で初の5敬遠、しかもその松井選手はプロ野球を代表する打者、メジャーリーグでも活躍するほどになったためこの5敬遠は20年以上の歴史を経てもたまに話題になるほどです。

テレビ番組の企画でも取り上げられたり、当時の対戦投手明徳義塾の河野投手と松井選手の対談なども実現しています。今や偉大な松井選手を語るうえでの一エピソードと化していますが、いかに反響が大きかったかがうかがい知れます。

この5敬遠以降、公式戦での両校の対決はありませんでしたが、2019年の明治神宮野球大会の1回戦で27年ぶりに実現しました。試合前にはマスコミも取り上げ両校の監督の談話が紹介されています。どんなものだったのでしょうか?

両校の監督の談話と試合結果は?

2019年の明治神宮野球大会1回戦で星稜対明徳義塾の対決が、5敬遠以降初、27年ぶりに実現しました。実はこの神宮大会の前の2019年夏の甲子園でも3回戦で対決する可能性がありましたが、明徳義塾が2回戦で敗退し実現しませんでした。

27年ぶりの公式戦での再戦ということで試合前の両校監督のコメントが取り上げられました。明徳義塾高校は当時と同じ馬淵監督でいまや高校野球界でも名将として優勝も経験した大監督となりました。

一方、星稜高校高校の監督は27年前の試合では2年生ながら遊撃手として松井選手と三遊間を守っていた林和成監督です。この夏にも甲子園で奥川投手を擁して準優勝するなど若いながらも甲子園での実績を重ねつつあります。

両監督は、神宮大会の開催前に明治神宮を参拝する際に再会を果たします。馬淵監督と林監督はこの時談笑をし、馬淵監督が強打の星稜高校を称えながらも「あまり打つなよ、点を取るなよ」と冗談交じりに口撃しました。

対して林監督は「うちにそんな力はありません」と謙虚に返すなど終始和やかムード。林監督は当時を振り返って「展開を考えれば仕方ないと思っていた。前後を打つ我々がしっかり打っていれば勝てた試合だった」とわだかまりのない様子でした。

むしろ馬淵監督を「毎年のように甲子園に出場し粘り強い試合をしている。厳しい練習で鍛えていると思う。私にはその徹底力が足りないので近づきたい」と指導者としても尊敬しているようです。

また馬淵監督は周囲の注目に対して「勝手に注目して話題がないんかな」と受け流す様子でしたが、対星稜高校については「うちは弱いので胸を借ります。どれだけ食らいついていけるか」「うちが勝つとしたらロースコア」と謙虚なコメントを残しました。

さて肝心の試合は、3回裏に星稜が1点を先制するもすかさず4回表に明徳義塾が4点を取って逆転、続く5回にも鈴木大照選手の3ランで7-1と大量リード。負けじと星稜も5回裏に2点をあげ7-3と4点差にして食らいつき終盤に追い上げを見せるも最後は8-5と明徳義塾が逃げ切りました。

試合後の馬淵監督は「ビッグイニングを作らんと全国では勝てん」と得意の小技を封じ込めての勝利に「実力は相手が上でもどう転ぶかわからん。それが野球の面白さ、難しさよ」と振り返りました。

話題として注目されたことに関しては「僕自身は本当に意識していない。監督というのは選手の力をどうやって引き出すかしか考えていない」と述べ、「林監督も同じでしょう、勝つことだけを考えておられたんじゃないですか」とお互い意識していないのではということを強調しました。

敗戦した林監督は「細かい指示やサインを出すタイミング、進塁打を打つ場面ではしっかり進塁打を打たすなど統率された野球を感じました」と試合前の「(馬淵監督から)いろんなことを吸収したい」のように馬淵監督に脱帽の様子でした。

結局、27年前に続いて明徳義塾に敗戦した星稜高校ですが、選抜でも注目校として優勝候補にも挙げられるでしょう。2020年の選抜甲子園でも対戦なるのか?今夏準優勝の星稜高校が意地を見せられるのか注目したいですね。

まとめ

2019年の明治神宮野球大会の高校の部で因縁の対決、星稜高校対明徳義塾高校が対戦しました。あの松井秀喜選手の5敬遠以来、27年ぶりとなった対決に注目されました。当時も監督だった馬淵監督と当時は2年生遊撃手として試合に出場した林和成監督の談話も話題となりました。

試合前のコメントでは馬淵監督が「あまり点を取るなよ」と冗談めかして談笑した両校の監督ですが、試合結果は名将馬淵監督率いる明徳義塾が8-5と逆転勝ちをおさめ試合巧者ぶりを発揮しました。

翌春2020年のセンバツ甲子園も出場を当確としている両校、選抜での再戦、星稜高校のリベンジなるのか?是非注目したいですね!

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