第106回全国高等学校野球選手権大会兵庫県大会は7月6日(土)に開幕。試合日程が順調に消化されれば7月28日(日)の決勝戦まで3週間以上、熱い闘いが繰り広げられます。
春季兵庫県大会は4月13日に開幕、5月5日に決勝戦が行われました。各府県の優勝校が近畿大会に進みますが、開催県の兵庫県は3位までの3校が近畿大会に臨みました。近畿地区の春季大会は他の地区と違って各府県の優勝校のみの参加となっているのが特徴です。
他府県の強豪校と公式戦という形で対戦することになるので、控えの投手や野手に経験させる場にもなりチーム力を上げる絶好の機会となります。
このため何が何でも春季大会を勝ち進むというよりはエースを温存しながらライバル校には全てをさらけ出さないような試合運びになることもあります。
夏の県予選の代表校を占う上では春季大会の試合ぶりは参考になりますが、試合結果だけでは判断できません。
それでもある程度の勢力図は見て取れますので、ひとまずは24年の春季兵庫県大会の結果を見ていきたいと思います。
春季兵庫県大会は選抜出場校の報徳学園が準々決勝で敗退、昨夏の優勝校社(やしろ)高校が優勝しました。春季大会のベスト16以降の試合結果を見てみましょう。
試合 | 勝利校 | スコア | 敗戦校 | 備考 |
決勝戦 | 社 | 6-4 | 須磨翔風 | |
3位決定戦 | 明石商業 | 2-1 | 東洋大姫路 | |
準決勝 | 社 | 2-1 | 東洋大姫路 | 10回タイブレーク |
須磨翔風 | 7-6 | 明石商業 | ||
準々決勝 | 社 | 3-2 | 育英 | |
須磨翔風 | 5-3 | 神戸学院大 | 11回タイブレーク | |
東洋大姫路 | 5-1 | 報徳学園 | ||
明石商業 | 5-4 | 神戸国際大 | 10回タイブレーク | |
5回戦 | 社 | 8-2 | 飾磨 | |
須磨翔風 | 10-3 | 赤穂 | 7回コールド | |
東洋大姫路 | 8-3 | 姫路西 | ||
明石商業 | 7-0 | 明石 | 8回コールド | |
育英 | 6-2 | 加古川北 | ||
神戸学院大 | 5-4 | 東播磨 | 10回タイブレーク | |
報徳学園 | 4-3 | 西脇工業 | ||
神戸国際大 | 3-1 | 神戸弘陵 |
決勝戦は昨秋の3位校社高校と同2位校須磨翔風の公立校同士の対戦となりましたが、社が6-4で須磨翔風を降しました。社は昨夏、一昨年と夏の兵庫県大会を連覇しましたが、昨夏に続いての県大会優勝となります。
3位決定戦では明石商業が東洋大姫路に2-1と競り勝ちましたが、準決勝の2試合もいずれも1点差の接戦、ベスト4の高校の力の差はないといってもよいでしょう。
選抜準優勝の報徳学園は準々決勝で東洋大姫路に1-5で敗戦、その東洋大姫路が準決勝で敗退するなど兵庫県の上位校のレベルの高さがうかがえます。
準々決勝の残りの3試合もいずれも2点差以内の接戦、延長タイブレークも2試合ありいずれの高校もこの夏の大会を勝ち抜いてもおかしくないほど力が拮抗しています。
ベスト16校の対戦となった3回戦はやや力の差が現れるスコアとなった試合もありました。特にベスト4の4校はいずれも5点差以上の試合となり、ベスト8の8校が第一グループ、残りの8校が第2グループと位置付けられるでしょう。
これら16校は夏の予選のシード権を獲得、2回戦からの登場となり3回戦まで別のブロックにそれぞれ振り分けられます。
今春のベスト8の第一グループを中心に今夏の兵庫県大会は混戦が予想されます。
春季近畿大会には上位3校の社、須磨翔風、明石商業が出場しました。近畿大会は2府4県から開催地の兵庫県3校と各府県大会優勝校1校の計8校が参加しました。これら3校の戦績を見てみましょう。
回戦 | 出場校 | スコア | 対戦相手 | 備考 |
準決勝 | 須磨翔風(2位) | 0-12 | 智辯和歌山 | |
1回戦 | 須磨翔風(2位) | 3-1 | 大阪学院大 | |
社(1位) | 0-11 | 天理 | ||
明石商業(3位) | 1-8 | 京都国際 | 7回コールド |
近畿大会では1回戦で社が天理に大敗、明石商業も京都国際に7回コールドで敗退しました。一方で、須磨翔風は大阪学院大に3-1と競り勝ちますが、準決勝では智辯和歌山に大敗してしまいました。
準決勝の須磨翔風、1回戦の社ともに9回表に大量失点したためコールドとはなりませんでしたが、10点差以上つけられての完封負け、兵庫県代表らしからぬ精彩を欠く近畿大会となりました。
ここまで春季兵庫県大会、近畿大会の試合結果を見てきました。春季兵庫県大会で優勝した社高校は昨秋の県大会は準決勝で報徳学園に敗退も3位決定戦で長田高校に勝利、近畿大会に出場しました。
秋季近畿大会ではベスト4で選抜にも出場した耐久に初戦で敗退、今春の春季大会同様、近畿大会で1勝をあげることはできませんでしたが、前年、前々年の夏の優勝校でもあり今夏も優勝候補に挙がるでしょう。
春季大会準優勝の須磨翔風も春季近畿大会では大阪学院大に勝利、昨秋の県大会でも2位で近畿大会に進出、初戦で奈良の智辯学園に10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ちするなど粘り強さが光りました。
しかし何といっても今夏の兵庫県の大本命は報徳学園でしょう。昨秋の兵庫県大会を制し、近畿大会では2回戦で大阪桐蔭に1点差で敗退しましたが、その後の選抜では大阪桐蔭にリベンジし準優勝したのは記憶に新しいところです。
間木、今朝丸の両右腕は2年生から甲子園のマウンドを経験し2年連続選抜準優勝の立役者、昨夏の兵庫大会は5回戦で敗退と今夏にかける思いは相当なはずです。今春は準々決勝で敗退しましたが、戦力はトップクラスでしょう。
また今春の準々決勝で報徳学園を下した東洋大姫路も、履正社で甲子園優勝した岡田監督の手腕に期待がかかるところです。
同じく今春県3位の明石商業も甲子園を知る狭間監督が指揮を執り、昨夏の準優勝の雪辱を晴らすべく今大会に臨むでしょう。
報徳学園を筆頭に社、須磨翔風が対抗、東洋大姫路、明石商業を含めた5校が中心になりそうです。さらに神戸国際大付、育英が追う展開となるでしょう。
全国でも屈指の強豪県であり激戦区の兵庫県、全国クラスの強豪校が目白押しで勝ち抜くのも優勝予想も容易ではありませんが、混戦の中から抜け出す高校はどこになるのか?全国の注目度も高いと思います。
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8月7日に開催予定の2024年(令和6年)第106回全国高校野球選手権大会の各都道府県地区予選が6月下旬から7月上旬にかけて開幕する予定です。
全国屈指の強豪県、激戦区である兵庫県大会を制するのは?代表校予想をしてみました。
春季県大会や近畿大会の試合内容、結果から優勝候補を予想をしましたが、
と2年連続で選抜準優勝の報徳学園を本命とはしましたが、兵庫大会は相当な混戦となるのではないでしょうか。
一発勝負のトーナメント、何が起こるかわかりませんが、準々決勝あたりからはこれら有力校同士の対戦が繰り広げられる兵庫大会の顔触れは豪勢ですね。
全国屈指の激戦区の混戦から抜け出すのはどこの高校か?試合日程が進むにつれ全国からの注目度も上がることでしょう!
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