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2023年プロ野球12球団の収益や経営状態、黒字、赤字の球団は?決算公告からまとめてみました!

日本プロ野球は12球団ありますが、ペナントレースの順位、地域性や観客動員数などファンの熱狂度合いにより経営状態もさまざまで、それぞれの球団事情があります。

かっては貧乏球団と言われる球団も多く存在しましたが、いつもスタンドががらがらで極端に不人気な球団も現在は見受けられません。

では12球団すべてが儲かっているのかというと黒字の球団もあれば赤字の球団もあるのが現実です。多くの球団が決算公告という形で経営状態が公開されています。

新型コロナ感染拡大により無観客、制限入場が続いた2020年シーズンはプロ野球経営に大きな損失を与えましたが、コロナ禍もおさまった2023年シーズンは各球場に多くの観客がつめかけました。

2023年の決算公告も概ね公表されており、各球団とも徐々に経営状況が上向いているようです。2023年シーズンの決算公告から各球団の収益、経営事情をまとめてみました。

決算公告から見える12球団の経営状態

日本プロ野球の12球団は全てがれっきとした「株式会社」です。そして株式会社は会社法という会社に対していろんなルールを定めた法律により会社の経営状態を表す決算を公に告知することが義務付けられています。

関連記事:プロ野球の球団経営の仕組み、かつてと異なる球団経営状況とは?

この会社法に則って各球団は決算公告を行っています。ただし読売巨人軍と中日ドラゴンズは非公表となっています。理由は定かではありませんが、ともに親会社が非上場の新聞社という事情があるのかもしれません。

決算書には主に会社の資産や負債状況を表す貸借対照表と1年間の売上高や費用といった収支を表す損益計算書がありますが、決算公告ではこの貸借対照表だけを公告している球団がほとんどで売上高は公開されてません。

いずれにしても国の広報、公告紙である「官報」にこのプロ野球団の決算公告が記載されています。コロナ禍もおさまり観客が戻ってきた各球団の2023年シーズンの決算公告から収益、もうけがいくらあるのかまとめてみました。

球団 決算日 純利益 利益剰余金
西武ライオンズ 2023年3月31日 15億1,027万円 31億2,541万円
阪神タイガース 2023年3月31日 13億5,800万円 91億7,600万円
横浜DeNAベイスターズ 2023年12月31日 12億2,100万円 72億6,800万円
広島カープ 2023年12月31日 8億6,500万円 72億5,100万円
北海道日本ハムファイターズ 2023年12月31日 6億3,200万円 100億4,700万円
千葉ロッテマリーンズ 2023年12月31日 5億3,605万円 9億7,992万円
東京ヤクルトスワローズ 2023年12月31日 2億8,927万円 8億1,451万円
楽天野球団 2022年12月31日 ▲3,045万円 2,544万円
福岡ソフトバンクホークス 2023年2月28日 ▲19億5,800万円 ▲87億7,500万円
オリックス野球クラブ 2023年3月31日 非公表 ▲800万円

非公表の巨人、中日と純利益を公表していないオリックスを除く9球団が純利益を公表しています。この3球団を除く9球団のうち東北楽天、福岡ソフトバンクホークスを除く7球団が黒字を確保していました。

赤字球団だった東北楽天は3,045万円の赤字、福岡ソフトバンクホークスは19億5,800万円の赤字と楽天は3期ぶりの赤字、ホークスは3期連続の赤字となりました。

楽天は赤字ながらも利益剰余金はプラスですが、ホークスは赤字額こそ前年の79億7,900万円の赤字額から大きく減らしましたが、利益剰余金は87億7,500円ものマイナスとなっています。

ホークスは資本金が1億円ですので、多額な利益剰余金のマイナスにより負債が資産を上回る債務超過の状態に陥っている可能性もあります。

楽天、ホークスともに親会社が楽天グループ、ソフトバンクグループといった超大企業ですが、両社とも直近の決算では赤字となっていますので、親会社からの赤字補填も受けられない状態かもしれません。

純利益が非公表だったオリックスは利益剰余金もぎりぎりマイナスの800万円ですが、ここ数年マイナス800万円のまま動きがありません。どんな理由があるのか不明ですが、経営状態が特別悪いわけでもなさそうです。

一方でパリーグの残り3球団、西武、日本ハム、千葉ロッテは黒字だったのは意外でした。特に西武の純利益は一番多く、23年シーズンは日本一を果たした阪神タイガースをも上回っているのは驚異的です。

日本ハムは新球場、千葉ロッテは佐々木朗希投手の人気もあったのでしょう、経営状況は良好のようです。

セリーグに関しては非公表の巨人、中日以外は全球団とも黒字、23年シーズンはBクラスだった巨人、中日も観客動員数は22年シーズンより増えていますので6球団とも黒字だった可能性もあります。

一昔前は球団単独で黒字をだしているのは巨人、阪神くらいと言われた時期もありましたが、今やほとんどの球団が単独で黒字を確保できているのは球団の努力のたまものでしょう。

それにしてもパリーグの躍進ぶりには目を見張るものがあります。2023年シーズンは楽天、ソフトバンクホークスは赤字でしたが、楽天は3期ぶりの赤字、ホークスも売上高は300億円を超え赤字額も大幅に縮小、今後は黒字化する見込みは大きいでしょう。

かつては東京ドーム、川崎球場、日生球場、藤井寺球場、大阪球場、西宮球場といった東京圏、大阪圏の球場を本拠地としていた日本ハム、ロッテ、近鉄、南海、阪急といったパリーグの球団が、身売り、合併消滅から地方への移転を経て見事に地域と密着した球団へと発展をとげています。

関連記事:プロ野球12球団のチーム名変更の変遷。身売り、移転の歴史とは?

全国的な人気を誇り2023年の観客動員数が1位の阪神、2位の巨人に次いで福岡ソフトバンクは3位とパリーグのチームがセリーグの他の4球団を上回っています。

観客動員数ではパリーグの他の5球団はセリーグを下回りましたが、経営状況では西武、日本ハム、千葉ロッテが黒字ともはや球団経営上ではパリーグもセリーグも差はないといえます。決算の収益がそれを物語っています。

12球団がそれぞれ地方に根付き、プロ野球人気をさらに盛り上げている状況が見て取れました。

まとめ

コロナ禍も明け、日本プロ野球の12球団の経営状況は上向いているのか?という疑問から黒字球団、赤字球団を調べてまとめてみました。

10球団が官報に公開している決算公告から各球団のもうけである収益がいくらなのか純利益をまとめたところ

とコロナ禍も明け、非公表の3球団を除く9球団のうち楽天、ホークス以外は経営状況が上向いているといえる状況でした。

かつては親会社からの損失補填がなければ経営が立ち行かなかったプロ野球の球団経営も、ほぼ全ての球団が自立で経営していることがわかりました。

もはや親会社の宣伝塔として赤字が容認される時代ではなく、球団が単体でもうけを出せる時代となりました。球団の経営努力によるたまものですが、年間200万人近くの観客を動員するコンテンツは他のどのスポーツ、コンサートにもないと言えます。

2023年に開催された第5回WBCの優勝も後押しして球場にも多くのお客さんが戻ってきました。野球の面白さが多くの人に伝わって見直されてきたのでしょう。ますます球場に足を運びたくなりますね。


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