80年を超えるプロ野球の歴史において、巨人、阪神、中日といった老舗の球団から、ソフトバンク、楽天、DeNAといったいわゆるIT系の企業が親会社の球団と様々な球団が生まれては消えてきました。
本拠地も先の老舗球団の東京、大阪、名古屋を中心に今や北海道、東北、福岡と日本全国の各都市に広がっています。この間、プロ野球は多くのファンに支え続けられてきました。
まだ娯楽の少なかった戦前の頃、学生野球を中心に野球人気が絶頂を迎え、今のプロ野球である職業野球が誕生しました。この頃は、ひたすら純粋に野球の試合を観戦していましたが、新聞、ラジオ、テレビ、インターネットといったマスメディアの発達とともに娯楽性の要素も多くなってきました。
しかし時代が進み野球以外の様々な娯楽があふれている現代においては、プロ野球観戦は特別な存在ではなくなりつつあります。もはや純粋に野球の試合だけを楽しんでもらうだけではお客さんも満足しないため、各球団がエンターテインメントという側面を強く意識しています。
各球団のマスコットキャラクターが生まれてからは久しいですが、最近ではこういったマスコットキャラクターをSNSなどのメディアに露出させる球団は珍しくありません。さらに球団独自の特徴を出すためにさまざまなイベントが催されたり、ファンクラブも充実してきています。
こういった努力のかいもあって、少し前までは若者のプロ野球離れということもささやかれていた時期もありますが、また人気を盛り返してきています。それと同時に女性、子供にも人気を博すようになって、観戦スタイルも大きく様変わりしています。
プロ野球の本質は、プロならではのハイレベルなプレイを見ることにありますが、やはり興行である面も否めません。楽天のように観覧車を球場に設置することでボールパークという要素を前面に打ち出している球団もあります。
こういったプロ野球の娯楽としての位置づけの変遷に合わせて観戦の楽しみ方も多様となっています。続いてプロ野球観戦の楽しみ方の3つのポイントについて見ていきましょう!
「何をいまさら」という感も否定できませんが、やはりスポーツ観戦の一番の魅力、醍醐味は応援するチームが勝つことであり、ファンと一体となって盛り上がることです。
ハイレベルなプロの対戦を純粋に楽しみたいという野球ファンもいるとは思いますが、ひいきのチームがヒットを打ったり、アウトを取ることで盛り上ることが一番の楽しみ方だと思います。
ひいきのチームがチャンスを迎え、ピンチを脱するたびに応援団と一緒に盛り上がるのは何とも言えない喜びがあります。もう見ず知らずのとなりのお客さんと思わずハイタッチをしてしまったりと異様なテンションになれるのも非日常的な出来事だと思います。
しかしそもそも好きな球団がある人はいいですが、ない人はどうすればいいのでしょう?こればかりは好き嫌いの問題でもありますし、プロ野球ファンの多くは理由もなく好きになっていたというケースが多いです。
そこで好きな球団を見つけるための選択基準を決めましょう。
これは一番多いと思いますが、球団が日本の各都市に本拠地を構えている以上、地元の球団を応援するという人が一般的です。関東でも東京以外に、横浜、千葉、埼玉に球団がありますし、北海道、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡と全国に分散しています。
かつては東京圏、大阪圏に球団が集中していましたが、Jリーグほどではないにせよかなり地域密着になっています。地元の球団が優勝して全国で注目されるのは誇らしい気分になると思います。
巨人、阪神くらいの全国区になるとそういう感情はあまりないとは思いますが、東京、大阪以外の地元の球団が優勝して地元が盛り上がるのはまさに地域密着であるが故の喜びではないでしょうか?
プロ野球のみならず、高校、大学、社会人野球やほかのスポーツで地元のチームが活躍するのは喜ばしいことですが、プロ野球の優勝の注目度は半端じゃないです。まずは地元の球団を応援してみることから始めてみるのが良いと思います。
僕自身は、生まれてから自然と地元の球団を応援していました。もう選択の余地はないという感じではありますが、体に染み込んでいるので応援する球団を変えることはないと思います。
日本全国のプロ野球ファンが必ずしも地元の球団を応援しているわけではありません。かつては王、長島といったスタープレイヤーがいたジャイアンツは今でも全国区でもありますし、球団のない地方では毎日テレビ中継されているジャイアンツを好きになるという方も多くいました。
しかし現代となってはテレビ中継がかつてより激減しており、テレビをつければ必ず中継しているからという理由で特定のチームを好きになることは少ないと思います。
その点、ドラフト制度もあってアマチュアのスター選手がいろんな球団に入団するので、地元のスター選手が入団した球団を応援することもあるでしょうし、親戚、知人が入団したからという理由で応援チームを変えることも稀にあるでしょう。
関連記事:数々のドラマやエピソードを生んだプロ野球のドラフトってどんな制度?ドラフトならではの面白さとは?
また最近では見た目の良いいわゆるイケメン選手もいるので、ジャニーズほどではないにせよ女性ファンがお気に入りの選手がいるチームを応援するということもあるようです。特にコンサート、ライブと違い、ほぼ毎日どこかで試合をしているので生で会えるという点ではアイドルよりも身近かもしれません。
もちろん男性ファンだって好きな選手や、子供が憧れる選手もいますのでそういう選手が入団した球団を応援するというのも楽しいのではないのではないでしょうか。
これは野球の本質よりもライブを楽しむ感覚に近いかもしれません。勝ち負けよりもスタンドで盛り上がりたいという方にはむしろ重要かもしれません。
昔ですと(といっても今でもそうですが)甲子園の阪神の応援はすごい盛り上がり方でした。まず球場が一体となって歌う「六甲おろし」は甲子園名物です。「お~お~お~~、は~んし~んタイガ~ス、フレ~フレフレフレ~」という歌です。また今ではどこの球場でもありますが、ゴム風船を7回攻撃前に観客全員が飛ばすというのも甲子園名物でした。
かなり古くはなりますが「ウェーブ」といって観客が交互に立ったり座ったりする一体のパフォーマンスもライブならではの楽しみだったと思います。
最近では、広島カープのカープ女子が着る赤いカープTシャツの一体感やロッテのスタンド応援なんかは名物応援です。ジャイアンツのタオルやスワローズの傘の応援も定番ですね。
今では当たり前となっていますが、特定の日に球団が応援ユニフォームを無料で配ってスタンド一色になって応援するというイベントも球場の一体感を演出していますし、応援ユニフォームがもらえるというのもファンにとっては楽しみの一つになっています。
応援ユニフォームを配るのは12球団で実施されていますが、やはりカープの赤いTシャツ、ソフトバンクホークスの黄色いTシャツで一色に彩られたスタンドでの応援は一体感を味わえます。
またロッテの黒いTシャツを着たファンがスタンドでジャンプして応援するのも盛り上がりますし、日ハムのジャンプ応援は中継カメラも揺れるほどの迫力です。
各球場に足を運ぶのは大変ですが、テレビ中継などを見て楽しそうな球場を選んでいくというのも良いと思います。まずは球場に足を運んで体で感じるのが一番です。
好きな球団、応援する球団があればおのずと観戦も楽しくなります。しかし今やそれだけではなかなか楽しめないという方も多いです。そこで各球団は各種イベント、ファンサービスを充実させていかに足を運んでもらえるかいろいろ取り組んでいます。
応援するチームが勝てばファンは喜んでまた行きたいと思うでしょうが、興行ととらえる場合、試合に負けたけどまた行きたいと思えることが重要です。そういった点では各球団ともいろんなサービスを提供していますのできっと楽しめることも多いと思います。
そこで、好きな球団がなくても球場の楽しみ方やいろんなイベント、ファンサービスを知ることで幅広く観戦を楽しむことができます。ここではどんな楽しみ方があるのかをお伝えしたいと思います。
今、日本にはドーム球場が北海道、埼玉、東京、名古屋、大阪、福岡の6か所あります。これ以外の球場は屋外球場ですが、それぞれの良さがあります。
ドーム球場はとにかく屋根があるので雨風の影響を受けず空調も調節されているのでシーズン中一定の温度で観戦できます。これに対して屋外の球場は、春先はナイターは寒いですし夏場は暑いです。
しかし気候が良い日のデーゲームなんかは居心地も良いですし、夏場のナイターは涼しいとまでは言えないまでも照明に照らされた球場全体が野球場らしく感じて臨場感もひとしおです。
特にドーム球場に慣れると、たまに行く屋外球場は新鮮で夏場の暑いときは夏を感じたり、春先のデーゲームはぽかぽか陽気で春を感じるなど季節感を楽しんだりしています。秋は秋で夏が去ってしまった寂しさを忘れることができたりします。
また好きな球団の本拠地がドーム球場でも、2軍の球場は屋外ですから2軍の試合を見に行くこともあるでしょう。1軍のドームに比べれば設備も不十分ですが、選手との距離も近くヤジの声も響くような少しレトロな感じも楽しいものです。
季節感以外にも最近では球場ならではの飲食も最近は充実しており、地元のグルメを販売しているのもあれば、対戦相手の本拠地グルメを販売することもあります。ちょっとしたグルメ感覚で球場に行くのも楽しみの一つです。
最近では選手と一緒に考案したグルメ、弁当なんかを販売してますし、球場によっては球団OBが飲食店に立って接客をするというお店もあるのでちょっとしたサプライズみたいな感じもあります。
また広島のバーベキューシートは観戦しながらバーベキューを楽しんだり、楽天は観覧車が球場にあったりします。野球以外でも楽しめる設備は今後どんどん導入されていくでしょう。
こうなると応援するチームの有無に関係なく、球場そのものの雰囲気を楽しむというのも一つですし、そこの球団にこだわらずに近所の球場に足を運んでみるのもオススメです。
個人的にも、広島球場は球場内を1周できる(普通はチケットによって観戦できるエリアが違うので1周できないことも多い)のでいろんな飲食店も楽しめますし、阪神甲子園球場は高校野球とは違ったファンの熱狂的な盛り上がり方もありオススメな球場です。
本当にここ十数年で、各球団ともイベントにはかなり力を入れています。よくあるのは
などです。これらのイベントに参加するには、球団公式ファンクラブに加入したり、専用のシートや特定の試合日のチケットを購入する必要もありますが、テレビで見る憧れの選手と触れ合うこともできますのでファンにとっても楽しいひと時であるでしょう。
これら以外にも試合中にマスコットキャラクターやチアダンスのパフォーマンス、季節によっては花火を打ち上げたり球場の照明やバックスクリーンを使用しての演出などゲーム以外の催し物も様々なものがあります。
また球場で婚活をする観戦企画やカープ女子のように東京から広島までの移動料金を球団が負担するという催しもありました。特に若い女性に足を運んでもらうために女性専用応援シート、コスメを配布するなどの女性用感謝デーなどあります。一昔前に比べるとかなり女性の観戦比率も増えています。
球場の外でも、球場を中心とした街全体を球団一色にしたり、グルメイベントなどを催してお祭り感を演出するなど縁日のような雰囲気もあります。球場に向かう道中から非日常感を味わえるようになってます。
野球観戦がメインではありますが、メジャーリーグのようなボールパーク(球場そのものをアミューズメントパークに仕立てる)の雰囲気に近づいているのではないのではないでしょうか?
野球に詳しくない方でも楽しめるようないろんな取り組みがあります。昔はおじさんが観戦するイメージが強かったのですが、ここ最近ではカップル、家族や女性だけでも楽しめます。これらを知れば、お気軽に球場に足を運んで楽しむこともできると思います。
プロ野球の観戦のコツとしてもっとも外せないのがチケットをいかにお得にゲットするかです。家族での観戦となればそこそこの出費となりますが、今や各球団もいろんなチケットを取り揃えています。お得なチケットをゲットするにはどんな手段があるのかお伝えしたいと思います。
そもそもファンクラブ会員になると会費が発生しますので、必ずしも経済的なメリットだけではないものの、
など会費以上のメリットは多くあります。通常、年会費は数千円ですが、グッズと優待無料チケットだけで元はとれます。
球団によってはファン感謝デーにも参加できます。ファン感謝デーとは選手とファンが直接触れ合う機会でもありますし、シーズン中には見られない選手のリラックスぶりも垣間見えます。
また会員ならではの来場ポイントの優遇などもあり、ポイントがたまれば限定グッズもゲットしやすいのでシーズン中に何度も球場に行くならば押さえておくとよいでしょう。
今やほとんどの球団で、対戦カードや平日か週末かによってチケット価格に差をつけています。巨人、阪神戦や土日などのチケットは人気がありますのでやや割高ではありますが、巨人、阪神以外の平日のチケットはお安くゲットできます。
巨人ファンや阪神ファンにはメリットがありませんが、これらの球団以外のファンにはあえて平日のカードを選べば通常のチケットを買うより割安にゲットできます。
また平日ナイターでは、各球団とも企画チケットを販売しています。例えば平日の19時半以降は半額とかチケット代金だけで飲食物とのセットになってたりします。最近では家族割や団体シートなど単価が安いチケットもあります。
休日に目いっぱい観戦するのも観戦の醍醐味ですが、チケット価格やセット料金などで割安になっている時を狙ってチケットを購入するのもちょっとしたコツです。気軽に観戦するためにも是非ご利用してはいかがでしょうか。
プロ野球観戦の楽しみ方の3つのコツとして、
ことを挙げました。
プロ野球観戦には興味がない方も多いと思いますが、今やおじさんだけが楽しむものではありません。
ひいきの球団を応援するだけではなく、球場内外の雰囲気やお祭り感、いろんなイベントで非日常的な空間を平日のひと時に味わえるのもプロ野球ならではだと思います。
ちょっとした暇な時に球場に足を運んでみるのも楽しいと思います。スポーツ観戦ならではの魅力、醍醐味を体感してみてもよいのではないでしょうか。