夏季愛知県高校野球大会の組み合わせ抽選会が6月20日刈谷市総合文化センターで行われ、球児がくじを引かずに野球部の部長などが参加、体温を確認した後にマスク着用、席を離して座るなどの対策をとるかたちで異例の抽選会となりました。
抽選では、連合チームを含む186校182チームの組み合わせが決定。AからHまでの8ブロックに振り分けられ、ベスト8が出そろう5回戦までの対戦相手が決まりました。
例年の県予選では県内のチームを各ブロックに振り分けていますが、今大会は移動による感染リスクを軽減するため近隣地域のチームが対戦するようにブロックを調整しています。
大会は7月4日(土)に開幕、土日祝の11日間無観客で実施されます。雨天による延期があっても8月9日には打ち切ります。天候次第では優勝校が決まらないこともありえますが、いずれにしても3年生高校球児の最後の暑い大会が開催されます。
各ブロックの組み合わせはこちら
Aブロックは名古屋ブロックと知多ブロックの組み合わせとなりました。名古屋ブロックは6チームですが、ここは私学4強の一角、昨春の選抜の覇者東邦に中部第一と高蔵寺という実力校の勝者が挑む形となりました。
知多ブロックには、公立の雄大府高校が入りましたが、東浦、知多翔洋、日福大付、半田などの高校も実力があります。森田監督の勇退後に就任した山田新監督で臨む東邦高校がどこまで成長したのか?
私学4強である東邦高校が勝ち抜く可能性は高いかもしれませんが、上記の実力校にも十分にチャンスがあると言えます。
Bブロックは名古屋ブロックとなりました。ここは優勝候補の最右翼中京大中京の優位は揺るがないでしょう。昨秋の明治神宮大会を制して、中止となった選抜でも優勝候補に挙げられました。
全国区のエース高橋宏斗投手に同じドラゴンズジュニア出身の印出太一捕手、速球左腕の松島投手に1番西村、3番中山の野手陣は久しぶりのタレントが揃っています。甲子園への出場にはつながらないとはいえ、ドラフト会議へのアピールの場として充実した戦いぶりを見せるのではないでしょうか?
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しかしBブロックには中部大春日丘、星城、栄徳といった有力私学校も入っています。これらの私学が中京大中京をどこまで苦しむことができるか?見ものです。
Cブロックも名古屋ブロックとなりました。ここは私学4強の一角愛工大名電がやや抜けています。愛工大名電の山には愛知、名城大付も入りましたが、2年生左腕田村投手の出来が良ければ難なく突破するでしょう。
愛工大名電の反対の山には、至学館を始め名古屋国際、菊華といった実力校がひしめきます。この山を勝ち上がった高校が愛工大名電に挑む形となります。
Dブロックは名古屋ブロックと尾張ブロックの組み合わせとなりました。名古屋ブロックには私学4強の一角享栄と愛産大工が入りました。一方、尾張ブロックは清林館、杏和、佐織工などが有力ですが、Dブロックを制するとなるとやや厳しいでしょう。
ここ20年近く低迷する享栄は元中京大中京の大藤監督が就任してから復活に向けて着実にチーム力が向上しています。さらに大型左腕上田投手はドラフト指名候補にも挙がっています。
Dブロックは好投手を擁する享栄がやや優勢ではないかと思います。
Eブロックは尾張ブロックとなり、このブロックには尾張地区の強豪校がひしめく形となりました。昨夏の愛知代表校の誉、甲子園経験のある愛知啓成、愛知黎明とどの高校が来てもおかしくありません。
特に1回戦で誉と愛知啓成が激突します。ここを突破したチームがブロックを抜ける形になるでしょう。
Fブロックは東三河ブロックとなりました。このブロックは昨秋県3位の豊川、同ベスト4の豊橋中央、昨夏愛知大会準優勝の桜丘を軸に、公立の実力校で甲子園経験のある豊橋工、時習館、成章、国府と強豪が出そろいました。
一番予想がしにくいブロックですが、昨秋の実績がある豊川が抜けるのではないでしょうか?
Gブロックは西三河ブロックで、このブロックには昨秋ベスト8の愛産大三河、岡崎学園の両校に岡崎城西といった私学勢に西尾東、刈谷、安城南、安城、岡崎工、豊田の公立勢が挑む形となります。
2年前の東愛知代表の愛産大三河やここ数年愛知県内でも上位進出の多い西尾東、刈谷が上位進出しそうですが、最後は三河の強豪校愛産大三河が勝ち抜けると予想します。
Hブロックも西三河ブロックです。このブロックは本命不在のブロックとなりそうです。甲子園経験もあり勝利もしている豊田西、豊田大谷が軸となりそうですが、両校とも昨秋の秋季県大会の出場は逃しています。
昨秋県大会出場の刈谷工、昨夏ベスト8の安城東の公立勢が軸となりそうで、どこの高校にもベスト8進出のチャンスがありそうです。
186校の高校、182校のチームが参加する日本一の激戦区愛知県の独自大会、夏季愛知県高校野球大会がいよいよ始まります。勝ち抜けてもその先の甲子園での全国大会はありませんが、3年生最後の大会ということで例年通りの熱戦が予想されます。
例年ならば、選抜大会や春季県大会、地区大会を経てチーム力が向上していき、夏の大会の勢力図、優勝候補の参考になりますが、今年はありませんでした。加えて部活動も禁止、練習もままならない中で各校の戦力がどのように向上したのかは予想がつきません。
秋の新チーム結成から一冬を超えることでチーム力が大きく変わることがありますが、それを試す場もなく夏の最後の大会を迎えます。
昨秋の成績をもとに戦力判断をすることになりますが、それでも中京大中京の優位は動かないでしょう。明治神宮大会を制したチーム力は、昨秋の愛知県大会でも圧倒的な強さで勝ち上がりました。
対抗はやはり秋季大会準優勝した愛工大名電になるでしょう。さらに秋季東海大会で1勝した豊川、秋季大会で県ベスト4の豊橋中央に接戦で敗退した享栄、豊川に善戦した愛産大三河が上位進出するのではないでしょうか?
甲子園の切符という目標がないので、選手のモチベーションがどの程度まで維持できるのかも不明ですが、選抜が中止となった悔しさとドラフトへのアピールの場としてモチベーションが高いという点でも中京大中京が勝ち抜くと予想します。
また私学4強が同一ブロックで競合しなかったのも今大会を盛り上げることになるかもしれません。私学4強がベスト4に出そろうとなると無観客でなければ球場はとんでもないことになったでしょう。
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いずれにしても各校の調整不足が不安視されますが、裏を返せばどこの高校にもチャンスがあると言えるかもしれません。
新型コロナウイルスの影響で中止となった第102回全国高等学校野球選手権大会の代わりとなる愛知県の夏季県高校野球大会の組み合わせが決まりました。7月4日(土)から土日祝日に開催されます。
愛知県の優勝候補の最右翼は、昨秋の明治神宮大会を制しタレント揃いの中京大中京となるでしょう。しかし各校とも調整不足という不安を抱えながらの本番突入となります。
そういった点では例年以上にどこの高校にも優勝のチャンスがあると言えるかもしれません。とにかく3年生最後の大会、甲子園切符はありませんが、ケガなく精一杯プレーしたいものです。