意外にもペナントレースの優勝は3回逃していますが、2015年以降のクライマックスシリーズ、日本シリーズの強さが驚異的です。就任した2015年のクライマックスシリーズ以降のソフトバンクの成績を見てみましょう!
2015年は就任1年目でいきなりパリーグで優勝します。成績は以下の通りです。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ファイナル | ロッテ(3位) | 4勝0敗 | ☆ | 〇 | 〇 | 〇 | – | – | – |
日本シリーズ | ヤクルト(1位) | 4勝1敗 | 〇 | 〇 | ● | 〇 | 〇 | – | – |
ソフトバンクはリーグ優勝したため、クライマックスシリーズはファイナルステージからの登場、アドバンテージ(☆)を含む4勝でロッテを一蹴、無傷で日本シリーズへ進出します。
日本シリーズでもセリーグ覇者のヤクルトを4勝1敗と退け、前年に続く日本シリーズ連覇、工藤監督も前任の秋山幸二監督からバトンを受け継ぎ見事初優勝を飾りました。
アドバンテージを含めない勝敗成績は7勝1敗です。
就任2年目の2016年は、日本ハムが優勝しました。2位のソフトバンクはファーストステージからの登場です。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ファースト | ロッテ(3位) | 2勝0敗 | 〇 | 〇 | – | – | – | – | – |
ファイナル | 日本ハム(1位) | 2勝4敗 | ★ | ● | 〇 | ● | 〇 | ● | – |
ファーストステージはパリーグ3位のロッテを2連勝で下しますが、ファイナルステージでパリーグ覇者の日本ハムに2勝4敗と負け越し、工藤監督唯一日本シリーズ進出を逃しています。
アドバンテージを含まない勝敗成績は4勝3敗です。
就任3年目の2017年はパリーグ覇者に返り咲きします。クライマックスシリーズはファイナルステージからの登場です。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ファイナル | 楽天(3位) | 4勝2敗 | ☆ | ● | ● | 〇 | 〇 | 〇 | – |
日本シリーズ | DeNA(3位) | 4勝2敗 | 〇 | 〇 | 〇 | ● | ● | 〇 | – |
ファイナルステージはリーグ3位の楽天と対戦、アドバンテージ(☆)があるものの2連敗でスタートしましたがその後3連勝で日本シリーズ進出を決めました。
日本シリーズではセリーグ3位から2位阪神、1位広島を下克上で勝ち上がってきたDeNAと対戦します。3連勝後、2連敗と詰め寄られますが、6戦目に勝利し日本一となりました。工藤監督2回目の日本一です。
アドバンテージを含まない勝敗成績は7勝4敗です。
就任4年目の2018年は西武が優勝、ソフトバンクは2位でした。クライマックスシリーズはファーストステージからの登場です。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ファースト | 日本ハム(3位) | 2勝1敗 | 〇 | ● | 〇 | – | – | – | – |
ファイナル | 西武(1位) | 4勝2敗 | ★ | 〇 | ● | 〇 | 〇 | 〇 | – |
日本シリーズ | 広島(1位) | 4勝1敗1分 | △ | ● | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – |
ファーストステージでは3位の日本ハムと対戦、2勝1敗としファイナルステージに進みます。ファイナルステージはリーグ覇者の西武を相手にアドバンテージ(★)含め1勝2敗から3連勝で西武を下します。
日本シリーズでは、前年はDeNAに日本シリーズ進出を阻まれたセリーグ2連覇の広島と対戦します。初戦は引き分け、2戦目は敗戦とさすが広島は強いと思わせたものの4連勝で一気に日本一まで駆け上がりました。工藤監督初の下克上による日本一となります。
アドバンテージを含まない勝敗成績は10勝3敗1分となりました。
就任5年目もペナントレースは最後までもつれましたが、西武が優勝、ソフトバンクは2年続けての2位となりました。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
ファースト | 楽天(3位) | 2勝1敗 | ● | 〇 | 〇 | – | – | – | – |
ファイナル | 西武(1位) | 4勝1敗 | ★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
日本シリーズ | 巨人(1位) | 4勝 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – | – |
ファーストステージはリーグ3位の楽天と対戦、初戦を落とし後がなくなったところから2連勝でファイナルステージへの進出を決めました。ファイナルステージは2年連続でリーグ覇者の西武と対戦、西武にアドバンテージ(★)があったものの4連勝であっさり日本シリーズ進出を決めます。
そして巨人との日本シリーズは実にダイエー(現ソフトバンク)時代以来の19年ぶりの対決となりました。5年ぶりの日本シリーズに進出した巨人とは接戦となるかと予想するも、初戦から4連勝で巨人を一蹴、3連覇、2年連続の下克上による日本一を成し遂げました。
アドバンテージを含まない勝敗成績は10勝1敗、楽天戦の初戦を落として以降10連勝で一気に日本一まで駆け上がりました。
工藤監督のアドバンテージを含まないクライマックスシリーズ、日本シリーズの通算成績は37勝12敗1分、勝率は約7割5分と驚異的な強さを誇ります。
就任6年目の2020年は新型コロナ感染拡大によりもペナントレースは120試合に縮小されましたが、ソフトバンクはシーズン終盤12連勝で独走、3年ぶりのリーグ制覇となりました。
ステージ | 対戦相手 | 成績 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
クライマックスシリーズ | 千葉ロッテ(2位) | 2勝 | ☆ | 〇 | 〇 | – | – | – | – |
日本シリーズ | 巨人(1位) | 4勝 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – | – |
試合数減、日程短縮のためクライマックスシリーズはファーストステージはなく、例年ならファイナルステージに相当するリーグ2位との対決のみ、4勝制ではなく3勝制となります。対戦相手は千葉ロッテでしたが、アドバンテージ(☆)を含め3連勝であっさり日本シリーズ進出を決めます。
日本シリーズは2019年に続いて巨人との対決、2019年4連敗の雪辱に燃える巨人も意地を見せるかと予想しましたが、まさかの4連勝で日本一。4タテでの連覇は史上初、2017年以降の日本シリーズ4連覇を達成します。
アドバンテージを含まない勝敗成績は6勝0敗、日本シリーズに限れば2018年の広島との第3戦以降の12連勝も史上初ですが、本拠地福岡ドーム(現在は福岡PayPayドーム)では2011年の中日戦第6戦で負けて以降、負けがないのも驚きです。
工藤監督のアドバンテージを含まないクライマックスシリーズ、日本シリーズの通算成績は43勝12敗1分、勝率は約7割8分1厘と8割近い驚異的な強さです。
工藤監督は、現役時代西武、ダイエー(現ソフトバンク)、巨人で西武時代に11回、ダイエー時代に1回、巨人時代に2回の計14回のリーグ優勝を経験、そのうち西武で8回、ダイエーで1回、巨人で2回の計11回の日本一を経験しています。
まさしく現役代は優勝請負人としてリーグ優勝、日本一に貢献した実績をもちますが、短期決戦(この頃はクライマックスシリーズはなく短期決戦は日本シリーズのみ)の日本シリーズでも活躍します。その成績は
などまさしく投手のシリーズ男にふさわしい輝かしい実績を残しています。選手、監督として通算16回の日本一の経験は巨人V9時代の正捕手であり西武黄金時代の監督であった森祇昌(まさあき)氏の17回に次ぐ記録です。
関連記事:プロ野球日本シリーズ最多本塁打や勝利数など通算成績は?投手野手のシリーズ男にはどんな選手がいる?
シーズンの通算監督勝利数も2020年シーズン終了時点で6年間で835試合498勝316敗21分、勝率.612と歴代監督でも圧倒的な勝率です。名選手名監督にあらずという言葉もありますが、工藤監督は名選手でありながらすでに名監督の域に入っていると言っても過言ではないでしょう!
2020年は3年ぶりにリーグ優勝、クライマックスシリーズの千葉ロッテ戦もアドバンテージを含む3連勝で日本シリーズに進出。2年連続となるジャイアンツとの日本シリーズも2年連続の4連勝で日本一を達成したソフトバンクホークスが、圧倒的な強さで日本シリーズ4連覇を成し遂げました。
特に就任6年間で5回目の日本一を達成した工藤監督は、リーグ制覇は3回、優勝を逃した2018年、2019年はリーグ2位からの日本一と短期決戦に驚異的な強さを発揮しています。
工藤監督の短期決戦の強さは
と輝かしい成績を残しています。名選手でありながら名監督の域に足を踏み入れた工藤監督。この先工藤監督率いるソフトバンクホークスを倒して日本一になるチームはいつ現れるのでしょうか?
新型コロナで異例のシーズンとなった2020年ですが、来シーズンは無事開幕されることを願いつつまだまだプロ野球は盛り上がりそうです!