プロ野球のシーズンは3月末くらいに開幕して10月くらいに終わるっていうのは何となく知ってる方は多いでしょう。というよりも公式戦が始まって終わるまでは連日テレビ、ネット、新聞、ラジオなどで試合結果が報道されるので「プロ野球やってるんだな」というのはわかると思います。
レギュラーシーズンのリーグ戦143試合が終了すれば、クライマックスシリーズ、日本シリーズとリーグ成績上位球団による勝ち抜き戦、いわゆるポストシーズン(後述)と呼ばれる公式戦に突入します。
リーグ戦で成績上位に入らなかった球団やポストシーズンで敗退した球団の選手は試合が終了した時点からオフシーズンに入ります。時期で言えば10月下旬から11月上旬にかけてオフシーズンにはいることになります。
オフシーズンには選手は秋季キャンプ、契約更改、休養などで年内は過ごします。シーズン終了後すぐはベテランは休養、若手は秋季キャンプやフェニックスリーグに参加するなど過ごし方は分かれますが、以降はテレビ、ラジオ番組やトークショーなどのイベントに出演したり、日本代表として国際試合に参加することもあります。
プロ野球選手は年内は11月末までは練習、試合に参加することはできますが、12月1日から1月31日までは練習、試合を行うことはできません。これは日本プロフェッショナル野球協約(以下「野球協約」)に明確に規定されています。
この野球協約とは、コミッショナー、オーナー会議といったプロ野球の組織、構成から選手との年俸、契約といったプロ野球運営に関する細かいルールを定めたものです。さて先ほどポストシーズンという言葉を用いましたが、野球協約には正式にポストシーズンの時期についての定めもあります。
一般的にはクライマックスシリーズや日本シリーズといったレギュラーシーズン後の公式戦のことをポストシーズンと呼びますが、野球協約上ではこのポストシーズンについて定めがあります。
野球協約第173条には「ポスト・シーズン」という項目があり、「球団又は選手は、毎年12月1日から翌年1月31日までの期間においては、いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導も行うことはできない。ただし、コミッショナー特に許可した場合はこの限りではない。なお、選手が球団の命令に基づかず自由意志によって基礎練習を行うことを妨げない」となっています。
つまりこのポストシーズンの期間は選手は球団に束縛されて試合や練習を行うことはなく完全にオフ状態となります。ほとんどの選手は休養に充てたり自主トレや年内はテレビ、ラジオ番組に出演してこの時期を過ごします。
173条の後半にあるように「自由意志によって基礎練習を行うことを妨げない」ということからこの時期に選手が行うトレーニングは「自主トレ」というかたちで行われることになります。年内は自宅近くや故郷に帰って母校のグラウンドを借りて行い、年明けからは海外や国内の温暖な地域で行うのが主流です。
レギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズが終了した時期の10月下旬から11月上旬にオフシーズン突入となりますが、このオフというのはいつまでなのでしょうか?
野球協約上に定めるポストシーズン期間の12月1日から1月31日までは完全オフ期間になります。そしてここでいうポストシーズンがあける2月1日に12球団が一斉に春季キャンプインに突入します。
公式戦、いわゆるレギュラーシーズンでないという意味ではこの春季キャンプはオフシーズンと言えます。春季キャンプは2月1日から下旬くらいまで集中的に練習を行い、徐々にオープン戦をこなしていって実戦感覚を養っていきます。
しかし秋季のオフシーズンに比べてこの春季キャンプからオープン戦期間は選手はほぼ球団の練習、試合に拘束されます。さらにオープン戦が終了したら数日間をおいていよいよ公式戦の開幕です。
2月1日のキャンプインはプロ野球選手にとって正月という表現もあります。こういった点からオフシーズンはポストシーズンが終わる1月31日までを指すと捉えてもよいのかもしれません。
プロ野球といえば応援するチームが勝った、負けたで一喜一憂する公式戦こそが最大の楽しみでしょう。優勝争いに加わって毎日の試合結果が気になるチームもあれば早々と消化試合に突入してしまうチームもありますが、やっぱりレギュラーシーズンこそがプロ野球の醍醐味です。
さらにクライマックスシリーズ、日本シリーズに応援するチームが進めば楽しみと興奮は最高潮です。長いペナントレースと違って1週間程度で結果が出る短期決戦は緊張感も半端ありません。
こうやって半年以上に渡るシーズンが終わるとプロ野球ファンには長いオフシーズンが始まります。なんだか毎日に張り合いがないと感じるかもしれませんが、オフシーズンにはオフシーズンなりの楽しみ、過ごし方があります。早速見てみましょう!
シーズン終了後、1~2週間をおいて秋季キャンプが始まります。秋季キャンプを遠隔地で行う球団も多く練習を公開している球団や、地元の2軍用グラウンドで行う球団もあります。11月くらいなら屋外の球場でも晴天の日はまだ暖かい日もありますのでこういった球場や練習場に足を運ぶのもお勧めです。
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球場で公式戦を観戦するときとは違ってプロ野球選手の厳しい練習風景は選手が身近に感じられたり、日ごろ見られないようないろんな表情を見ることができます。気候の良い日には是非足を運んでみてはいかがでしょうか?
オフシーズンの最大のイベントといっても良いプロ野球ドラフト会議。アマチュアの有望選手、ドラフト1位で競合する選手が一体どこの球団に行くのか?どこの球団が抽選で交渉権を引き当てるのか?
ドラフト会議には抽選によるドラマ性や有望選手の一本釣りといった球団のドラフト戦略などあっと驚く出来事も起こります。地元の選手はどこの球団に行くのか?希望の球団に行けるのか?日頃プロ野球観戦しない人でもドラフト会議に注目する人は多いです。
今やドラフト会議の中継はTBSのテレビ中継が多く視聴されていると思いますが、スカイAといった衛星放送やAbemaTV、SpootsBullといったネット中継も視聴できます。
ドラフト会議当日までのテレビ、新聞、ネット情報でも有名選手、ドラフト注目選手の動向、プロ志望届をだしたのか?どこの球団が興味を示しているのか?応援する球団はどの選手を狙っているのか?といった報道がされます。
ドラフト会議終了後も指名された選手のコメント、球団の評価、ファンの反応といったさまざまな捉え方もあり、果たしてこの球団のドラフトの結果は何点だったのか?という楽しみ方もあります。
また過去のドラフトのエピソード、ドラマといった情報もこの時期にはよく報道、放送されます。オフシーズンのプロ野球の楽しみとしてこのドラフト会議は多くのファンが注目する最大のイベントです。
関連記事:プロ野球ドラフト制度のドラマやエピソード、制度の内容と面白さとは?
オフシーズンの最大のイベントはドラフト会議と言いましたが、いわゆる契約更改や移籍などの話題を指すストーブリーグもプロ野球ファンの最大の関心ごとです。近年は大型選手はFA制度による移籍が増え、メジャーか国内か?といった点で話題になることが増えました。
かつてFA制度がなかったときはあくまでも移籍、トレードという話題が日本中のプロ野球ファンに驚きを与えたこともあります。ロッテ落合博満選手と中日牛島、上川選手を中心とした4選手との1対4の世紀の大トレードなど今じゃなかなか考えられないでしょう。
最近の特徴としてはプロ野球選手の選手寿命が延びてきたこともありベテラン選手が戦力外通告を受けても、人気選手ならば他球団が営業面や若手選手への指導なども考慮してベテラン選手を獲得する例も多いような気がします。
メジャーから国内に戻ってきた選手や国内のベテラン選手の去就は人気選手なだけにプロ野球ファンの注目をあびることが多いです。さらに新監督として、新コーチとしてどこの球団に就任するのか?あるいは監督の進退問題といった監督の話題も盛り上がります。あの選手がこの球団に?という驚きや新鮮さがあるのも楽しさの一つですね。
もう一つ契約更改、あるいはFA制度の最大の関心は年俸と複数年契約です。1億円プレーヤーが当たり前のようになってきた日本プロ野球界で数億円の契約というのは夢があると同時に「うらやましいな~」と感慨にふけるファンも多いでしょう。
金持ち球団の巨人や阪神、ソフトバンクなどは積極的にFAで選手を獲得します。スタープレーヤーがどんな条件でFA移籍するのか?あるいは球団に残って巨額年俸を手にするのかといった盛り上がりも契約更改、FA制度ならではです。
オフシーズンのニュースがマスメディア、紙面をにぎわすこういった選手の去就問題の多くなる時期がオフシーズンの特徴の一つですね。
プロ野球ではシーズン中にも試合前後にファンサービスとしてのイベントを行っています。試合後に選手がステージに上がってファンと一緒に盛り上がるイベントもありますが、シーズン中なので選手が登場する場面は多くはありません。
しかしオフシーズンであれば選手も時間の空く限りイベントやトークショー、テレビやラジオに出演することができます。緊迫したシーズン中とは違ってオフシーズンならでは緊張感のゆるんだ選手の表情、コメントが見聞きできるのもオフのイベントならではです。
その中で最も盛り上がるのは各球団が主催するファン感謝デーです。球団によって応募の仕方はいろいろありますが、ファンクラブ会員や座席を年間予約したシーズンシートオーナー向けに優先に招待されます。一般販売でももちろん購入できます。
このファン感謝デー(ファン感)は、ふだんは入れないグラウンド上で選手と直接触れ合えるというファンにとってはたまらないファンサービスです。握手したり会話すること、写真を撮ることには制限があることもありますが、直に憧れの選手に近づけるのはこのファン感しかありません。
ファン感は多くの球団が11月下旬に開催していますが、シーズン中には見せない選手の素顔を知ることができるのもオフならではです。
オフシーズンは春季キャンプインまでという捉え方もできますが、やっぱりレギュラーシーズンが開幕するまでの最大の盛り上がりは春季キャンプです。球春到来まで2か月を切ったこのキャンプインはこぞってマスメディアも大きく取り上げます。
春季キャンプの模様は衛星放送やネットでもオンライン配信されることが多いです。沖縄や宮崎にプロ野球の複数球団が集まるのはこの時期だけで1か月近く滞在することになります。
春季キャンプの模様はオンラインでも楽しむことができますが、何と言っても現地観戦することがおススメです。詳細は以下の関連記事に紹介していますが、観光地としても人気のある宮崎県や沖縄県に行くなら気候も温暖なプロ野球春季キャンプの時期に是非足を運んでみるのはいかがでしょうか?
関連記事:プロ野球キャンプの楽しみ方と4つのメリット。いつから始まるの?
そもそもオフシーズンっていつからいつまで?といった疑問からオフならではのファンの楽しみ方、過ごし方にはどんなことがあるの?おススメは?という点について紹介してきました。
といった点がオフシーズンの特徴となります。オフシーズンのおすすめの楽しみ方は
といったところがプロ野球の基本的なスケジュールで、これらのイベントに参加、観戦することや情報を日々目の当たりにすることでプロ野球がさらに楽しくなるでしょう。
プロ野球のメインはレギュラーシーズンですが、こういったオフシーズンの楽しみ方で来季のプロ野球開幕がより一層楽しみな待ち遠しいものになります。是非オフシーズンも楽しみたいですね。