大学野球は日本各地に連盟があり、それぞれでリーグ戦が展開されています。その中でも圧倒的にプロ野球選手を多く輩出しているのが、東京六大学、東都大学、関西学生野球の各リーグです。
これら関東、関西のリーグにはどんな名門が所属していて、リーグでの優勝の実績はどんなランキングになってるのでしょうか?2024年春季終了時点のランキングを早速見てみましょう!
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順位 | 校名 | 回数 |
1位 | 早稲田 | 47 |
2位 | 法政 | 46 |
3位 | 明治 | 43 |
4位 | 慶応 | 40 |
5位 | 立教 | 13 |
6位 | 東京 | 0 |
日本で最も歴史の長い大学野球リーグである東京六大学連盟の設立は、慶応、早稲田という名門大学の野球部創設がきっかけとなります。1888年慶応野球部の前身三田ベースボールクラブが発足、遅れること1901年に早稲田野球部が発足して1903年に初の早慶戦が開催されました。
以降、立教、明治、法政、東京大学と野球部が発足し、1925年に東京六大学野球連盟が設立、翌年には神宮球場が完成し六大学野球の専用球場として使用されます。プロ野球が創設される前のこの時代は学生野球が絶大な人気を誇っていました。
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早慶戦から始まった六大学野球ですが、1925年にリーグ戦が開始して以来、2024年春季リーグ終了時点で最も優勝回数が多いのは早稲田大学の47回です。早稲田大学を1回差で追うのが法政大学の46回でこの2校がややリードしています。
次いで明治大学の43回、慶応大学の40回とこの4校が4強と言えそうです。立教大学は13回とこの4強に遠く及ばず、ミスタープロ野球こと長嶋茂雄氏が在籍したころには4季連続優勝も達成していますが、この頃をピークに4強の壁が高く立ちはだかっています。
東京大学は優勝経験は1回もなく、1998年春季以降は現在まで20年以上連続で最下位、1勝上げれば話題になるほどですが、国内でも最強レベルにある他の5校を上回るのは至難の業でしょう。
順位 | 校名 | 回数 |
1位 | 専修 | 32 |
2位 | 駒澤 | 27 |
亜細亜 | ||
4位 | 中央 | 25 |
5位 | 日本 | 23 |
6位 | 東洋 | 20 |
7位 | 青山学院 | 15 |
8位 | 國學院 | 4 |
9位 | 芝浦工業 | 3 |
10位 | 立正 | 2 |
11位 | 学習院 | 1 |
国士館 |
東都大学野球連盟の前身である当時の東京新大学野球連盟は、実は東京六大学野球連盟より一足早い1925年に結成され同年春に第1回のリーグ戦が開催されています。
しかし翌年には改編されるなどし、1931年に日本大学、國學院大學、専修大学、中央大学、東京農業大学で五大学野球連盟が設立されました。
1932年からは神宮球場を使用するようになり、1936年に東京商科大学(現一橋大学)が加盟した際に東都大学野球連盟と改称しています。以降は新規加盟校を積極的に受け入れ、現在では21大学が加盟、リーグは四部まで存在します。
「人気の六大学」に対して「実力の東都」と称されることもありますが、一部から四部リーグではそれぞれ入れ替え戦があることから厳しい競争によりリーグのレベルが保たれていると言えます。
東都大学の2024年春季終了時点で、一部リーグの優勝回数は1位が専修大学の32回ですが、戦前から昭和40年までに大半の優勝回数を積み上げています。
2位は駒澤大学、亜細亜大学の27回ですが、駒澤大学は昭和50年以降に優勝回数を重ね、亜細亜大学は平成以降に数多く優勝しています。
4位は中央大学が25回、中央大学は戦前から昭和40年代、5位の日本大学は23回の優勝ですが、戦前から昭和40年代が強く、6位の東洋大学は平成以降に優勝回数を重ねています。
東都大学の強豪、名門はこれら6大学が数多く優勝していますが、令和以降は青山学院、國學院の活躍が目立っています。
設立時から加盟している専修、日大、中央は草創期からの強豪、東洋、駒澤、亜細亜は加盟後しばらくしてから強豪となり、昭和50年から平成以降はむしろ専修、日大、中央よりも東都大学リーグで存在感を発揮しています。
順位 | 校名 | 回数 |
1位 | 近畿 | 49 |
2位 | 関西 | 40 |
3位 | 立命館 | 39 |
4位 | 同志社 | 26 |
5位 | 関西学院 | 16 |
6位 | 大阪商科 | 4 |
7位 | 京都 | 2 |
8位 | 大阪経済 | 1 |
龍谷 |
関西の大学野球は、1917年に関西大学、関西学院、同志社、立命館といったいわゆる関関同立を中心に8校による関西学生野球連盟がいち早く発足しますが、いったん消滅します。
以降は加盟校や連盟の名称の変遷などを経て、1931年に現在の関西学生野球連盟の前身となる関西六校野球連盟が関西大学、関西学院、同志社、立命館、京都大学、神戸商大(現神戸大学)として発足します。
1962年には京滋大学野球連盟、近畿大学野球連盟、阪神大学野球連盟の3連盟との入れ替え戦を導入、近畿大学、大商大、竜谷大などが入れ替え戦により加わって7校による関西大学野球連合としてリーグ戦が行われました。
1982年には関西学生野球連盟として関関同立に近畿大学、京都大学を含めた6大学が固定され現在に至ります。このように関西学生野球連盟は複雑な変遷を経ていますが、基本的には設立時から関関同立を中心に存続してきました。
このため歴代の優勝経験校は8位9校までありますが、2024年春季終了時点で近畿大学が1位の49回と頭一つ抜けています。近畿大学は1982年以降驚異的な強さで優勝回数を重ねてきました。
2位の関西大学は40回の優勝のうちリーグ設立当初10年間で圧倒的な強さを誇り12回の優勝、以降戦後から昭和40年代にかけてが最も強い時期でした。3位の立命館は39回ですが、第1回の1931年に優勝して以降、比較的満遍なく優勝しています。
4位の同志社大学は戦前戦後に強い時期がありましたが、優勝回数26回、5位の関西学院も16回と優勝回数では上位3校よりやや少ない結果となっています。
これらの上位5校が関西大学野球の名門、強豪校といえるでしょう。
順位 | 合計回数 | 校名 | 全日本選手権 | 明治神宮大会 |
1位 | 43 | 東京六大学 | 27 | 16 |
東都大学 | 27 | 16 | ||
3位 | 11 | 関西学生 | 6 | 5 |
4位 | 10 | 首都大学 | 4 | 6 |
5位 | 3 | 仙台六大学 | 3 | 0 |
中国 | 0 | 3 | ||
愛知 | 1 | 2 | ||
8位 | 2 | 福岡六大学 | 0 | 2 |
9位 | 1 | 関甲新学生 | 1 | 0 |
阪神 | 1 | 0 | ||
九州地区 | 1 | 0 | ||
東海地区 | 1 | 0 | ||
神奈川 | 0 | 1 | ||
千葉 | 0 | 1 |
大学野球連盟の代表格である東京六大学、東都大学、関西学生野球の3連盟の各連盟の優勝回数を見てきましたが、国内で最初の全国的な大学野球の統一組織である全国大学野球連盟もこの3連盟により1947年に発足しました。
その後1952年にはこれら3連盟以外の大学野球連盟が加盟して第1回全日本大学野球選手権大会が開催され、全国大学野球連盟も現在の全国日本大学野球連盟に改称されました。この選手権大会には各連盟の春季リーグ優勝校が出場します。
1970年にはもう一つの全国大会である明治神宮野球大会が始まります。東京六大学、東都大学は秋季リーグの優勝校にそのまま出場枠が与えられますが、それ以外の連盟は秋季リーグ優勝チームがその次の地区大会を勝ち抜いて出場権を獲得します。
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この2種類の全国大会での優勝回数は、2024年の全国選手権大会終了時点で東京六大学と東都大学がともに43回と圧倒的な強さを見せています。東京六大学、東都大学ともには選手権27回、神宮大会16回と全くの互角です。
関西学生は11回とこの2連盟を追いますが、東京六大学、東都大学の強さが際立っています。大学野球の最強リーグは甲乙つけがたいこの2連盟になりますが、学校別では選手権の最多優勝回数は法政大学の8回、神宮大会は明治大学の7回とともに東京六大学から出ていることからわずかながら東京六大学に軍配が上がるといえるでしょう。
大学野球の関東、関西の強豪、名門校にはどんな大学があるのか?大学野球リーグの最強リーグはどこのリーグ?と大学野球の代表格である東京六大学野球、東都大学野球、関西学生野球の3連盟の優勝回数と全国大会での各連盟の優勝回数について見てきました。2024年春季リーグ及び全日本大学野球選手権大会の終了時点では
といった結果となりました。大学野球の最強リーグは東京六大学、東都大学ともに双璧ですが、全日本選手権で法政大学が最多8回の優勝、明治神宮大会で明治大学が最多7回の優勝とともに六大学が出ていることから、わずかながら東京六大学が最強リーグと言えるのではないでしょうか?