2020年はソフトバンクが日本一、パリーグの優勝もソフトバンク、セリーグの優勝は巨人でした。2020年の選手年俸総額ではソフトバンクが12球団1位、巨人が2位とこの2球団が断トツでしたが、2021年はどうなるでしょうか?
順位 | 球団 | 年俸総額 | 前年比 | 支配下 | 1億以上 |
1位 | ソフトバンク | 62.2億 | ▲3.1億 | 68人 | 17人 |
2位 | 巨人 | 49.9億 | +6.6億 | 63人 | 14人 |
3位 | 東北楽天 | 41.6億 | +6.8億 | 68人 | 12人 |
4位 | 阪神 | 29.9億 | ▲2.2億 | 68人 | 9人 |
5位 | 埼玉西武 | 29.6億 | ▲0.6億 | 67人 | 10人 |
6位 | 広島 | 28.0億 | ▲3.1億 | 68人 | 7人 |
7位 | ヤクルト | 27.9億 | +1.2億 | 65人 | 8人 |
8位 | 横浜DeNA | 27.4億 | ▲3.4億 | 65人 | 9人 |
9位 | オリックス | 27.3億 | ▲1.3億 | 66人 | 6人 |
10位 | 日ハム | 27.2億 | ▲1.7億 | 66人 | 7人 |
11位 | 千葉ロッテ | 26.0億 | +1.2億 | 66人 | 8人 |
12位 | 中日 | 25.3億 | +0.5億 | 67人 | 5人 |
各球団の支配下選手の年俸総計で育成選手、監督、コーチは含みません。契約更改が終了していない外国人選手は前年の年俸で集計しています。
1位は前年に続きソフトバンクホークスが62.2億円と断トツ、1億円超の選手が17人と4人に1人が1億円プレーヤーというまさしくスター軍団です。柳田選手の6.1億円を筆頭にサファテ、バレンティン両選手の5億円、森投手4.6億円、松田選手4.5億円、千賀、デスパイネ両選手の4億円など3億円超だけで7人います。
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2位も前年に続いて巨人が49.9億円、菅野投手8億円を筆頭に、坂本選手5億円、丸選手4.5億円、サンチェス投手3.4億円、陽選手3億円と5人が3億円超えとなっています。1億円プレーヤーはこの5人を含め14人とソフトバンクに次ぐ人数です。
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実力、人気ともに両リーグのナンバー1球団のソフトバンク、ジャイアンツの2球団がずば抜けていますが、東北楽天も前年に続く3位の41.6億円とこれら40億円以上の3球団は他の9球団を離しています。
東北楽天は、メジャーから復帰した田中将大投手の球界最高年俸9億円が大きな増加要因ですが、浅村選手5億円、則本投手3億円と3億円超の選手が3人、1億円プレーヤーも12人いることが年俸総額を押し上げています。
4位阪神も前年に続く4位、埼玉西武は前年7位から5位に順位を上げています。6位広島から10位日本ハムまでは27億円から28億円の間にひしめいていますが、少し離れて11位に千葉ロッテ、12位に中日と続きました。
このロッテ、中日の2球団は2020年シーズンはともにリーグ2位、同3位とAクラス入りしたものの、前年と順位が入れ替わるもセパ両リーグでそれぞれ最下位となっています。
上位6球団にはセリーグ、パリーグともに3球団ずつでしたが、リーグの合計額ではセリーグ188.5億円、パリーグ213.9億円とソフトバンクが牽引しパリーグの年俸総額がセリーグを上回りました。
コロナ禍による無観客、入場制限で各球団とも経営が圧迫されています。そんな中、前年を上回る年俸を拠出している球団も5球団あったのは驚きです。親会社の支援もあるとは思いますが、各球団とも健全経営しているといえるのではないでしょうか?
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日本のプロ野球選手で構成される「日本プロ野球選手会」では、選手会に年俸の調査を毎年実施してその結果を公式ホームページに公表しています。その調査の結果から、昭和55年以降の球団別支配下公示選手の総年俸額が一覧として掲載されています。
その一覧から球団別に5年ごとの推移を見ていきましょう。
年度 | 巨人 | 阪神 | 中日 | 広島 | ヤクルト | 横浜 |
昭和55 | 38,106 | 32,775 | 33,972 | 40,020 | 29,574 | 36,400 |
昭和60 | 64,752 | 56,168 | 63,156 | 63,180 | 48,160 | 46,984 |
平成2 | 107,558 | 67,920 | 107,970 | 85,480 | 72,020 | 79,185 |
平成7 | 269,494 | 153,640 | 186,940 | 135,830 | 158,490 | 114,470 |
平成12 | 354,731 | 178,180 | 233,140 | 162,570 | 190,440 | 221,895 |
平成17 | 387,274 | 254,550 | 288,490 | 153,210 | 208,210 | 284,875 |
平成22 | 284,587 | 317,210 | 285,260 | 144,690 | 199,710 | 227,910 |
平成27 | 427,350 | 220,590 | 209,542 | 208,780 | 181,415 | 150,150 |
令和元 | 387,879 | 258,492 | 181,363 | 237,106 | 198,928 | 230,378 |
令和2 | 368,443 | 227,902 | 193,944 | 254,138 | 204,384 | 219,122 |
単位は万円、昭和55年の巨人の年俸総額は3億8,106万円ですが、赤ヘル軍団として昭和54年に2回目の優勝をした広島の年俸が何とリーグ1位。5年後の総和60年は各球団とも倍増近くまで増えていますが、バブル景気を背景に急速に総年俸額が増えていったと思われます。
平成2年は巨人と中日が10億円超え、平成7年は各球団10億円を超える中、巨人が26.9億と断トツの年俸額となります。この頃はFA制度で巨人が補強にお金をかけるようになった時代でした。
年俸総額で12球団一を誇っていた巨人も平成22年は阪神に抜かれます。この時期は金本知憲選手、城島健司捕手、藤川球児投手の3人が4億円超え、さらに新井貴浩選手、鳥谷敬選手など1億円超えの選手が複数いた時代でした。
しかしその5年後には巨人が断トツの40億円超え、阿部慎之助捕手、杉内俊哉投手の5億円超えに内海哲也投手の4億円、これ以外の1億円超え選手が10名以上と平成26年まで3連覇した結果、軒並み選手の年俸が上がった年でした。
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令和2年は巨人は相変わらず唯一30億円超えの1位ですが、平成30年まで3連覇した広島が令和2年リーグ2位まで躍進し、阪神を追い抜きました。球界の盟主と言われる巨人軍は通算成績も47回の優勝回数を誇るだけあり、年俸総額でも球界を引っ張ってきました。
年度 | 巨人 | 阪神 | 中日 | 広島 | ヤクルト | 横浜 |
昭和55 | 657 | 575 | 596 | 690 | 558 | 650 |
昭和60 | 1,136 | 1,003 | 1,108 | 1,053 | 860 | 839 |
平成2 | 1,992 | 1,258 | 1,928 | 1,500 | 1,286 | 1,414 |
平成7 | 4,146 | 2,401 | 2,302 | 2,191 | 2,438 | 1,817 |
平成12 | 5,457 | 2,828 | 3,822 | 2,622 | 3,228 | 3,414 |
平成17 | 6,246 | 3,977 | 4,579 | 2,471 | 3,358 | 4,748 |
平成22 | 4,824 | 5,287 | 4,601 | 2,297 | 3,274 | 3,736 |
平成27 | 6,893 | 3,558 | 3,435 | 3,367 | 2,926 | 2,503 |
令和元 | 6,926 | 4,381 | 2,973 | 3,887 | 3,209 | 3,657 |
令和2 | 6,107 | 3,863 | 3,179 | 4,236 | 3,351 | 3,592 |
平均年俸は総年俸額を支配下選手の人数で割ったものです。昭和55年は平均で1,000万円に満たないというのは意外ですが、40年後の令和元年には5~10倍近く平均年俸は増えています。しかし物価についてはどうかといえばそこまで増えていません。
昭和55年はコーヒー1杯250円が令和元年は500円、同じくうどん、そばが280円から670円へと物価の上昇率より年俸の上昇率の方がはるかに大きくなっています。物価の上昇よりも選手年俸が上昇している点では、選手の待遇はよりよくなっていると言えます。。
この頃の球界のトッププレーヤー王貞治選手が約8,000万円、山本浩二選手が約5,000万円ですから5億円プレーヤーも珍しくない今と比べると年俸水準はかなり上がってきています。
逆に昭和55年の頃のプロ野球選手はそこまで高給取りだったのかと言うと、トッププレーヤー以外はそこまで恵まれていなかったのかもしれません。今では平均年俸3,000万円以上あることを思えば、昔は本当に活躍しないと年俸は増えなかったのではないでしょうか。
年度 | 西武 | ソフトバンク | 日ハム | ロッテ | オリックス | 近鉄・楽天 |
昭和55 | 31,726 | 30,276 | 27,144 | 32,395 | 43,605 | 34,314 |
昭和60 | 63,742 | 43,725 | 42,952 | 53,514 | 60,021 | 57,285 |
平成2 | 113,850 | 81,950 | 74,570 | 71,193 | 83,480 | 84,670 |
平成7 | 243,020 | 222,280 | 144,300 | 137,120 | 143,230 | 151,135 |
平成12 | 224,960 | 182,600 | 155,150 | 160,530 | 171,840 | 151,110 |
平成17 | 225,335 | 272,124 | 216,430 | 193,492 | 164,540 | 166,140 |
平成22 | 225,510 | 322,480 | 239,970 | 228,740 | 157,260 | 208,360 |
平成27 | 198,840 | 342,100 | 202,065 | 196,150 | 272,330 | 180,300 |
令和元 | 194,248 | 392,303 | 211,475 | 197,446 | 161,915 | 261,572 |
令和2 | 238,341 | 420,744 | 235,475 | 191,198 | 182,297 | 311,098 |
昭和55年はオリックスの前身阪急が黄金期、近鉄もリーグ2連覇を達成したころで、リーグ1位、2位の年俸総額でした。しかし昭和50年代後半からは西武の黄金期をむかえます。昭和60年は西武が1位の6.3億で、リーグ1位になって以降は毎年のように優勝するほどで平成2年はリーグ唯一の10億円超えでした。
平成7年は西武が1位ですが、ソフトバンクの前身ダイエーが2位とこの2球団が20億円を超えました。平成12年も西武が1位、2位がダイエーですが20億円割れ、しかしこの年に2連覇を達成したので翌平成13年には20億円台に復帰しています。
平成17年にはダイエーからソフトバンクに親会社が変わり、ソフトバンクが総年俸で1位となります。この頃から日ハムも優勝争いに加わるようになり、西武と合わせた3球団が20億円超えとなります。
平成17年以降はソフトバンクが1位をキープし続けます。平成22年、23年に連覇、以降リーグ優勝3回を重ね、総年俸額はリーグ1位どころか巨人を上回って12球団1位になるほど総年俸額が高騰しました。令和元年はパリーグの他球団の倍近くまで増えています。
令和2年にはソフトバンクは唯一の40億円超え、ロッテ、日ハムの倍以上、楽天も30億円超えとこのパリーグ2球団は群を抜いています。
年度 | 西武 | ソフトバンク | 日ハム | ロッテ | オリックス | 近鉄・楽天 |
昭和55 | 547 | 522 | 468 | 589 | 765 | 602 |
昭和60 | 1,099 | 825 | 767 | 991 | 1,053 | 1,005 |
平成2 | 1,997 | 1,438 | 1,308 | 1,249 | 1,465 | 1,485 |
平成7 | 3,857 | 3,368 | 2,255 | 2,078 | 2,469 | 2,438 |
平成12 | 3,688 | 2,945 | 2,675 | 2,867 | 3,242 | 2,437 |
平成17 | 3,694 | 4,319 | 3,491 | 3,071 | 2,385 | 2,724 |
平成22 | 3,524 | 5,119 | 3,809 | 3,574 | 2,621 | 3,361 |
平成27 | 3,314 | 5,798 | 3,259 | 3,269 | 4,464 | 2,956 |
令和元 | 3,237 | 6,538 | 3,304 | 3,134 | 2,654 | 4,288 |
令和2 | 3,972 | 7,131 | 3,798 | 3,035 | 3,098 | 5,100 |
昭和55年頃のパリーグの平均年俸は日ハムの平均は昭和55年から60年まではやや水準が低めですが、セリーグと大差ありません。パリーグは平成12年ころまでは西武が平均年俸でリーグ1位でしたが、平成17年にソフトバンクと順位が入れ替わるとソフトバンクは右肩上がりで平均年俸も増えていきます。
令和2年を見る限りではソフトバンクが7,131万円と唯一7,000万超え、ついに昨年1位の巨人を追い抜きました。楽天も5,000万超えの3位、これら3球団の平均年俸は突出しています。12球団で平均年俸が3,000万円を切っている球団はなく、前年3,000万円未満だったオリックスと中日も3,000万円を超えました。
セリーグとパリーグを比べても、リーグによる平均年俸の差には大きな開きはありませんが、ソフトバンク、楽天の伸びが目立ちます。40年前と比較すると両リーグとも5~10倍に増えており、プロ野球選手の年俸の高騰を表しています。。
2021年の12球団の年俸総額ランキングでは1億円超えの選手を17人抱えるソフトバンクが断トツの1位、巨人が2位という結果になりました。さらに日本プロ野球の総年俸額の推移を選手会が調査結果を公表している昭和55年から見てきました。
実際のところセリーグとパリーグの球団ごとの年俸総額に大きな差はなく、各リーグのトップはセリーグは巨人、パリーグは黄金期の西武、ソフトバンクが多く占める結果となっています。
昭和55年ころからの物価の上昇率に比べるとプロ野球選手の年俸の方が上昇率が高いこともわかりました。1億円プレーヤーがいなかった昭和55年に比べて現在は1億円プレーヤーが100人以上いることからもプロ野球選手の年俸は高額化してきました。
ここ数年ではソフトバンクの年俸総額の高さが際立っており金持ち球団の巨人をも上回っています。東北楽天も3位とセリーグの人気球団阪神の4位を上回りました。年俸総額でもパリーグがセリーグを上回るなどパリーグの待遇の良さはかつてに比べて向上しています。
球団支出の大半を占める選手年俸なので各球団とも青天井に拠出するわけにもいきません、まして各球団ともコロナ禍による無観客、入場制限で球団経営は相当ダメージを受けました。
しかし夢のある職業として人気を維持し続けるためにも何とか年俸を高水準で保ってほしいところです。21年はできるだけ球場に足を運びたいと思います!
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