2020年のプロ野球もセパ両リーグの優勝チームが巨人、ソフトバンクにそれぞれ決まりました。例年ならばクライマックスシリーズでファーストステージ、ファイナルステージを勝ち抜いて日本シリーズ出場チームが決まります。
クライマックスシリーズが導入されて10年以上すっかり定着し、リーグ優勝しても日本シリーズ出場権を獲得するまで息が抜けないシーズンが続きました。しかし2020年はシーズン開幕が延期した影響でクライマックスシリーズはパリーグのみ開催、1位チームと2位チームの対決だけで決まります。
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このため2020年の日本シリーズ出場はセリーグは巨人で決定していますが、パリーグはソフトバンクと2位チームにより行われるクライマックスシリーズで決定します。2019年はソフトバンクが4連勝で巨人を下しましたが、巨人、ソフトバンクともに日本シリーズの常連チームです。
それでは歴代の優勝回数はどこの球団が最多なのか?さらに過去シーズン優勝を逃したチームが日本シリーズに出場する下克上は何チームが果たしたのか?まとめてみました。
過去の戦績を知って日本シリーズをより楽しく観戦しましょう!
日本シリーズの歴代優勝回数は?
日本シリーズの正式名称は「日本選手権シリーズ」で、毎年プロ野球の日本一の球団を決める短期決戦のことを指します。2リーグ分裂後の1950年にセリーグとパリーグの優勝球団で対戦するようになったのが始まりです。
7戦4勝制でどちらかのチームが先に4勝した時点で日本一が決定、以降の試合は行われません。引き分けの試合があった場合は、第8戦が行われ以降どちらかが4勝するまで試合を行います。
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日本シリーズの歴代優勝回数
1950年以降の歴代優勝回数は以下の通りです。
順位 | 優勝回数 | 出場回数 | 球団(前身球団含む) |
1位 | 22回 | 34回 | 読売ジャイアンツ |
2位 | 13回 | 21回 | 西武ラインズ(西鉄時代含む) |
3位 | 10回 | 19回 | 福岡ソフトバンクホークス(南海、ダイエー時代含む) |
4位 | 5回 | 7回 | 東京ヤクルトスワローズ |
5位タイ | 4回 | 6回 | 千葉ロッテマリーンズ(毎日、大毎時代含む) |
5位タイ | 4回 | 12回 | オリックスバッファローズ(阪急時代含む) |
7位タイ | 3回 | 8回 | 広島東洋カープ |
7位タイ | 3回 | 7回 | 北海道日本ハムファイターズ(東映時代含む) |
8位タイ | 2回 | 3回 | 横浜DeNAベイスターズ(大洋時代含む) |
8位タイ | 2回 | 10回 | 中日ドラゴンズ |
11位タイ | 1回 | 6回 | 阪神タイガース |
11位タイ | 1回 | 1回 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
松竹は大洋(現横浜)、近鉄はオリックスに吸収合併されたため出場は松竹1回、近鉄4回(両球団とも日本一はなし)がありますが、既に現存しない球団としてこの表には含まれません。
2019年までの通算成績はセリーグ、パリーグともに35回とまさしく拮抗しています。最多はジャイアンツの22回でV9時代の1965年から1973年の9年連続など輝かしい時期がありましたが、それ以降連覇がないのが意外です。
2位はライオンズの13回でやはり1982年から1992年までの11年間で8回という黄金時代が大きく貢献しています。
2020年はセリーグの覇者がジャイアンツ、パリーグの覇者がソフトバンクに決まりました。クライマックスシリーズのないセリーグは巨人が日本シリーズ進出を決めていますが、ソフトバンクは日本シリーズ出場をかけてこれからクライマックスシリーズを戦います。
現存の球団で日本一がない球団はありませんが、日本一から一番遠ざかっているのが1984年に日本一となった広島で以降34年間2018年まで日本一がありません。さらに出場が一番遠ざかっているのはオリックスで1996年に出場(この時は日本一)以降23年間2020年まで出場していません。
またジャイアンツに次ぐ老舗球団の阪神、中日がそれぞれ日本一が阪神1回、中日2回しかないのに対し、一番新しい楽天が出場1回で日本一1回というのも驚きです。長丁場のペナントレースを勝ち残っても日本シリーズは短期決戦のため地力だけではなく勢いもないと日本一にはなれない難しさもあります。
セパ両リーグの過去の下克上は?
2004年にパリーグでプレーオフ制度が導入され、2007年からはクライマックスシリーズへと名称変更され現在に至ります。この2004年以降に導入された制度ではリーグ3位チームと2位チームが対戦し、勝ち抜いたチームが日本シリーズ進出をかけリーグ優勝チームと対戦します。
それまではリーグ優勝チーム同士で行われた日本シリーズですが、この制度によりリーグ3位チームが日本一になることも起こりうるようになりました。リーグ優勝チーム以外のチームが日本シリーズに進出することを「下克上」と呼んでいます。
それでは過去の下克上が何回あったのか見ていきましょう。
セリーグの下克上
セリーグの下克上は過去3回あります。
- 2007年2位中日
この年はリーグ優勝が巨人、2位が中日、3位が阪神でした。クライマックスシリーズで巨人を破った2位中日が日本シリーズへ進出。日本シリーズで日本ハムを退け日本一となりました。
- 2014年2位阪神
この年はリーグ優勝が巨人、2位が阪神、3位が広島でした。クライマックスシリーズで巨人を破った2位阪神が日本シリーズへ進出。日本シリーズではソフトバンクに敗戦し、日本一とはなりませんでした。
- 2017年3位DeNA
この年はリーグ優勝が広島、2位が阪神、3位がDeNAでした。クライマックスシリーズで3位DeNAが2位阪神を撃破、続いてリーグ優勝の広島も破り日本シリーズへ進出。日本シリーズではソフトバンクに敗戦し、日本一とはなりませんでした。
パリーグの下克上
パリーグの下克上は、クライマックスシリーズの前身のプレーオフ制度で2回、クライマックスシリーズで1回あります。プレーオフ制度ではプレーオフ制度の勝者がリーグ1位という扱いで、リーグ戦終了後時点の1位から3位チームがプレーオフでリーグ順位を決定しています。
- 2004年2位西武
この年のリーグ終了時点の順位は、1位ダイエー、2位西武、3位日本ハムでした。2位の西武がダイエーを破りリーグ覇者として日本シリーズに進出。日本シリーズでは中日を退け日本一となりました。
- 2005年2位ロッテ
この年のリーグ終了時点の順位は、1位ソフトバンク、2位ロッテ、3位西武でした。2位のロッテがソフトバンクを破りリーグ覇者として日本シリーズに進出。日本シリーズでは阪神を退け日本一となりました。
- 2010年3位ロッテ
この年はリーグ優勝がソフトバンク、2位西武、3位ロッテでした。クライマックスシリーズで3位ロッテが2位西武、1位ソフトバンクを撃破し日本シリーズへ進出。日本シリーズでも中日を破り日本一を達成、リーグ3位からの史上最大の下克上となりました。
- 2018年2位ソフトバンク
この年は西武がリーグ優勝、2位ソフトバンク、3位日本ハムでした。クライマックスシリーズでソフトバンクは3位日ハムを2勝1敗、続くファイナルステージで西武を4勝2敗で撃破し日本シリーズに出場しました。日本シリーズでもセリーグ覇者広島を4勝1敗1分で下して2年連続日本一となりました。
- 2019年2位ソフトバンク
この年も優勝は西武、2位がソフトバンク、3位楽天でした。ソフトバンクは楽天に2勝1敗、西武に4連勝で2年連続の下克上を達成。さらに日本シリーズでもジャイアンツに4連勝で3年連続日本一を勝ち取りました。
西武はリーグ2連覇しながらソフトバンクに日本シリーズ出場をさらわれ、ソフトバンクは2年連続の下克上を果たします。さらに楽天との初戦に負けて以降2連勝、対西武4連勝、対巨人4連勝と破竹の10連勝で日本一まで駆け上がりました。また2010年代の日本シリーズでセリーグ6球団すべてに勝利しています。
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このように下克上とよばれるリーグ下位チームが日本シリーズに進出したのは両リーグで過去8回ありました。しかもパリーグの下克上チームはいずれも日本シリーズでセリーグ覇者を退けて日本一を勝ち取っています。
セリーグは3回のうち下克上チームが日本一になったのは1回のみで2007年の中日が達成しています。阪神、中日は老舗球団でありながら日本一が少ないと触れましたが、パリーグの下克上チームに日本一を献上しているのもこの2チームは2回あります(広島、巨人が各1回)。
2020年はソフトバンクがリーグ制覇、今度はクライマックスシリーズを勝ち抜いて下克上ならぬ正真正銘の日本一を勝ち取るのか注目です。
まとめ
- 日本シリーズの歴代優勝回数は、1位が巨人の22回、2位が西武の13回、3位がソフトバンクの10回
- 過去の下克上からの日本シリーズ進出はセ3回パ5回と計8回、うち4チームが日本一。パリーグは5回とも日本一を達成。
2020年は巨人が日本シリーズ出場を決めています。パリーグは優勝チームのソフトバンクは日本シリーズ進出をかけてクライマックスシリーズを戦います。巨人が8年ぶり最多23回目の日本一を勝ち取るのか、まだまだプロ野球から目が離せない日が続きそうです!