このタイトルを見ただけでも多くの高校野球ファンが「大阪桐蔭が1位でしょ!」と口にするでしょうが、その通りです。が、実は智辯和歌山も勝利数は同数でした。やはりこの2校が平成時代の高校野球の代表格と言っても差し支えないのではないでしょうか?
それでは平成元年(1989年)の選抜大会から平成31年(2019年)の選抜大会の春と夏の合計ベスト30と春、夏の各ベスト10のランキングを早速見てみましょう!
順位 | 校名 | 都道府県 | 勝利 | 敗戦 | 出場 |
1 | 大阪桐蔭 | 大阪 | 63 | 12 | 20 |
智辯和歌山 | 和歌山 | 63 | 31 | 34 | |
3 | 明徳義塾 | 高知 | 50 | 31 | 32 |
4 | 仙台育英 | 宮城 | 41 | 29 | 29 |
横浜 | 神奈川 | 41 | 24 | 27 | |
6 | 天理 | 奈良 | 39 | 23 | 25 |
7 | 帝京 | 東京 | 37 | 15 | 18 |
8 | 常総学院 | 茨城 | 35 | 20 | 22 |
9 | 広陵 | 広島 | 33 | 17 | 19 |
10 | 龍谷大平安 | 京都 | 32 | 18 | 19 |
大阪桐蔭と智辯和歌山の63勝は、3位明徳義塾の50勝を大きく引き離しての断トツの1位です。平成時代は春夏計61回開催されていますが、開催数を上回る勝利数は驚異的です。さらに大阪桐蔭は出場回数20回ですので、1回出場すれば3勝以上するという驚きの勝率ですね。
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3位以下の高校も甲子園と言えば必ず耳にする学校が名を連ねました。ただしベスト10の高校のうち、仙台育英だけ優勝がありません。しかし準優勝は3回ありますので、それだけコンスタントに上位進出していると言えるでしょう。
ベスト3は西日本の高校が占めましたが、4位の両校に帝京、常総学院とベスト10のうち東日本は4校、西日本は6校とわずかながら西高東低となりました。
順位 | 校名 | 都道府県 | 勝利 | 敗戦 | 出場 |
11 | 日大三 | 東京 | 31 | 16 | 18 |
12 | 東海大相模 | 神奈川 | 29 | 8 | 11 |
13 | 浦和学院 | 埼玉 | 28 | 20 | 21 |
八戸学院光星 | 青森 | 28 | 19 | 19 | |
PL学園 | 大阪 | 28 | 14 | 14 | |
16 | 智辯学園 | 奈良 | 27 | 19 | 20 |
鹿児島実 | 鹿児島 | 27 | 16 | 17 | |
18 | 報徳学園 | 兵庫 | 26 | 19 | 20 |
19 | 敦賀気比 | 福井 | 25 | 14 | 15 |
20 | 東邦 | 愛知 | 24 | 17 | 19 |
ベスト10に同一都道府県から複数校ランキングされることはありませんでしたが、11位の日大三は7位帝京に次ぐ東京勢、12位の東海大相模は4位横浜に次ぐ神奈川勢とそれぞれの都県でしのぎを削る2校が上位にランキングされました。
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13位のPL学園は平成21年(2009年)を最後に甲子園から遠ざかり現在は廃部となってしまいましたが、平成の20年間で28勝を積み上げました。同じく13位の八戸学院光星も優勝はありませんが、3季連続準優勝など甲子園での上位進出も珍しくありません。
16位の智辯学園も6位の天理に次ぐ奈良県勢と平成時代の奈良県勢の活躍ぶりを象徴しています。19位に福井県勢の敦賀気比がランキングされましたが、北陸勢では22位の星稜を抑えてナンバー1となりました。
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順位 | 校名 | 都道府県 | 勝利 | 敗戦 | 出場 |
21 | 聖光学院 | 福島 | 23 | 20 | 20 |
22 | 星稜 | 石川 | 21 | 19 | 19 |
中京大中京 | 愛知 | 21 | 10 | 11 | |
沖縄尚学 | 沖縄 | 21 | 9 | 11 | |
済美 | 愛媛 | 21 | 7 | 8 | |
26 | 福井商 | 福井 | 20 | 21 | 21 |
27 | 樟南 | 鹿児島 | 19 | 17 | 17 |
作新学院 | 栃木 | 19 | 12 | 13 | |
早稲田実 | 東京 | 19 | 7 | 8 | |
30 | 関西 | 岡山 | 18 | 16 | 16 |
常葉大菊川 | 静岡 | 18 | 9 | 10 |
21位には夏の甲子園13回連続出場中の聖光学院がランキングされました。ちなみに聖光学院は福島県の独自大会でも優勝を果たし、夏の甲子園が開催されていれば14回連続出場を達成できたと言えるでしょう。
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歴代最多勝利数を誇る中京大中京は21勝で22位と平成時代は勝ち星のペースを落としていますが、夏の優勝1回、春の準優勝1回と古豪の面目を保ちました。福井県勢は19位敦賀気比に次いで26位に福井商、鹿児島県勢は16位鹿児島実業に次いで27位に樟南とベスト30に2校がランキングされました。
また27位に早稲田実業が入りましたが、唯一東京勢のみ3校がベスト30に名を連ねています。東京は春は1枠、夏は東西2枠あり出場機会は自ずと増えるとはいえ、帝京、日大三、早稲田実の3校はまさしく東京の3強といえる結果となりました。
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ランク外では、第101回選手権の覇者大阪の履正社は16勝で35位、平成で唯一夏の2連覇を達成した北海道の駒大苫小牧も35位にランキングされています。また春夏連覇を達成した沖縄の興南高校は15勝で40位となりました。
交流試合出場校でベスト30にランキングされている高校は、大阪桐蔭、智辯和歌山、明徳義塾、仙台育英、天理、東海大相模、星稜、中京大中京の8校のみとなりました。
順位 | 校名 | 都道府県 | 勝利 | 敗戦 | 出場 |
1 | 智辯和歌山 | 和歌山 | 27 | 11 | 12 |
2 | 大阪桐蔭 | 大阪 | 26 | 7 | 10 |
3 | 東海大相模 | 神奈川 | 20 | 6 | 8 |
浦和学院 | 埼玉 | 20 | 9 | 10 | |
5 | 明徳義塾 | 高知 | 19 | 14 | 14 |
広陵 | 広島 | 19 | 9 | 11 | |
7 | 龍谷大平安 | 京都 | 18 | 9 | 10 |
8 | 横浜 | 神奈川 | 17 | 11 | 13 |
9 | 天理 | 奈良 | 16 | 10 | 11 |
PL学園 | 大阪 | 16 | 7 | 7 | |
報徳学園 | 兵庫 | 16 | 11 | 12 |
平成の選抜大会での勝利数1位は智辯和歌山が大阪桐蔭の26勝を1つ上回る27勝でした。平成で唯一選抜の連覇を達成している大阪桐蔭を優勝1回、準優勝3回の智辯学園が勝利数を上回る結果となりました。
3位タイには東海大相模と浦和学院が20勝で並びましたが、両校とも平成の春夏通算勝利数12位、13位から大きくランキングを上げています。東海大相模は優勝2回を含む8回の出場で20勝と効率よく勝ち星を積み重ねました。
ベスト10のうち平成の選抜大会で優勝がないのは明徳義塾とPL学園のみですが、出場すれば常に上位進出しているイメージもあります。またベスト10には大阪と神奈川が2校ランキングされました。
季節は夏ですが、選抜出場校で開催される2020年の交流試合でも大阪桐蔭対東海大相模という平成の2位、3位対決が実現しました。平成の選抜を代表する両校によるこのカードは大阪対神奈川という強豪府県対決としても見ものですね!
順位 | 校名 | 都道府県 | 勝利 | 敗戦 | 出場 |
1 | 大阪桐蔭 | 大阪 | 37 | 5 | 10 |
2 | 智辯和歌山 | 和歌山 | 36 | 20 | 22 |
3 | 明徳義塾 | 高知 | 31 | 17 | 18 |
仙台育英 | 宮城 | 31 | 19 | 19 | |
5 | 帝京 | 東東京 | 26 | 8 | 10 |
6 | 横浜 | 神奈川 | 24 | 13 | 14 |
7 | 天理 | 奈良 | 23 | 13 | 14 |
8 | 常総学院 | 茨城 | 22 | 13 | 14 |
9 | 日大三 | 西東京 | 20 | 8 | 10 |
八戸学院光星 | 青森 | 20 | 9 | 9 |
平成での夏の勝利数は、大阪桐蔭が智辯和歌山を1勝上回る37勝で1位となりました。何よりも出場回数10回で5敗しかしていないという驚異的な勝率は8割を超えています。
ベスト10で優勝がないのは仙台育英、八戸学院光星と東北勢2校となりましたが、ともに準優勝2回とあと一歩のところで優勝を逃しているものの夏の甲子園での強さを示しているとも言えます。
ベスト10には東京勢の帝京、日大三が唯一2校ランキングされていますが、平成以降の東京勢の躍進ぶりを象徴しています。
2020年の交流試合は各校1試合のみとなりましたので優勝校はありませんが、平成の優勝経験校は何校出場するのでしょうか?
順位 | 校名 | 都道府県 | 優勝回数 | 春 | 夏 |
1 | 大阪桐蔭 | 大阪 | 8 | 3 | 5 |
2 | 智辯和歌山 | 和歌山 | 3 | 1 | 2 |
横浜 | 神奈川 | 3 | 2 | 1 | |
帝京 | 東京 | 3 | 1 | 2 | |
東海大相模 | 神奈川 | 3 | 1 | 2 | |
6 | 天理 | 奈良 | 2 | 1 | 1 |
常総学院 | 茨城 | 2 | 1 | 1 | |
広陵 | 広島 | 2 | 2 | 0 | |
日大三 | 東京 | 2 | 0 | 2 | |
東邦 | 愛知 | 2 | 2 | 0 | |
沖縄尚学 | 沖縄 | 2 | 2 | 0 | |
駒大苫小牧 | 北海道 | 2 | 0 | 2 | |
興南 | 沖縄 | 2 | 1 | 1 |
平成の優勝回数ランキング1位は大阪桐蔭の8回が断トツとなりました。大阪桐蔭は春夏ともに決勝進出すれば勝率10割で準優勝は1回もありません。春夏連覇2回、春の連覇1回と圧倒的な強さを誇ります。
2位タイには4校が名を連ねていますが、智辯和歌山は準優勝4回と決勝進出は7回あり大阪桐蔭とやや対照的となりました。帝京は準優勝はありませんが、横浜が準優勝1回、東海大相模は準優勝2回と決勝戦にも多く進出しています。
6位タイには優勝回数2回の高校が7校並びました。なお広陵は準優勝が2回あり2回とも夏の選手権と「春の広陵」の呼び名通り夏の優勝経験がありません。常総学院、日大三、駒大苫小牧は準優勝も1回あります。駒大苫小牧は平成16年、17年の夏2連覇の翌年に決勝戦再試合で敗退、あわや3連覇という準優勝でした。
愛知の東邦は平成元年と平成31年の最初と最後の選抜大会を優勝で飾り、こちらも「春の東邦」と言われるように選抜大会の最多優勝回数5回を達成しました。
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沖縄勢からは沖縄勢初の優勝を達成した沖縄尚学と沖縄勢初の夏の優勝と春夏連覇という偉業を達成した興南高校がランキングされています。ちなみに沖縄水産は平成2年、3年の夏で2年連続準優勝して悲願の沖縄勢の初優勝をあと一歩のところで逃しています。
平成の優勝回数ベスト10のうち交流試合に出場する高校は、大阪桐蔭、智辯和歌山、東海大相模、天理の4校です。これらの高校以外に平成で優勝経験がある高校は花咲徳栄、桐生第一、中京大中京、智辯学園、明徳義塾の5校が出場します。
また履正社高校は令和元年の夏の甲子園を制覇しましたが、平成は選抜で2回準優勝しています。平成で準優勝のみの経験校は履正社と仙台育英、星稜の3校が交流試合に出場します。
平成時代の高校野球、甲子園大会の春と夏の勝利数、優勝回数のランキングを見てきました。やはり大阪桐蔭と智辯和歌山が2強という結果になりました。
といったこの2強に加え、平成の通算勝利数3位明徳義塾51勝も4位タイ仙台育英、横浜の41勝を大きく上回っています。横浜以外の上位4校は交流試合にも出場します。どんな試合を見せてくれるのか楽しみですね!