12球団の本拠地にはドーム球場、屋外球場それぞれあります。さらに公営球場を改修してプロ野球の本拠地として使用している球場もあります。そのため球場ごとに収容人数に大きな差があるのも現実です。早速見てみましょう。
順位 | 収容人数 | 球場 |
1 | 46,000人 | 東京ドーム(巨人) |
2 | 43,508人 | 阪神甲子園球場(阪神) |
3 | 40,122人 | PayPayドーム(福岡ソフトバンク) |
4 | 36,370人 | バンテリンドームナゴヤ(中日) |
5 | 36,146人 | 京セラドーム大阪(オリックス) |
6 | 35,000人 | エスコンフィールドHOKKAIDO(日ハム) |
7 | 34,046人 | 横浜スタジアム(DeNA) |
8 | 33,000人 | マツダZoom-Zoomスタジアム(広島) |
9 | 32,725人 | ベルーナドーム(西武) |
10 | 31,805人 | 神宮球場(ヤクルト) |
11 | 30,508人 | 楽天モバイルパーク宮城(楽天) |
12 | 30,118人 | 千葉マリンスタジアム(ロッテ) |
ランキング1位は東京ドーム、2位は阪神甲子園球場と人気球団巨人、阪神の本拠地がノミネートされました。続いてPayPayドーム(福岡)、バンテリンドームナゴヤ、京セラドーム大阪とドーム球場が続きます。
ともに両リーグ合わせて観客動員数1~3位の球団の本拠地が上位にランキングされましたが、観客動員数1位阪神(2023年約291万人)、2位巨人(同約270万人)、3位ソフトバンク(同約253万人)とファンの多さもさることながら収容人数が多いことにも起因しているかもしれません。
一方で、本拠地のマツダスタジアムの収容人数が8位の広島は観客動員数6位(同約205万人)と、収容人数5位、観客動員数8位オリックス(同約194万人)を上回っての観客動員数で広島の人気ぶりがうかがえます。収容人数が少ないことでチケットが手に入りにくいという枯渇感がさらなる集客に役立っている側面があるかもしれません。
また日ハムは2023年に開業したエスコンフィールドHOKKAIDOは収容人数6位ですが、前年まで収容人数4位の約41,000人だった札幌ドームから約6,000人ほど収容人数が少なくなりました。2022年観客動員数は11位の約129万人でしたが、2023年は新球場により観客動員数9位の188万人とを大きく伸ばしました。
観客動員数では4位の横浜(同約228万人)、5位中日(同約218万人)、7位ヤクルト(同約197万人)とセリーグの球団が続きますが、収容人数では7位の横浜スタジアムが4位のバンテリンドームを上回りました。
観客動員数では10位のロッテ(同約180万人)は収容人数が12位ながら、11位西武(同約142万人)、12位東北楽天(同約135万人)と観客動員数を上回っています。佐々木朗希投手人気による動員数増が影響しているのではないでしょうか
収容人数1位の東京ドームの4万6千人と12位の千葉マリンスタジアムの3万人では1万6千人と1.5倍の開きがあり、観客動員数は2倍近くの差があります。こういった点が入場料収入の違いに直結していますが、巨人、阪神は別格としてソフトバンクの集客数がやはり際立ちます。
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収容人数のランキングと観客動員数のランキングを見る限りでは、収容人数の大きい球場が集客に直結するということはなく、むしろ適度な大きさで適度にお客さんが入ってる球場の方がガラガラ感もなくほどよい大歓声があってよいのかもしれません。
12球団の本拠地の広さにもそれぞれ差があります。両翼、センター、左中間右中間の外野フェンスまでの距離のある球場を広い球場としてランキングしました。
順位 | 両翼 | センター | 左右中間 | 球場 |
1 | 101m | 122m | 116m | マツダZoom-Zoomスタジアム(広島) |
2 | 100.1m | 122m | 116m | 楽天モバイルパーク宮城(東北楽天) |
3 | 100m | 122m | 116m | バンテリンドームナゴヤ(中日) |
100m | 122m | 116m | 京セラドーム大阪(オリックス) | |
100m | 122m | 116m | ベルーナドーム(西武) | |
100m | 122m | 110m | 東京ドーム(巨人) | |
100m | 122m | 110m | PayPayドーム(福岡ソフトバンク) | |
8 | 99.5m | 122m | 116.3m | 千葉マリンスタジアム(ロッテ) |
9 | 99m・97m | 121m | — | エスコンフィールドHOKKAIDO(日ハム) |
10 | 97.5m | 120m | 112.3m | 神宮球場(ヤクルト) |
11 | 95m | 118m | 118m | 阪神甲子園球場(阪神) |
12 | 94.2m | 117.7m | 111.4m | 横浜スタジアム(DeNA) |
個人的な印象としては全く意外な結果となりました。きちんと調べたことがなく見た感じの広さでイメージしていたのですが、ドームはさておいて甲子園が上位にあると思っていました。さらにマツダZoom-Zoomスタジアム広島、楽天モバイルパーク宮城、神宮球場はかなり狭いと思っていました。
しかし調べてみたところマツダZoom-Zoomスタジアム広島は左翼101m、右翼100mと非対称ながらまさかの1位、かつての広島市民球場のイメージをそのまま引きずっていました。旧市民球場は両翼91.4mとかなりの狭さ、小さいイメージでしたが、マツダスタジアムはこんなに広かったんですね。
さらに楽天モバイルパーク宮城も100.1mとわずかながら両翼がドーム球場より広くマツダスタジアムに次ぐ広さとなりました。
確かに公認野球規則ではグラウンドや球場の距離、大きさが定められており、両翼は97.5m以上、センターまでが約122m以上と距離が定められています。かつてはホームランが出やすいように意図的にこの規則を無視して球場が作られたこともありましたが、新しい球場では全て守られています。
このため1990年代に建設されたドーム球場はこの規格が守られていますが、甲子園、神宮、横浜スタジアムのような古い球場は従来の距離のままとなっているようです。
両翼とセンターまでの距離で言えば1位マツダZoom-Zoomスタジアム広島から8位千葉マリンスタジアムまではほぼ同じ大きさで、神宮球場、甲子園、横浜スタジアムはセンターまでの距離も短めとなっています。
2023年に開業したエスコンフィールドHOKKAIDOはマツダZoom-Zoomスタジアム広島と同じく左右非対称で右翼が99m、左翼が97mとなっています。さらにセンターまでは直線の外野フェンスとなっており、左右中間フェンスまでの距離は公表されていません。
なお本塁からバックネットフェンスまでの距離が公認野球規則で定められた距離に足りず物議をかもしましたが、NPBへ協力金を支払うことでそのまま使用することが認められているようです。
ホームランの出やすい球場のイメージでは神宮、横浜はその通り球場の広さも下位にランキングされていましたが、ホームランが出やすい東京ドームよりホームランが出にくい甲子園の方が両翼、センターの距離が短いのは意外でした。
ただし左中間右中間の距離では甲子園は118mと最も広く、逆に東京ドームは110mとPayPayドーム福岡と並んで狭い形となっています。これによりポール側のホームランは甲子園の方が出やすく、左中間右中間の方向のホームランは東京ドーム、PayPayドームの方が出やすくなっていると言えるでしょう。
甲子園は外野への大きな飛球は左中間右中間方向へ飛んでもなかなかホームランになりにくい印象がありますが、甲子園独特の浜風の影響も大きいでしょう。ライト側からレフト・サード方向へ吹き抜ける浜風が特にライト方向への飛球の逆風になり押し戻されるケースは甲子園名物にもなってます。
球場の広さもさることながら外野フェンスの高さも要因として加わりますが、フェンスの高さで言えばナゴヤ4.8mが高くホームランの出にくい球場のイメージ通りです。横浜スタジアムは約5mありますが、球場の狭さからあまりホームランの障害とはならないでしょう。
球場の広さとホームランの出やすさという点では、両翼、センターの距離よりもこの左中間右中間までの距離やフェンスの高さが大きく影響しているのは間違いなさそうです。
プロ野球12球団の本拠地、ホーム球場にそれぞれどんな特徴があるのかランキングを見てきました。
概ね収容人数が大きい球場の本拠地球団が観客動員数も上位となる関係にありますが、広島、ロッテなど本拠地の収容人数順位が下位ながら観客動員が多い球団もありました。
さらに球場の広さでは
といった点でホームランの出やすさという点では両翼、センターの距離よりも左中間右中間の距離やフェンスの高さで大きく差が出ているようです。
こういった球場ごとにそれぞれ特徴がありますので、ファンの盛り上がり方やチームの戦い方にもそれぞれ差があります。是非12球団の本拠地で野球観戦してその違いを体感してプロ野球を楽しみ方の一つとしてみたいですね。