全校高校ラグビー大会は、1917年(大正7年)に豊中運動場で第1回大会が開催、以降は宝塚運動場、甲子園球場、南甲子園運動場、西宮球技場での開催を経て1962年(昭和38年)第42回大会より花園ラグビー場での開催が定着しました。
戦前や戦時中の旧制中学時代は朝鮮、満州、台湾の高校も参加しており、優勝、準優勝もしています。戦後になってからは国内の高校のみが参加、この頃からの常連校が現在でも花園で活躍しています。
それでは2023年第103回大会終了時点での学校別の歴代優勝回数ランキングを見てみましょう!
順位 | 回数 | 校名 | 都道府県 | 回 |
1 | 15 | 秋田工 | 秋田 | 16回、20回、27回、28回、29回、31回、32回、35回、36回、38回、40回、44回、48回、64回、67回 |
2 | 9 | 同志社 | 京都 | 1回、3回、4回、5回、6回、7回、9回、10回、11回 |
3 | 7 | 常翔啓光学園 | 大阪 | 71回、78回、81回、82回、83回、84回、88回 |
東福岡 | 福岡 | 87回、89回、90回、91回、94回、96回、102回 | ||
5 | 6 | 天理 | 奈良 | 18回、42回、46回、51回、63回、69回 |
東海大大阪仰星 | 大阪 | 79回、86回、93回、95回、97回、101回 | ||
7 | 5 | 常翔学園 | 大阪 | 57回、61回、68回、75回、92回 |
国学院久我山 | 東京 | 55回、58回、62回、66回、77回 | ||
目黒 | 東京 | 45回、52回、53回、56回、59回 | ||
10 | 4 | 保善 | 東京 | 37回、39回、41回、43回 |
伏見工 | 京都 | 60回、72回、80回、85回 |
歴代の優勝回数ランキング堂々の1位は秋田工業でした。戦前の第16回(昭和9年)から第67回(昭和62年)までの昭和時代だけで15回の優勝を達成、準優勝も7回ありますが、第75回(平成7年)を除いて昭和時代だけで優勝、準優勝計21回の実績を誇ります。
ランキング2位は同志社ですが、全て戦前の同志社中学時代で史上最大の5連覇を含む9回の優勝です。
3位タイには常翔啓光学園と東福岡が7回でランキングされました。常翔啓光学園は啓光学園として第81回(平成13年)から第84回大会まで戦後最大の4連覇を含む6回の優勝、常翔啓光学園として第88回(平成20年)の計7回の優勝です。
東福岡は第102回大会(令和4年)の7回目の優勝で3位タイに並びましたが、第87回(平成19年)に初優勝してから第96回(平成28年)の10年の間に3連覇を含む6回の優勝を果たし驚異的なペースです。
5位タイには天理、東海大大阪仰星が6回でランクイン、天理は戦前の第18回(昭和11年)天理中時代から第69回(平成元年)までの長きにわたっての達成となっています。東海大大阪仰星は第101回(令和3年)に6回目の優勝で5位タイに並びました。
6位には常翔学園、国学院久我山、目黒の大阪、東京の2校ずつがランクイン、常翔学園は第75回大会までは旧校名大阪工大高校として優勝、92回は常翔学園としての優勝。東海大大阪仰星は第79回(平成11年)に初優勝して以降、第97回(平成29年)まで5回の優勝と平成に入ってからの強豪校です。
東京の両校、目黒高校は昭和40年から50年代、国学院久我山は昭和50年代を中心に優勝しており、両校は花園の決勝でも3回対戦、国学院久我山2勝、目黒1勝の結果となっています。
9位は保善高校と伏見工業が4回でランクイン、保善高校は第37回(昭和33年)から1回おきに優勝するという珍しいパターンでした。伏見工業は高校ラグビーファンにはお馴染みのスクールウォーズの川浜高校のモデルとなった高校です。
ドラマの中でも花園の決勝戦で対戦する相手は城南工大高校でしたが、実際には第60回大会で初優勝した時の対戦校大阪工大工(現常翔学園)がモデルとなっており当時全国屈指の強豪校だった点もそのままに再現されています。
学校別では東京、大阪から3校ずつ、京都から2校と大都市圏の高校が実績を残しています。都道府県別での優勝回数ランキングはどうなっているのでしょうか?
高校別の歴代優勝回数ランキングでは、東京、大阪から各3校、京都2校がベスト10入りしていましたが都道府県別ではどうでしょうか?
順位 | 回数 | 都道府県 | 学校 |
1 | 22 | 大阪府 | 北野、天王寺、常翔学園、常翔啓光学園、東海大大阪仰星、大阪桐蔭 |
2 | 16 | 東京都 | 慶應普通部、保善、目黒、国学院久我山、大東文化大一 |
3 | 15 | 秋田県 | 秋田工 |
京都府 | 同志社、三高、京都一商、伏見工 | ||
5 | 9 | 福岡県 | 福岡、福岡工大城東、東福岡 |
2023年第103回大会終了時点でのランキング1位は大阪府の21回で2位の東京を引き離して断トツでした。実に6校が優勝を経験しており、特に昭和時代までは北野、天王寺、常翔学園(当時大阪工大工)の3校による6回の優勝でしたが、平成以降の常翔啓光学園、東海大大阪仰星、大阪桐蔭の3校により15回、常翔学園1回と2年に1回のペースで優勝しています。
もっとも大阪代表は3校まで出場できるのでいずれかの高校が確率的に優勝しやすいとも言えますが、大阪勢同士の決勝戦もあるくらいレベルが高いのでちょっと他の都道府県にはなかなか超えられない壁ではないでしょうか。
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2位は東京の16回でこちらも5校による達成ですが、大阪勢と異なり平成に入っての優勝が第77回(平成9年)しかありません。昭和時代までは秋田と並ぶ強豪都県でしたが、平成に1回しか優勝がないのは意外でした。
3位には秋田県と京都府が15回でランクイン、秋田は秋田工業1校、京都は戦前の同志社、三高、京都一商により第1回(大正7年)から第11回(昭和4年)まで11年連続の優勝と圧倒的な強さでしたが、以降第60回(昭和55年)伏見工の初優勝まで半世紀以上優勝から遠ざかりました。
5位の福岡県は福岡高校、福岡工大城東(当時福岡電波)で3回優勝していますが、第87回(平成19年)以降は東福岡が7回の優勝を達成しています。
戦前と昭和、平成で高校ラグビーの強豪都道府県の勢力図は大きく変わりました。戦前の京都、昭和の東京、秋田に対して平成以降は大阪、福岡が高校ラグビーの強豪府県といえます。
さらに令和以降は第99回大会以降、神奈川県の桐蔭学園が3回優勝しており、神奈川県勢としては相模台工業2回、慶応1回(東京都代表として慶応普通部1回あり)の計6回と神奈川県勢が新たに強豪県として名を連ねそうです。
2023年から2024年にかけて花園ラグビー場で行われた全国高校ラグビーフットボール大会は第103回大会として開催、神奈川県の桐蔭学園が3回目の優勝を果たしました。
100回を超える長い歴史を誇る花園でどんな高校が優勝したのか?歴代優勝回数のランキングをまとめてみました。
とベスト3は戦前から昭和にかけて活躍した秋田工業、同志社に戦後最多の4連覇を達成した常翔啓光学園、2009年から3連覇を達成した東福岡がランキングされました。さらに都道府県別の歴代優勝回数ランキングは
といった結果になりました。近年は大阪勢と東福岡が交互に優勝する中、第103回大会は神奈川県の桐蔭学園が優勝、令和以降は桐蔭学園が3回優勝しており新たに神奈川県勢が勢力図を塗り替えつつあります。
2005年の第85回大会に京都府の伏見工業が優勝して以降、大阪、福岡、神奈川勢しか優勝していません。この3府県以外の優勝校が20年ぶりに現れるのか?2024年第104回大会にも注目ですね!