みなさん、キャンプと聞いて何を想像するでしょうか?バーベキューやキャンプファイヤー、テントでの宿泊を想像するかもしれませんが、プロ野球で言われるキャンプは全く違います。
プロ野球は3月下旬から10月中旬まで長いシーズンが続きます。今ではリーグの上位3チームになればクライマックスシリーズ、日本シリーズ、そして侍ジャパンとして代表選出されれば代表戦などで11月中旬くらいまで試合が続きます。
そしてプロ野球の場合、12月、1月は野球協約に決められているためチーム練習、対外試合ができません。この期間は、選手は自主トレと言って山にこもったり、母校の練習場を借りたりして基礎体力強化を中心に練習をします。
しかしシーズン中はほとんど毎日試合が続くため、試合の合間に練習こそするものの、集中した練習がなかなかできません。また連戦の疲労も考慮しながらとなるため調整的な意味合いの練習が中心となります。
プロ野球選手といえども毎年毎年レベルアップしていかないと試合に出続けられません。そのためにはどこかで集中的に技術を磨くための練習が必要となります。また長いシーズンを乗り越えるだけのスタミナをつけていかなければなりません。
チームとしてもシーズン中に連係プレイの確認などはしますが、集中的にチーム全体での精度を高めなければいけません。投手を含めたバッテリー、内野手、外野手との連係プレイも徹底的に覚える必要があります。
そういった練習を集中的に行うのがプロ野球のキャンプなのです。
プロ野球の場合、1年間で公式戦のない期間は11月中旬から3月下旬までの約4か月となります。ポストシーズンに試合がないチームならば10月中旬から公式戦がなくなります。
通常、ポストシーズンに試合がない(リーグ下位3チーム)チームは公式戦終了後から11月下旬まで秋季キャンプを行います。しかし一般的にキャンプ、春季キャンプは2月1日から開始します。
秋季キャンプは地元の球場で行なったり、比較的近隣のエリアで行います。まだ気候的にもそこまで寒くはないので集中的に近隣で行うケースが多いでしょうし、シーズンの疲れを取り除きつつ行われます。もちろん若手には厳しい練習が待っていますが。
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春季キャンプはもう開幕に向けて仕上げていくときです。ベテランも若手も関係なく迎えるシーズンに向けて競争をしながら調整をしていきます。この時期のキャンプは若手であれば首脳陣へのアピールの場にもなりますし、ベテランには調整しつつレベルアップをはかる場になります。
そんな厳しい期間ではありますが、ファンにとっては一番選手を身近に感じられる場所でもあります。ここでは是非プロ野球キャンプのオススメシーンについてお教えしましょう!
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ではプロ野球キャンプにどんな楽しみがあるのか、をお伝えしたいと思います。先ほども述べたようにキャンプとはプロ野球の選手全員が本州以外のある一定の場所に集まって集中的に行うための練習のことを指します。
そのためにキャンプならではのメリットがあります。それではそのメリットについて見ていきましょう!
プロ野球のキャンプは選手全員が一堂に集まって集中的に練習をします。ですのでキャンプ練習場に行けばその球団の全選手に会えるわけです。シーズン中は1軍、2軍で試合する球場も異なりますし、練習場も異なります。お目当ての選手が1軍にいるのか、2軍にいるのか把握していないと会えません。
また2軍にいると思って2軍の練習場に見に行ったら、1軍へ昇格したため会えないなんてこともあります。ましてシーズン中は必ず練習場にいるとも限りませんし、非公開というケースもあります。
しかしキャンプの場合、全選手が必ず球場、練習場にいますので会えないことはありません。もちろん1軍と2軍で練習場が異なる球団もありますが、最初から1軍、2軍の振り分けはされているのでどちらの球場に行けばよいかは事前にわかりますし、通常ならば変更もありません。
仮に変更されても球場間の距離はそんなに離れていないケースが多く、練習時間も長いので移動すれば十分会うことができます。お目当ての選手をずっと追いかけることができるのはキャンプならではのメリットです。
これもシーズン中ではなかなかできないことです。シーズン中は1軍の場合は、ほとんど毎日試合がありますので、基本的に練習は試合をする球場で行います。選手は選手専用の入り口から球場入りしますので途中で触れ合うことはまずできません。
2軍の場合は、1軍の試合球場よりも比較的選手との距離も近く球場入りする際にも触れることは可能ですが、やはり選手専用の入り口から球場入りするケースが多いのでなかなか近づくこともできません。
しかしキャンプの場合は、地方の球場で練習するため選手専用の入り口はあるものの球団の本拠地にあるようなセキュリティもそこまで高いわけではないので選手には比較的容易に近づくことも可能です。
それに練習用の球場から近隣のサブグラウンド、ブルペンへ移動する機会も多く、この移動する間は選手も歩いたり、走って移動するためかなり接近しやすくなっています。もちろん人気選手には球団関係者のガードがついたり、場合によっては近づくことを規制することもあります。
逆にこのあいまを使ってサイン会を行う選手もいますのでシーズン中よりははるかにサインをもらえる機会は多いですし、選手によっては話しかけることもできたりします。このあたりはファンとして節度をもって接するマナーも必要ですが、普段見られない素顔に触れることもできます。
球場隣接のサブグラウンドなんかでは、ひたすらコーチが選手にノックをする場面を見ましたが、疲れ切った選手にコーチが激励の言葉をかけたり、茶化したりするところなんかは選手とコーチの人間関係も垣間見れたりします。
プロ野球という華やかなステージに立つ選手たちですが、こういった場面では普通の人間関係といいますか、どこにでもある上司と部下みたいなやりとりもちょっとした面白さおあります。
選手もハードな練習の合間ですので、なかなかファンサービスに力を向けることはできないかと思いますが、練習後であれば最近では積極的にファンサービスを心がけている選手も多いようです。
また練習後は、大半の選手は専用バスで宿舎まで帰りますが、なかにはランニングで帰る選手もいます。さすがにランニング中に話しかけるわけにはいきませんが、球場の外で選手に出会えるのもキャンプならではでしょう。
シーズン中の練習は試合前くらいしか見られません。試合前の練習はウォーミングアップといいますか調整に近い練習ですのでキャッチボール、バッティング練習、シートノック程度で割と流す感じの練習がメインです。
しかしキャンプは朝から夕方までみっちり練習しますし、昼休みも特定の選手が特打を行うなど1日中選手の練習風景が見られます。と同時に相当ハードな練習をこなしますので、普段見られない練習や選手の悲鳴などはキャンプの風物詩です。
特に一人の選手に何十分もノックを行う特守や練習終盤のランニングなんかは見てるこっちが気の毒になるほどハードなものです。それらが終わった後に倒れ込む選手を見るのは、さすがに選手には申し訳ないですけど、プロってすごいところだなと感心せずにはいられません。
僕が見に行った時でも、ある一人の選手がランニングの後に倒れこんだ時に見ていたファンからちょっとした笑いが起きた際、冗談交じりに「何が可笑しいんだよ~!」と吠えた選手がいました。これを聞いてまたファンは笑うのですが、こういったシーンはキャンプ独特のものです。
また新入団の外人選手が投手としてバッティング練習に参加していた時に打席にたった選手が「変化球半端ねえ~」みたいな発言をするところが生で聞けたりします。その外人選手はそのシーズンはそこそこ活躍していたのでプロの選手の生の声もリアリティがあるものです。
シーズン中はほとんど試合中の選手をみることしかありませんが、キャンプは長い1日をずっと練習し続けますので選手のいろんな表情を見ることができます。ファンならば一度は足を運ぶだけのメリットがあるのではないでしょうか。
プロ野球のキャンプは選手にとっては過酷なものですが、マスメディアにとっては何かとニュースで取り上げることもありちょっとしたお祭り気分でもあります。そうなると当然、取材に来るメディアも多く、特に優勝したチームやFA、トレード、ドラフトで新たに入団した選手も脚光を浴びます。
また今では沖縄でキャンプを張る球団が多いため、キャンプ期間中に沖縄にいろんなメディアが訪れます。特に評論家である元選手やアナウンサーはあちこちに出没します。時には番組の企画で有名タレントが来ることも珍しくありません。
直接触れ合う機会は少ないですが、練習中の球場で取材したり、選手と歓談するシーンもあります。シーズン中もないわけではないですが、試合前の練習時間は限られていますしそのために早くから球場入りすることもあまりないと思います。
キャンプ中は、練習時間が長いのでそういった元選手や有名人が球場でいろんな選手と触れ合うシーンを見るのも楽しみ方の一つではないかと思います。
純粋な野球ファンでしたら選手に触れ合うだけで楽しいでしょうが、なかなかそれだけのために本州を離れて来る方も多くはないと思います。どちらかといえば旅行を兼ねてくる方が多いのではないでしょうか?
特にキャンプ地はいまや沖縄が主流です。2019年のキャンプでは、4球団が九州の宮崎県、1球団の一部がアリゾナでキャンプを行っていますが、石垣島、宮古島を含め9球団が沖縄に集結しています。
この時期は宮崎なんかはまだかなり寒い方ですが、それでも4球団がキャンプを行っています。2019年では
の4球団がキャンプ地としています。
宮崎にはたまたまキャンプ期間中に宮崎に住む友人に会いに行ったことがありますが、2月は全然寒かったです。その際に当時宮崎でキャプを行っていたジャイアンツの練習を見に行きましたが、寒いうえにその日は午前中で練習終了でした。事前に調べてから行くことも大切です。
ジャイアンツは今は沖縄の那覇市でキャンプを行っていますが、当時は宮崎県で行うのが恒例でした。さすがに人気ナンバー1の球団ということもあり当時も観客が多かったです。
宮崎は観光名所よりもグルメの方が楽しめます。とんこつラーメンも主流ですし炭焼地鶏、チキン南蛮、冷や汁などはどれも美味しかった記憶があります。グルメだけでも十分楽しめるのではないでしょうか。
観光ならば高千穂峡が人気ありますが、青島、えびの高原、日南海岸など景色が綺麗なスポットも多く、モアイ像で有名なサンメッセ日南、西都原古墳群なども一度は訪れたい名所がたくさんありますよ。
宮崎も良いのですが、やはりキャンプに行くなら沖縄がオススメです。沖縄も天気によっては寒い日もあるものの晴れた日なんかはぽかぽかで非常に居心地のよい気候です。それに花粉がないというのも花粉症の人にはありがたいことでしょう。
2019年では
が沖縄でキャンプを行っています。
沖縄にキャンプに来る方はたいていの人は数日間滞在する予定で来ると思います。昼間はずっとキャンプを見に行く人も多いでしょうが、沖縄なら観光スポットも多くあります。さすがに海で泳ぐほどの気候ではありませんが、折角の旅行ですので観光スポットを楽しむのも良いのではないでしょうか?
僕自身は、首里城、ガンガラーの谷、斎場御嶽など巡りましたが、気候も良かったこともありかなり楽しく沖縄の文化に触れることができました。また那覇にある繁華街の国際通りは人の行き交いも多く観光客もかなりいたとは思いますが、沖縄ならではの食事も堪能しました。
沖縄のグルメと言えば、沖縄そばやアグー豚、ちゃんぷるなどが有名ですが、いまや本州でも珍しくはないもののやはり本場で食べる沖縄料理は格別だったと思います。
なお沖縄で移動するにはレンタカーはマストですが、本島の主要道路はかなり渋滞が多い印象でした。主要道路でなければ非常に走りやすいですが、本島内の移動は渋滞を避けた方が良いでしょう。限られた時間を車内だけで過ごすのももったいないですしね。
プロ野球選手が行うキャンプはいつから始まるかにより秋季キャンプ、春季キャンプと別れますが、2月から行う春季キャンプは見どころも満載です。普段見られない選手の素顔や選手とのふれあいなどはプロ野球キャンプならではの楽しみ方です。
プロ野球キャンプならではの4つのメリットとは
といった点もあり、ファンにとっては絶好の機会です!
キャンプ地ならではの気候の良さは2月の本州では味わえないものです。また宮崎や沖縄といった遠隔地にわざわざ行くからには現地の観光スポットにも足を運ぶことはお薦めです。また現地グルメもいろいろありますのでグルメも合わせて楽しむこともできます。
是非、一度キャンプを見に行ってキャンプ地ならではの楽しさを満喫しましょう!