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プロ野球三冠王の意味と歴史、難易度は?最年少や両リーグでの達成者は?

2020年プロ野球では読売巨人軍の岡本和真選手がセリーグ打撃部門の二冠王に輝きました。二冠王でも十分立派な成績ですが、打者にとって最高峰の勲章である三冠王とはどれくらい難易度が高いものなのでしょうか?

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三冠王とは?意味や歴史、歴代の達成者は何人いるのか?さらに最年少の達成者、両リーグで達成したものはいるのか?を見てみればこの三冠王というのがどれくらい難易度の高いものなのかわかるでしょう。

早速見てみましょう!

プロ野球の三冠王とは?歴代達成者は?

プロ野球の打者成績、打撃部門の主要部門とは打率、本塁打、打点の3部門を指します。この主要3部門でトップの成績、すなわちこの3タイトルを獲得した選手が三冠王の達成者となります。

タイトル1つでも大変なことですが、3部門のタイトルを独占するのは相当困難です。日本のプロ野球でも過去に7人しか達成していません、それでは歴代の達成者を見てみましょう。

プロ野球三冠王歴代達成者

選手 所属 シーズン 打率 本塁打 打点
中島治康 巨人 1938秋 .361 10 38
野村克也 南海 1965 .320 42 110
王貞治 巨人 1973 .355 51 114
王貞治 巨人 1974 .332 49 107
落合博満 ロッテ 1982 .325 32 99
ブーマー 阪急 1984 .355 37 130
落合博満 ロッテ 1985 .367 52 146
バース 阪神 1985 .350 54 134
落合博満 ロッテ 1986 .360 50 116
バース 阪神 1986 .389 47 109
松中信彦 ダイエー 2004 .358 44 120

初代の達成者はプロ野球が年間2季制だったころの巨人軍中島治康選手ですが、シーズン40試合での達成、また当時は三冠王という概念もなかったため、1965年に野村克也氏が三冠王を達成した時に、初代三冠王として公式に認定されました。

野村克也氏の三冠王は最初にして最後の首位打者となったシーズンで、本塁打王、打点王は複数回獲得していますが、唯一首位打者を獲得できたシーズンに三冠王となりました。

また王貞治選手は、プロ野球の最多記録となる本塁打王15回、打点王13回も獲得していますが、首位打者は5回とやや少なめ(でもすごいですが)ながら1973年、1974年の2年連続の達成となりました。

三冠王を達成したのは7人しかいませんが、落合博満氏が3回、王貞治氏、バース氏がともに2回と同一選手が複数達成しています。1986年のバース選手の打率.389は驚異的な数字ですが、プロ野球のシーズン記録です。俊足でもないバース選手が4割近い打率を残すのはものすごいことですね。

1985年、1986年はセパ両リーグとも落合博満選手、バース選手が2年連続で達成しています。打率3割5分超、ホームランも50本前後という数字は他の選手にとってはかなりハードルの高いタイトルです。

最年少の三冠王達成者は?両リーグでの達成者はいるの?

三冠王の達成者は多くが30代以降に達成していますが、初代の中島治康氏、1982年の落合博満氏はともに29歳での達成で20代の達成はこの2名のみです。中島氏はプロ野球創立3年目、まだ試合数も少なく草創期だったころの達成に比べて特筆すべきは落合博満氏はプロ入り4年目での達成という点です。

落合氏は社会人を経ての入団とはいえ多くの選手がプロ入り10年近くかかっているところわずか4年で達成、並み居る先輩選手や外国人選手を抑えての3部門のタイトル獲得は圧巻です。

落合氏は1981年にも首位打者を獲得していますが、レギュラーになったのは1981年からでレギュラー定着とともに首位打者獲得、レギュラー2年目での三冠王の達成となりました。結局通算で史上最多の3回の三冠王を達成、ミスター三冠王といっても過言ではないでしょう。

また両リーグでの達成者はまだいません。そもそも三冠王達成者で両リーグでプレー経験があるのは落合博満氏のみです。落合氏は3回目の三冠王を達成した1986年の翌年にロッテから中日に移籍、その後もジャイアンツ、日ハムへと移籍をしましたが、三冠王は達成できずに終わりました。

中日時代の1990年には本塁打王、打点王の二冠王にはなりましたが、この時は打率は.290と極端に打率を落としてしまい打率10傑に入ることもできませんでした。それでも2冠を獲得するあたりはさすがというしかありません。

今後も両リーグで三冠王を達成する選手は出てこないのではないでしょうか?まず三冠王自体が2004年の松中選手を最後に達成者がいません。さらに三冠王を達成するほどの選手がフリーエージェントで別リーグに移籍することはありえますが、球団も手放さないでしょうしメジャー移籍する可能性もあります。

そもそも三冠王の達成がどれくらい難しいのでしょうか?

三冠王の難易度は?

三冠王を達成するのに最も大きなハードルが首位打者の獲得です。というのも本塁打王を獲得できれば、打点も自ずと増えるので本塁打王、打点王の二冠は割と達成しやすいでしょう。

2020年の岡本和真選手や三冠王の野村克也氏、王貞治氏も本塁打王、打点王のタイトル獲得に比べて首位打者の獲得が極端に少ないです。落合博満氏は本塁打王、打点王、首位打者を5回ずつ獲得していますが、中日時代の二冠王の時も首位打者にはなれませんでした。

本塁打王、打点王の2冠王は過去30名以上が達成しているのに対して、首位打者と打点王もしくは首位打者と本塁打王を獲得した選手は、1950年の2リーグ制以降では以下の通りです。

【首位打者と打点王】

選手 所属
1952年 西沢道夫 名古屋
1955年 川上哲治 巨人
1963年 長嶋茂雄 巨人
1979年 加藤英司 阪急
1989年 ブーマー 阪急
1995年 イチロー オリックス
1999年 ローズ 横浜
2012年 阿部慎之助 巨人
2013年 ブランコ 横浜

【首位打者と本塁打王】

選手 所属
1951年 大下弘 東急
1955年 中西太 西鉄
1958年 中西太 西鉄
1961年 長嶋茂雄 巨人
1968年 王貞治 巨人
1969年 王貞治 巨人
1970年 王貞治 巨人
1992年 ハウエル ヤクルト

首位打者と打点王の二冠達成者は9選手の9回、首位打者と本塁打王は5選手の8回達成しているのみです。パワーが必要な本塁打王に比べて首位打者は俊足好打の選手が獲得しやすいと言えるでしょう。

得点圏打率がよければ打点も稼ぎやすくなるので首位打者と打点王はまだ若干達成者がいますが、首位打者と本塁打王は5選手のみとわずかです。三冠王を達成するには本塁打王になれる打者であることが絶対条件となりますが、本塁打を量産できるパワーを備えながら打率も残すことが必須となります。

上記の二冠達成が少ないことからも本塁打王と同時に首位打者を獲得するのがいかに難しいのかがわかります。それだけに三冠王は非常に価値の高い称号であり、シーズンMVPも1986年の2年連続の落合氏、バース氏以外は全て三冠王達成者がMVP受賞をしています。

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まとめ

プロ野球の長い歴史において打者にとって最高の勲章「三冠王」。その意味や難易度、歴代の達成者や最年少、両リーグでの達成者について紹介してきました。

三冠王達成者は、落合氏、バース氏が2年連続で達成した1986年を除いてそのシーズンのMVPにも選ばれており、いかに達成が困難で価値のあるものなのかを物語っています。

2004年の松中信彦氏以降、達成者はいませんが、2020年の岡本和真選手をはじめ二冠王達成者は過去にも多数いました。この先三冠王を達成する選手は現れるのでしょうか?今後もプロ野球から目が離せないですね!

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