夏の甲子園大会は2024年第106回大会からは開幕から3日間の1日3試合日に限り二部制となり、午前の部と夕方の部に分かれますが、3回戦までは最大で1日4試合あります。
8時開始の第1試合から第4試合終了の約18時ころまで観戦するとなると、滞在時間は10時間ほどになります。10時間以上も真夏の炎天下で日光を浴び続けるのは非常に危険です。
それでも甲子園が好きな観客はあれこれ猛暑対策をして1日中観戦する人も非常に多いです。折角苦労して獲得したチケットですので、できるだけ多くの試合を観たいというのは当然の考えです。
そこでここでは猛暑対策のポイントをお伝えしたいと思います。
甲子園球場を見渡すとバックネット裏の上部席から内野の1、3塁側の1、3塁ベース付近まで大きな屋根があるのを確認できます。これが大銀傘と呼ばれる甲子園特有の屋根です。この大銀傘の日陰になる席が確保できれば直射日光は避けられます。また降雨時も雨に濡れずに済みます。
ただし、エリアによっては1日中日陰になるところと一定の時間帯だけしか日陰にならないところがあります。夏の大会は当然日光も強く、一時的に直射日光を浴びないとしてもかなりの暑さになります。
最適なのは、バックネット裏エリアの中央特別指定の上段席か1塁・3塁上段席を確保して、スタンド上部のエリアを確保することです。なお中央特別指定席は、大銀傘下のエリアは当然人気も高く、web販売でも即座に売り切れます。
このため競争率は非常に高く狙ったエリアを確保するのは至難の業です。その点1・3塁上段席は比較的手に入れやすく、グラウンドからは少し距離はあるものの球場の雰囲気も十分味わえますし料金も中央特別指定席より割安です。
なお中央特別指定席で日陰エリアをゲットできれば何時に行ってもよいので並ぶことはありません。しかしweb販売では完全に抽選となるため通路側の席が確保できるかはわかりません。
それでも日陰エリアは日向エリアに比べて全然暑さが違います。もちろん気温が高いので暑いことは暑いですが、快適な観戦をするならまずは日陰席をゲットすることに全力を注ぎましょう。
さて運よく日陰席をゲットできれば、暑さ対策のほとんどがクリアできたといっても過言ではありません。しかし、これだけでは暑さをしのげません。ここでは観戦に必要なアイテムを紹介します。
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テレビで観戦していても、うちわでぱたぱた仰ぐシーンは良く見ることと思います。このうちわは暑さを和らげるために必須です。ただし甲子園球場の入場口で係員が配布していますのでこの時にゲットできます。基本的には一人1日1枚までですのでなくさないようにしましょう。
またこのうちわは朝日新聞社が作製しているものですが、何通りかのデザインがあります。記念にもなりますので、観戦終了後も保管しておいてもよいでしょう。
クーラーボックスといっても釣りに使うようなものではなく、小型で折りたたむことができるもので十分です。甲子園は、瓶、缶以外の飲み物は持ち込みも可能です。そこで絶対オススメなのが冷凍ペットボトルです。
甲子園球場内でも冷凍ペットボトルは販売されていますが、1本300円と通常の倍近い価格となっています。1日観戦するとなると1試合で500mのペットボトル1本以上消費します。最低でも4本はあると安心でしょう。
また最初のうちは冷凍が溶けにくいので、冷凍でない同じ種類の飲料を持ち込んで冷凍ペットボトルを融かしながら飲めるので便利です。
なお甲子園球場付近のコンビニでは、この冷凍ペットボトルは売り切れていることも多々あります。自宅から来られるならばあらかじめ冷凍しておいた方がよいです。ちなみに梅田駅周辺のコンビニで朝購入しようとしても結構売り切れていることも多いです。
これは日陰エリアがゲットできない場合です。直射日光は半端ではありません。直射日光を浴び続けると確実にやけどします。日焼け止めか長袖シャツは必需品です。長そでシャツでは暑いという方やショートパンツで観戦する場合は、タオルで素肌を覆うということもオススメです。
タオルは複数枚そろえておきましょう。汗をふいたり、手を洗う時用に常に首にかけておくこともお薦めです。日陰でしたら首筋を日光から守ることにもなります。
日陰でないときは、目を紫外線から守るためのサングラスと頭を直射日光から守るための帽子も必須です。僕の場合は帽子を忘れて頭からタオルをかけていましたが、甲子園の観戦風景としてタオルを頭からかけている人も良く見かけます。
暑さ対策ではないですが、上記以外に首からぶらさげるチケットホルダーもあると便利です。飲食物を購入して観客席に戻る際には、ゲートで係員にチケットを提示しなければならないので、両手がふさがっているときには役立ちますし、紛失のリスクも減ります。
以上、暑さ対策を万全にしておけば、1日中楽しく観戦できます。また観客席から飲食店舗やトイレがある球場内通路に行けばクーラーも効いています。試合と試合の合間はかなり込みますが、折を見てこちらに避難することも体力温存のために心がけましょう。
夏の大会はとにかく大人気です。チケット確保も容易ではありません。ここではチケット確保のためのポイントを紹介します。
まずチケットの種類ですが、大きく分けて
の2種類です。この2種類というのは、前売券は全てweb販売での購入で、前売券に残席がある場合に限り当日券が甲子園の入場券窓口で販売されます。
そもそも土日のカード、平日でも好カードや人気校、人気選手が出場する試合では、前売券が完売となり当日券が販売されないケースも多く、さらに当日券の購入=窓口に並ばないと買えないということになります。
現在のように全席指定になる前は、自由席もあり当日券の販売数が多かったころはありました。少し古い話になりますが、僕自身の経験では2017年8月11日大会第4日目は祝日ということもあり、午前2時に球場に着いた時点で、かなりの長蛇の列で当日券が手に入るかどうか不明な状態でした。
ちなみにその日のカードは、第1試合中京大中京(愛知)対広陵(広島)、第2試合横浜(神奈川)対秀岳館(熊本)、第3試合智辯和歌山(和歌山)対興南(沖縄)、第4試合大阪桐蔭(大阪)対米子松陰(鳥取)というカード。
第1試合は伝統校対決に加え、愛知、広島と比較的甲子園に近いエリア、かつ後に本塁打記録を塗り替える中村奨成選手が出場。第2試合は名門横浜高校と3季連続でベスト4、高校野球ファンにお馴染みの鍛治舎巧氏が監督として率いる秀岳館との対決。
第3試合は名将高嶋監督率いる甲子園の常連智弁和歌山と春夏連覇も経験している沖縄の興南高校の対決。そして第4試合はスター軍団、その年の選抜も制している地元大阪の大阪桐蔭が出場。しかもこのカードは1回戦で、近年でも休日でかつ話題校がここまで集中する日はなかったと思います。
近畿圏の強豪校が出場すると比較的観客は増えますが、広島、愛知という野球に熱心な県から、沖縄、熊本といった話題校に加え、横浜高校、大阪桐蔭が1日で観られるとなれば高校野球ファンならば是が非でも観戦したいとなります。
ちなみにこの日の出場校のうち春夏連覇経験校が、中京大中京、横浜、興南、大阪桐蔭と4校に加え、春優勝3回の広陵、春夏優勝3回の智弁和歌山と優勝経験校が8校中6校出場というのもかなりレアであったと思います。
本題から少しそれてしまいましたが、現在では当日券の販売数が限られているので、ぜひとも前売券を入手することをお勧めします。
なお前売券は7月の中旬頃から各チケットガイド等でweb販売されますが、8月上旬の抽選会で対戦カードが決まるまでは比較的残席も多くありますので購入できないことはまずありません。
ただし出場校が全く分からない状況でのチケット購入ですので、お目当ての高校が見られるかは神のみぞ知るです。一か八かで複数の試合日のチケットを購入してもよいですが、一度購入したチケットは返品不可ですのでご注意ください。
さて、ここまで夏の大会を前提にお話ししてきました。しかし春の選抜大会も甲子園を堪能するには十分なほど多くの魅力があります。夏の大会ほど、気候も過酷ではありませんし、チケットの入手も困難ではありません。
しかし春、特に3月下旬ですので観戦スタイルはそれなりに配慮しつつ、ポイントを押さえれば快適な高校野球観戦ができます。以下に案内しましょう。
「春は選抜から」と言われることもあるように、長い高校野球の歴史では、選抜高校野球が始まると春が訪れると言われます。世間の学生は春休みですし、選抜が終わればいよいよ新学期という点でもそうなのでしょう。
季節感としても選抜の時期は3月20日の前くらいから3月末くらいですので、晴天ならばぼかぼか陽気、雨ならばまだまだ肌寒く、風もまだ肌寒い時期です。
ですので観戦スタイルは、必ず上着を持っていくことが大事です。先にも述べましたが、夏は銀傘の日陰でないと日光がきついのですが、春は真逆になります。基本、晴天ならば日光が刺す方が居心地もよいですし、日によっては半そででもよいかというくらいの陽気もあります。
選抜大会は夏の大会に比べればチケット入手はかなりし易いです。季節的な要素もあるでしょうし、出場校も夏に比べ少ない点と、なにより夏のような最後の大会ではないことも影響しているでしょう。
裏を返せば夏ほど人気がないということにはなりますが、チケット入手はしやすい分日光があたる席をゲットできる点がオススメです。ただし雨が降ると銀傘の下の方が良いですが、こればかりは祈るしかありません。
個人的には夏と違って中央特別席の下段席を購入するようにしています。内野席ならば1塁側のほうが早朝から日が差しますので好天の日は暖かいことも多いですが、午後になると銀傘により日陰になることもあります。
ただ下段席はグラウンドとの距離も近い分、出場選手の声や雰囲気も感じられるので臨場感はよりますでしょう。
夏とは全く違いますが、ぽかぽか陽気の日なんかはほんとに居心地もよいですし、外野席も晴天ならば一日心地よく過ごせるのが夏との大きな違いです。
関連記事:夏の高校野球観戦用のチケット購入方法を紹介!通し券か単日券か複雑なチケット購入もこれで解決!
野球といえば、外せないのが高校野球です。まして甲子園の全国大会はメディアの取り上げ方も大きく、一度は現地で観戦したいものです。その際に観戦の楽しみ方の対策のポイントとして
について紹介してきました。
猛暑対策は、可能な限り銀傘の下にあたる「上段席」のチケットをゲットしつつ、必要最低限のアイテムを用意することで対応できます。
何よりもチケット確保するためには、前日券を抽選会前にweb販売で入手しましょう。
選抜大会のポイントは、夏の大会に比べてチケットがゲットしやすい分、1日長く観戦できるために日向の席、すなわち下段席をいかにゲットするかです。
悩ましいのは雨の時は真逆で銀傘がない分、雨に濡れます。しかし上段席だと雨に濡れない分日陰だとちょっと寒く感じるところです。
以上、甲子園観戦のポイントについてご案内しました。夏の大会は予想以上に暑いですから事前の準備は必要ですし、春の大会も寒さ対策さえ抑えておけば楽しく観戦できるでしょう。