都道府県別の甲子園の優勝回数は、大阪は春12回、夏14回の計26回と2位の愛知春11回、夏8回の計19回を引き離して断トツの1位です。まずは春と夏の甲子園の優勝校を見てみましょう。
年 | 回 | 学校 |
1937年(昭和12年) | 第14回 | 浪華商業(現大体大浪商) |
1949年(昭和24年) | 第21回 | 北野 |
1955年(昭和30年) | 第27回 | 浪華商業(現大体大浪商) |
1981年(昭和56年) | 第53回 | PL学園 |
1982年(昭和57年) | 第54回 | PL学園 |
1987年(昭和62年) | 第59回 | PL学園 |
1990年(平成2年) | 第62回 | 近大付 |
1993年(平成5年) | 第65回 | 上宮 |
2012年(平成24年) | 第84回 | 大阪桐蔭 |
2017年(平成29年) | 第89回 | 大阪桐蔭 |
2018年(平成30年) | 第90回 | 大阪桐蔭 |
2022年(令和4年) | 第94回 | 大阪桐蔭 |
春の選抜大会は、大阪代表は計6校、12回の優勝を達成しています。昭和前半は浪華商業(現大体大浪商)、昭和後半はPL学園、平成後半は大阪桐蔭が複数回優勝しているようにこれらの時代はこの3校が全国の高校野球のトップに君臨していた時代です。
さらにすごいのはPL学園、大阪桐蔭ともに選抜の連覇を達成しています。選抜の連覇は戦前の1929年(昭和4年)、1930年(昭和5年)の兵庫県代表第一神港商(現神港橘)しかありません。
なお学校別の選抜優勝ランキングは、大阪桐蔭の4回は2位タイ、PL学園は3回で3位タイ、浪商の2回は10位タイとベスト10に同一都道府県から3校ランキングされているのは大阪のみです。
浪商、PL学園、大阪桐蔭の3校以外にも戦後間もないころには大阪府立の北野高校、さらに近大付、上宮は平成前半は甲子園でも常連と各時代に全国トップクラスを輩出しているのがわかります。
年 | 回 | 学校 |
1946年(昭和21年) | 第28回 | 浪華商業(現大体大浪商) |
1961年(昭和36年) | 第43回 | 浪華商業(現大体大浪商) |
1963年(昭和38年) | 第45回 | 明星 |
1968年(昭和43年) | 第50回 | 興国 |
1978年(昭和53年) | 第60回 | PL学園 |
1983年(昭和58年) | 第65回 | PL学園 |
1985年(昭和60年) | 第67回 | PL学園 |
1987年(昭和62年) | 第69回 | PL学園 |
1991年(平成3年) | 第73回 | 大阪桐蔭 |
2008年(平成20年) | 第90回 | 大阪桐蔭 |
2012年(平成24年) | 第94回 | 大阪桐蔭 |
2014年(平成26年) | 第96回 | 大阪桐蔭 |
2018年(平成30年) | 第100回 | 大阪桐蔭 |
2019年(令和1年) | 第101回 | 履正社 |
夏の選手権大会は、大阪代表は計6校、14回の優勝を達成しています。選抜大会と同様、浪商、PL学園、大阪桐蔭が複数回の優勝回数を記録しています。意外にも大阪勢の初優勝は戦後の1946年(昭和21年)の浪商が最初でした。
以降15年間優勝から遠ざかっていますが、浪商が2回目の優勝を果たしてから明星、興国と当時の新鋭校が優勝、さらに10年の時を経てPL学園が1978年(昭和53年)に初優勝を飾りました。
PL学園はこの初優勝以降、10年未満で計4回優勝しています。この頃は、逆転のPLとして西田、木戸のバッテリーで初優勝してから、桑田、清原のKKコンビ、そして立浪、野村、橋本の春夏連覇とPL学園の黄金期を築いていた時代です。
特筆すべきは1981年(昭和56年)以降1985年(昭和60年)までの5年間は毎年春か夏のどちらかの決勝戦にはPL学園が絡んでいた点です。1981年、82年の選抜はPL学園が連覇、83年、85年は選手権で優勝、84年は選手権で準優勝というメンバーが入れ替わっても必ず決勝に進出していました。
平成に入ると大阪桐蔭は初出場初優勝しますが、何と以降17年間も大阪勢が優勝から遠ざかります。しかし2008年に大阪桐蔭が2度目の優勝を飾ると10年間で計4回の優勝を達成、そして2019年に履正社が初優勝、大阪勢による選手権の連覇を果たしました。
学校別の優勝回数ランキングは、大阪桐蔭の5回は3位タイ、PL学園の4回は5位となんとベスト5に大阪勢が2校もランキング、さらに浪商の2回は7位タイとベスト10にド同一都道府県から3校がランキングされているのは、大阪以外では智辯和歌山、桐蔭、向陽の各2回7位タイの和歌山のみです。
都道府県別の甲子園の勝利数は、2024年選抜大会終了時点で大阪は春215勝、夏184勝の計399勝と2位兵庫の春180勝、夏144勝の計324勝、3位東京の春132勝、夏186勝の計318勝を断トツに引き離しています。
春の203勝は2位兵庫の180勝、3位愛知の176勝を大きく上回りますが、夏の184勝は東京の186勝にわずか2勝及ばない2位です。
しかし夏の東京は長らく東東京、西東京2校が出場しての結果で、東京は出場回数152回、大阪は105回での勝利数です。47回も出場回数が少ないにもかかわらずわずか2勝しか下回っていないのは驚異的です。
それでは大阪代表の学校別の甲子園での勝利数はどうなっているのでしょうか?通算勝利数のベスト5を見てみましょう。
順位 | 学校名 | 通算(出場数) | 春(出場数) | 夏(出場数) |
1 | PL学園 | 96(37) | 48(20) | 48(17) |
2 | 大阪桐蔭 | 77(27) | 36(15) | 41(12) |
3 | 大体大浪商 | 49(32) | 32(19) | 17(13) |
4 | 履正社 | 24(12) | 13(10) | 11(5) |
5 | 上宮 | 22(11) | 19(8) | 3(3) |
1位はPL学園の96勝と春夏の出場回数も37回と最多ですが、1回出場すれば2勝以上するという成績をおさめています。PL学園は何と言っても桑田真澄投手、清原和博選手のKKコンビが、1年生から3年生までの5季連続出場で稼いだ勝利数が23勝と通算勝利数の4分の1近くになります。
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2位は大阪桐蔭ですが、こちらは出場回数は27回にもかかわらず77勝をあげており、こちらも1回出場すれば2勝以上するという驚異的な勝率をあげています。2度の春夏連覇、春の連覇など甲子園に出れば勝つという安定さが勝率にそのまま表れています。
4位の履正社、5位の上宮は夏の甲子園出場回数は少ないですが、これはPL学園や大阪桐蔭に阻まれる機会も多かったと想像できます。
大阪府から複数校の出場可能性のある春の選抜では履正社は10回、上之宮は8回出場していますが、両校とも1回出場すれば1勝以上をあげる勝率となっています。
この結果をみただけでも、大阪府以外の都道府県からすれば甲子園では大阪代表との初戦での対戦は避けたくなりますね。
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2022年春の選抜で大阪桐蔭が通算4回目の優勝、2019年夏の選手権は履正社高校が初優勝、2018年は大阪桐蔭が史上初の2度目の春夏連覇を達成、2018年、2019年と夏の選手権は大阪勢が連覇しました。
大阪桐蔭は2017年、2018年と春の選抜を連覇しましたが、2017年は大阪桐蔭と履正社の大阪勢同士の決勝戦でした。
甲子園大会の長い歴史でも、浪華商業、PL学園、大阪桐蔭が昭和から平成の各時代で一時代を築いてきました。
大阪代表の甲子園での過去の戦績は一体どんなものなのか調べてみましたが、想像以上の戦績でした。
という結果でした。さらに近年は大阪桐蔭、履正社の大阪2強がそのまま全国の2強かのような戦績をおさめています。中止になった2020年の選抜、2023年の選抜大会も両校がアベック出場しています。
大阪桐蔭は選抜の勝利数で9位、8位の高松商業に1勝差で迫ります。選抜の優勝回数は4回と優勝回数5回で1位の東邦に、選手権は5回の優勝で2位6回の広島商業にそれぞれあと1回で並びます。
まだまだ現在進行形で勝ち続ける大阪桐蔭が優勝回数でも1位に躍り出るのはそんなに遠くないかもしれません。