第106回全国高等学校野球選手権大会大阪府大会は7月6日(土)に開幕予定です。試合日程が順調に消化されれば7月28日(日)の決勝戦まで3週間以上、熱い闘いが繰り広げられます。
春季大阪大会は4月6日に開幕、5月12日に決勝戦が行われました。各府県の優勝校は(開催府県は3校)は近畿大会に進みます。近畿地区の春季大会は他の地区と違って各府県の優勝校のみの参加となっているのが特徴です。
他府県の強豪校と公式戦という形で対戦することになるので、控えの投手や野手に経験させる場にもなりチーム力を挙げる絶好の機会となります。
このため何が何でも春季大会を勝ち進むというよりはエースを温存しながらライバル校には全てをさらけ出さないような試合運びになることもあります。
夏の府予選の代表校を占う上では春季大会の試合ぶりは参考になりますが、試合結果だけでは判断できません。それでもある程度の勢力図は見て取れますので、ひとまずは24年の春季府大会の結果を見ていきたいと思います。
春季大阪府大会は選抜出場校の大阪桐蔭が準々決勝で敗退、その大阪桐蔭を破った大阪学院大が優勝を果たしました。春季大会のベスト16以降の試合結果を見てみましょう。
試合 | 勝利校 | スコア | 敗戦校 | 備考 |
決勝戦 | 大阪学院大 | 4-1 | 興国 | |
3位決定戦 | 東海大大阪仰星 | 7-0 | 大商大 | 8回コールド |
準決勝 | 大阪学院大 | 3-2 | 大商大 | |
興国 | 3-1 | 東海大大阪仰星 | ||
準々決勝 | 大阪学院大 | 2-1 | 大阪桐蔭 | |
興国 | 2-1 | 精華 | ||
東海大大阪仰星 | 12-4 | 太成学院大 | 7回コールド | |
大商大 | 8-3 | 清教学園 | ||
5回戦 | 大阪学院大 | 12-1 | 追手門学院 | 5回コールド |
興国 | 7-1 | 金光大阪 | ||
東海大大阪仰星 | 5-1 | 阪南大 | ||
大商大 | 5-2 | 寝屋川 | ||
大阪桐蔭 | 7-0 | 泉陽 | 7回コールド | |
精華 | 8-7 | 近大泉州 | 10回タイブレーク | |
太成学院大 | 4-1 | 関大北陽 | ||
清教学園 | 5-4 | 大体大浪商 |
決勝戦は大阪学院大と興国の対戦でしたが、大阪学院大が4-1で興国を降しました。大阪学院大は準々決勝で大阪桐蔭に2-1、4回戦では履正社に9-8と大阪の2強に接戦勝ちする勝負強さが光りました。
大阪学院大は準決勝でも大商大に3-2と1点差勝ちでしたが、5回戦では追手門学院に12-1の5回コールドと打力も発揮しています。
選抜出場組の大阪桐蔭は4回戦から登場、4回戦では近大付に10-3の7回コールド、5回戦で泉陽に7-0の7回コールドと堂々の貫録勝ち、準々決勝で1点差で敗退しましたが、実力はナンバー1と言ってもよいでしょう。
一方の興国はかつては夏の甲子園でも優勝経験がある強豪で、5回戦では甲子園経験校の金光大阪に7-1と圧勝、昨秋の秋季大会でも大阪府3位で近畿大会に出場するなど夏も優勝候補の一角に挙げられるでしょう。
ベスト16の顔ぶれは甲子園経験校が目白押しと大阪府のレベルの高さがうかがえますが、これら16校は夏の予選のシード権を獲得、2回戦からの登場となり3回戦まで別のブロックにそれぞれ振り分けられます。今夏の大阪大会も混戦となるでしょう。
春季近畿大会には優勝校の大阪学院大が出場しました。近畿大会は2府4県から開催地の兵庫県3校と各府県大会優勝校1校の計8校が参加しました。大阪学院大の戦績を見てみましょう。
回戦 | スコア | 対戦相手 |
1回戦 | 1-3 | 須磨翔風(兵庫2位) |
近畿大会では1回戦で大阪学院大が兵庫県2位校(開催県)の須磨翔風に1-3で敗退。5回に2点先制を許し終盤に1点を返しますが、逃げ切られる結果となりました。
春季大阪府大会では勝負強さの光った大阪学院大でしたが、強豪そろいの近畿大会では結果を出せませんでした。夏に向けてもう一段階レベルを上げられるかが激戦区大阪の夏を勝ち抜くための課題でしょう。
ここまで春季大会の大阪大会、近畿大会の試合結果を見てきました。春季大阪大会で優勝した大阪学院大は昨秋は府大会3回戦で敗退、一冬で力をつけてきた印象ですが、夏の大会は上位進出する力は十分あるでしょう。
一方、春季大会準優勝の興国も不気味です。昨秋もベスト4に進出し、近畿大会も初戦負けながら滋賀県1位の近江高校に0-2の善戦するなど安定した試合ぶりは高評価できそうです。
しかしやはり大阪の大本命は大阪桐蔭になるのではないでしょうか?昨秋の大阪府大会、近畿大会を制し選抜ではベスト8ながら準優勝の報徳学園に敗退、実績は大阪府ナンバー1と言えます。
大阪桐蔭はエース平嶋投手を筆頭に140㎞台の投手を複数擁し、打線もラマル選手を中心に安定、投打に充実した戦力は少し抜けているのではないでしょうか。
さらに昨秋の大阪府大会準優勝の履正社も大阪桐蔭に2-3の1点差負けと、春季大会は優勝した大阪学院大にも1点差負け、大阪の頂点を狙う力は十分にあります。
春季大会は4回戦で敗退したためノーシードとなりましたが、4回戦までは順当に勝ち上がるでしょう。4回戦以降も組み合わせ次第ですが、さらにその先を勝ち進むと予想します。
昨夏の優勝校履正社と大阪桐蔭の2強はこの夏も健在、春季大会で履正社、大阪桐蔭を破った大阪学院大にリベンジを果たすがごとくモチベーションも上げてくるでしょう。
この2強の対抗が大阪学院大、興国と言えます。この2校が大阪を勝ち抜く可能性もあると思います。2018年の第100回記念大会で近大付が南大阪代表となって以来の大阪桐蔭、履正社の2強以外の大阪代表が現れるのか注目です。
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全国屈指の激戦区、大阪大会を制する高校はどこか?優勝候補予想をしてみました。
春季県大会や近畿大会の戦いぶりから代表校予想をしましたが、
と大阪府内では実績も十分な大阪桐蔭がやや抜けているとして大本命としました。対抗は府内最大のライバル校履正社高校を挙げました。
これらに続く高校は春季大会優勝の大阪学院大、準優勝の興国と予想しました。大阪学院大は今春大阪桐蔭、履正社に勝利している点も高評価できます。この2校も勝ち上がり方次第では勝機ありと見ます。
大阪桐蔭を本命としましたが、全国屈指の激戦区は混戦となるのではないでしょうか?全国一の野球王国大阪を勝ち上がるのはどこの高校か全国からも注目されるでしょう!
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