第103回全国高等学校野球選手権大会神奈川県大会、神奈川の県予選は7月10日(土)に開会式がサーティーフォー保土ヶ谷球場で開催されます。
県予選の抽選会は開会式の1か月以上前となる6月5日(土)13時に県立青少年センターで予定。試合日程が順調に消化されれば7月27日(火)10時の決勝戦まで2週間以上、熱い闘いが繰り広げられます。
各球場での観戦は入場客数の上限を設けたうえで有料にて観戦が可能、5回戦以降は前売券方式となる予定です。新型コロナの感染状況によって変更となる可能性もありますので、開幕前や開幕以降も神奈川県高校野球連盟の㏋等で確認することをお勧めします。
春季神奈川大会は3月下旬に地区大会が開催、地区大会を勝ち上がった高校による県大会が4月10日から5月4日決勝戦まで行われました。神奈川県の春季大会はその直後に開催される夏の県予選のシードを獲得するために重要な大会となります。
さらに県大会の上位2校(開催県は3校)は関東大会に進んで他都県の強豪校と公式戦という形で試合をすることになります。このため控えの投手や野手に経験させる場にもなり、チーム力を挙げる絶好の機会となります。
一方で選抜出場校は夏に向けてエースの休養期間にあてたり、県内や他都県のライバル校にはエースを温存して対策を立てづらくするという戦略をとるチームもあるので、春季大会の結果がそのままチームの実力に直結しないとも言えますが、いずれにしても各校とも実力を測るには貴重な大会です。
少なくとも夏の県予選だけで180校前後の高校が参加する神奈川県大会でシードが獲得できないと、最大8試合を勝ち抜く必要がありさらに他のシード校といきなり初戦で当たるリスクもあります。
予選の代表校を占う上でもこのシードを獲得できたか否かで準々決勝以降の予想も変わってきます。まずは21年の春季県大会の結果を見てみましょう!
春季県大会の16強がそのまま夏の県予選のシード16校となります。県大会の上位4校、ベスト4のチームが第1に振り分けられ、ベスト8校の残り4校が第2シード、ベスト16の残り8校が第3シードに振り分けられます。
第1シードの上位4校は準決勝まで対戦しません。第2シード校は準々決勝まで第1シード校と対戦がなく、第3シード校は5回戦まで第1シード校、第2シード校との対戦をしないで勝ち進むことが可能となります。
シード校が予選の序盤で敗戦することもありますが、第1シード校になれば準々決勝、準決勝までは比較的勝ち上がりやすい組み合わせになります。このため第1シード校から優勝校が出やすい傾向にあるということが言えるでしょう。
それぞれのシード校は
春季大会のベスト4の高校は、東海大相模、桐光学園、日大藤沢、横浜の4校です。センバツ大会に出場した東海大相模は3回戦からの登場となりましたが、このベスト4の顔触れは甲子園常連校、全国的な知名度の高い高校が出そろいました。
春季大会のベスト8校の残り4校は、横浜商業、横浜創学館、向上、相洋の4校です。相洋高校は春季準々決勝で横浜に4-14のコールド負けを喫しましたが、残りの3校は第1シード校相手に接戦での敗戦と実力もありそうです。
春季大会のベスト16の残り8校は、三浦学苑、相模原弥栄、日大高、星槎国際湘南、横浜隼人、光明相模原、横須賀学院、湘南学院の8校です。
第1シード校と対戦した三浦学苑、相模原弥栄、日大高、星槎国際湘南の4校はいずれもコールド負け、残りの4校は第2シード校に4点差以内の敗戦と第1シードから第3シードまでほぼ実力通りの顔触れと言えそうです。
春季県大会は選抜優勝校の東海大相模がその実力をいかんなく発揮し優勝しました。春季大会のベスト16以降の試合結果を見てみましょう。
試合 | 勝利校 | スコア | 敗戦校 | 備考 |
決勝戦 | 東海大相模 | 4-3 | 桐光学園 | |
準決勝 | 東海大相模 | 14-5 | 日大藤沢 | |
桐光学園 | 8-1 | 横浜 | 8回コールド | |
準々決勝 | 東海大相模 | 3-2 | 横浜商業 | |
桐光学園 | 5-3 | 横浜創学館 | ||
日大藤沢 | 8-7 | 向上 | ||
横浜 | 14-4 | 相洋 | 5回コールド | |
4回戦 | 東海大相模 | 10-0 | 三浦学苑 | 5回コールド |
桐光学園 | 9-1 | 相模原弥栄 | 7回コールド | |
日大藤沢 | 12-2 | 日大高 | 6回コールド | |
横浜 | 10-0 | 星槎国際湘南 | 5回コールド | |
横浜商業 | 4-0 | 横浜隼人 | ||
横浜創学館 | 10-8 | 光明相模原 | ||
向上 | 6-2 | 横須賀学院 | ||
相洋 | 9-8 | 湘南学院 |
ベスト4の対決となった準決勝は、東海大相模が日大藤沢に9点差、桐光学園は横浜に7点コールドとワンサイドゲームになりましたが、決勝では1点差の接戦となったことからもこの上位2校の実力がやや抜けています。
一転準々決勝では、横浜のコールド以外は第2シード校が善戦、横浜商、横浜創学館、向上の3校のうち上位2校に接戦だった横浜商、横浜創学館にも十分力はありそうです。
4回戦では第1シード校はいずれもコールド勝ち、第2シード校は第3シード校と大差のない試合結果となりましたが、第3シード校は上位8校に比べ実力的にはやや劣勢と言えるでしょう。
春季関東大会には優勝校東海大相模、準優勝校桐光学園が出場しました。関東大会は東京を含む1都7県から開催地の山梨県3校と各都県2校の計17校が参加しました。両校の戦績を見てみましょう。
高校 | 回戦 | スコア | 対戦相手 |
桐光学園 | 準決勝 | 2-3X | 専大松戸(千葉2位) |
準々決勝 | 1-0 | 関学大附(群馬1位) | |
2回戦 | 13-9 | 日大三(東京1位) | |
東海大相模 | 2回戦 | 3-5 | 日本航空(山梨2位) |
桐光学園は準決勝で選抜にも出場し関東大会を制した専大松戸にサヨナラ負けと善戦、2回戦、準々決勝と2勝を挙げたのに対して東海大相模は初戦となる2回戦で山梨の日本航空に2点差負けを喫しました。
東海大相模は選抜の優勝投手石田投手の登板はなくベストメンバーで臨めなかった点が敗因の一つと言えます。一方、桐光学園は選抜でも好投した深沢投手が登板しなかった専大松戸とはいえ、関東大会優勝校に接戦したところからもそれなりの実力がありそうです。
桐光学園は初戦でも日大三高に打ち勝っているところから打線もそれなりの力はあるでしょう。東海大相模はエース石田投手の控え投手でどれだけ試合を作れるか、また選抜でも振るわなかった打線の奮起が今後の課題となるでしょう。
ここまで春季大会の県大会、関東大会の試合結果を見てきました。関東大会では東海大相模は選抜V投手石田投手が投げずに初戦敗退となりましたが、選抜優勝、秋季・春季県大会でも優勝と横綱ぶりを発揮した東海大相模が夏の代表校の大本命と言えるでしょう。
その対抗となる一番手は春季県大会準優勝、関東大会ベスト4の桐光学園、この2校は第1シードも獲得し春季県大会の準決勝でも貫録勝ちをおさめるなどやや力が抜けていると思います。
第1シードの残り2校横浜、日大藤沢は投手力にやや不安がありそうです。夏の県予選までにこの課題を克服できるかがカギですが、予選までの2か月程度で飛躍的な投手力の向上は至難です。しかし夏は攻撃力のあるチームが勝ちあがるケースも多いので攻撃力に磨きがかかれば優勝もありえるでしょう。
逆に投手力が安定している横浜商業が台風の目となるかもしれません。春季大会では東海大相模との接戦、横浜隼人、慶應義塾と強豪校にも勝利している古豪、秋季大会でも準々決勝で東海大相模に0-6と敗戦していますが安定した成績をおさめています。
1997年の選抜以来、夏は1990年以来30年以上甲子園から遠ざかっているY校こと横浜商業の復活に期待がかかりますが、いずれ当たるかもしれない東海大相模に雪辱できるかがポイントになりそうです。
いずれにしても東海大相模が大本命ではありますが、控え投手の育成と打線の強化が順調に進めばこの牙城を崩すのは厳しくなりそうです。全国屈指の激戦区、神奈川県大会の覇者がどこになるのか?ベスト4以降の試合も非常に注目が集まるかもしれません。
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8月9日に開催予定の2021年(令和3年)第103回全国高校野球選手権大会の各都道府県地区予選が6月下旬から7月上旬にかけて開幕する予定です。
春の第93回選抜甲子園では神奈川県の東海大相模高校が10年ぶり3回目の春の全国制覇を果たしました。全国屈指の激戦区、神奈川県を制する高校はどこか?優勝候補予想をしてみました。
春季県大会や関東大会の戦いぶりから代表校予想をしましたが、
と無難な予想になってしまいました。選抜優勝の東海大相模の優位は動きませんが、夏に向けて甲子園へのモチベーションが維持できるか?またエース石田投手に次ぐ控え投手の育成、打線の強化がポイントになりそうですが、ここと桐光学園の力がやや抜けていると思います。
有観客での試合が予定されている神奈川県予選、東京五輪の影響で決勝戦の横浜スタジアムは使用できませんが、全国からの注目度もかなり高い大会となるでしょう!
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