まず都道府県を代表する強豪校の条件としてどれだけ甲子園に出場しているか、地区予選で優勝しているのか?が判断基準になると思います。2024年夏の選手権大会終了時点での各都道府県の春夏甲子園出場回数が最も多い高校を調べて、地区別に一覧にしてみました。
都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
北北海道 | 駒大岩見沢 | 12 | 8 | 4 |
南北海道 | 北海 | 54 | 14 | 40 |
青森 | 八戸学院光星 | 23 | 11 | 12 |
岩手 | 盛岡大付 | 16 | 5 | 11 |
秋田 | 秋田・秋田商 | 24 | ※ | ※ |
山形 | 日大山形 | 23 | 4 | 19 |
宮城 | 仙台育英 | 45 | 15 | 30 |
福島 | 聖光学院 | 24 | 6 | 18 |
秋田は秋田が選抜5回、選手権19回、秋田商が選抜6回、選手権18回とともに24回の出場。宮城は仙台育英が選抜15回、選手権30回の45回で東北高校の選抜20回、選手権22回の42回を抜いて1位となっています。
青森は2位が、青森山田の14回(選抜3回、選手権11回)、岩手の2位は花巻東の15回(選抜4回、選手権11回)となりました。
都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
茨城 | 常総学院 | 27 | 11 | 16 |
栃木 | 作新学院 | 28 | 12 | 16 |
群馬 | 桐生 | 26 | 12 | 14 |
埼玉 | 浦和学院 | 26 | 11 | 15 |
千葉 | 銚子商 | 20 | 8 | 12 |
東東京 | 帝京 | 26 | 14 | 12 |
西東京 | 早稲田実 | 51 | 21 | 30 |
神奈川 | 横浜 | 36 | 16 | 20 |
山梨 | 東海大甲府 | 19 | 6 | 13 |
群馬の桐生は戦前から昭和にかけて群馬の常連校で、桐生一、健大高崎、前橋商、前橋工などを抑えての最多。西東京は早稲田実が東東京時代を含めての最多51回で日大三高の39回(選抜20回、選手権19回)を抑えての最多となりました。
神奈川は横浜と2強の一角東海大相模は24回(選抜12回、選手権12回)と横浜に大きく引き離されての2位でした。
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都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
新潟 | 日本文理 | 17 | 5 | 12 |
長野 | 松商学園 | 53 | 16 | 37 |
静岡 | 静岡 | 43 | 17 | 26 |
愛知 | 中京大中京 | 61 | 32 | 29 |
岐阜 | 県岐阜商 | 60 | 30 | 30 |
三重 | 三重 | 27 | 13 | 14 |
富山 | 高岡商 | 27 | 5 | 22 |
石川 | 星稜 | 38 | 16 | 22 |
福井 | 福井商 | 39 | 17 | 22 |
富山県は、富山商の23回(選抜6回、選手権17回)に対して高岡商が上回り最多となりました。新潟は平成以降に台頭した日本文理が最多校となりましたが、長野、静岡、愛知、岐阜は戦前からの古豪が最多校となっているのが特徴的です。
都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
滋賀 | 近江 | 24 | 7 | 17 |
京都 | 龍谷大平安 | 76 | 42 | 34 |
大阪 | PL学園 | 37 | 20 | 17 |
兵庫 | 報徳学園 | 39 | 23 | 16 |
奈良 | 天理 | 55 | 26 | 29 |
和歌山 | 智辯和歌山 | 42 | 15 | 27 |
近畿地区の激戦区は何と言っても大阪です。2位に大体大浪商32回(選抜19回、選手権13回)、3位に大阪桐蔭28回(選抜15回、選手権13回)と全国区の強豪がひしめき合いますが、出場回数ではPL学園が最多となっています。
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都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
岡山 | 関西 | 21 | 12 | 9 |
広島 | 広陵 | 52 | 27 | 25 |
鳥取 | 鳥取西 | 27 | 4 | 23 |
島根 | 浜田 | 15 | 4 | 11 |
山口 | 下関商 | 23 | 14 | 9 |
香川 | 高松商 | 50 | 28 | 22 |
徳島 | 徳島商 | 43 | 19 | 24 |
愛媛 | 松山商 | 42 | 16 | 26 |
高知 | 明徳義塾 | 43 | 20 | 23 |
広島は、2位に広島商45回(選抜22回、選手権23回)が肉薄していましたが、両校とも戦前から常連校だったものの平成以降で広陵が出場回数を増やし最多となっています。
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四国は戦前からの強豪校四国4商のうち3校は最多校でしたが、高知県は4商の一つ高知商が37回(選抜23回、選手権14回)と昭和後半から平成以降に台頭してきた明徳義塾にわずかながら及びませんでした。
なお高知県は高知高校が39回(選抜21回、選手権18回)で明徳義塾に次ぐ2位、高知県は明徳義塾、高知、高知商がほぼ入れ替わって出場しています。
都道府県 | 最多校 | 回数 | 選抜 | 選手権 |
福岡 | 小倉 | 21 | 11 | 10 |
佐賀 | 佐賀商 | 22 | 6 | 16 |
長崎 | 海星 | 23 | 5 | 13 |
熊本 | 熊本工 | 44 | 21 | 23 |
大分 | 大分商 | 21 | 6 | 15 |
宮崎 | 日南学園 | 14 | 5 | 9 |
鹿児島 | 鹿児島実 | 28 | 9 | 19 |
沖縄 | 興南 | 17 | 4 | 13 |
福岡の2位には小倉工が17回(選抜9回、選手権8回)が続きますが、小倉は戦後から昭和50年頃、小倉工は戦前から昭和40年頃に福岡の常連校として出場回数を重ねました。昭和後半以降は優勝経験のある三池、西日本短大付、準優勝した福岡第一に柳川、東福岡、福岡大大濠、福岡工大城東などまさに群雄割拠の激しい県です。
鹿児島は鹿児島実以外の樟南26回(選抜7回、選手権19回)、鹿児島商25回(選抜12回、選手権13回)と大混戦でした。同じく沖縄も沖縄尚学が15回(選抜6回、選手権9回)と鹿児島は3強、沖縄は2強が代表校になる状況が目立ちます。
各都道府県を代表するということならば、出場回数が多い高校から選ぶのが前提になるかと思います。しかし出場回数が同じだったり最多ではないものの甲子園での実績が上というようなケースはこれらを総合的に判断する必要があります。
上記の出場最多回数校はおおむね甲子園での勝利数や実績も最多のケースが多いですが、そうでないケースについて甲子園勝利数で比較してみたいと思います。
都道府県 | 勝利数最多校 | 勝利数 | 勝利数2位校 | 勝利数 |
岩手 | 花巻東 | 19 | 盛岡大付 | 12 |
秋田 | 秋田商 | 18 | 金足農 | 13 |
岡山 | 倉敷工 | 25 | 関西 | 22 |
徳島 | 池田 | 42 | 徳島商 | 42 |
大分 | 津久見 | 24 | 明豊 | 20 |
上記5つの県のうち秋田県は出場回数最多校が2校ありましたが、秋田は秋田商が18勝で最多となるものの、秋田高校は10勝で金足農の13勝を下回りました。
残りの4県では、岩手県は花巻東、岡山県は倉敷工、大分は津久見と出場回数最多校の勝利数を上回りました。徳島県は池田と徳島商がタイで並んでますが、徳島商が43回の出場に対して池田が17回の出場と半分以下にも関わらず、勝利数が上回るという驚きの結果となりました。
ここまで都道府県別の出場回数最多校と勝利数最多校を見てきました。ほとんどの都道府県で出場回数最多校が勝利数も最多となる結果となりましたが、出場回数最多校を上回る勝利数をあげた高校が岩手、岡山、大分の3つの県でみられました。
以上より各都道府県を代表する高校は以下の通りとしました。
都道府県 | 高校 | 都道府県 | 高校 | 都道府県 | 高校 | 都道府県 | 高校 |
北北海道 | 駒大岩見沢 | 東東京 | 帝京 | 滋賀 | 近江 | 愛媛 | 松山商 |
南北海道 | 北海 | 西東京 | 早稲田実 | 京都 | 龍谷大平安 | 高知 | 明徳義塾 |
青森 | 八戸学院光星 | 神奈川 | 横浜 | 大阪 | PL学園 | 福岡 | 小倉 |
岩手 | 花巻東 | 山梨 | 東海大甲府 | 兵庫 | 報徳学園 | 佐賀 | 佐賀商 |
秋田 | 秋田商 | 新潟 | 日本文理 | 奈良 | 天理 | 長崎 | 海星 |
山形 | 日大山形 | 長野 | 松商学園 | 和歌山 | 智辯和歌山 | 熊本 | 熊本工 |
宮城 | 仙台育英 | 静岡 | 静岡 | 岡山 | 倉敷工 | 大分 | 津久見 |
福島 | 聖光学院 | 愛知 | 中京大中京 | 広島 | 広陵 | 宮崎 | 日南学園 |
茨城 | 常総学院 | 岐阜 | 県岐阜商 | 鳥取 | 鳥取西 | 鹿児島 | 鹿児島実 |
栃木 | 作新学院 | 三重 | 三重 | 島根 | 浜田 | 沖縄 | 興南 |
群馬 | 桐生 | 富山 | 高岡商 | 山口 | 下関商 | ||
埼玉 | 浦和学院 | 石川 | 星稜 | 香川 | 高松商 | ||
千葉 | 銚子商 | 福井 | 福井商 | 徳島 | 徳島商 |
ここまでの顔触れを見てみると選抜優勝回数最多5回の愛知県東邦高校、選手権優勝回数6回で2位の広島商、そして大阪は選抜優勝回数4回で全国2位、選手権5回で3位タイの大阪桐蔭は漏れる結果となりました。
愛知は優勝回数、勝利数とも全国1位の中京大中京、広島は春夏78勝の広陵、大阪は春夏96勝のPL学園が上位にいるためこのような結果となりました。賛否両論あるともいますが、いずれも野球強豪府県ならではのハイレベルなライバル関係にあると言えるでしょう。
各都道府県を代表する高校はどんな高校か?甲子園大会への歴代出場回数や勝利数の多さから各都道府県を代表する強豪校を選んでみました。各都道府県の大半に共通しているのは、甲子園への出場回数が最多の高校が通算勝利数でも都道府県1位でした。
各県の出場回数1位校を上回る勝利数を上げている県は、岩手、岡山、大分の3県で、岩手県は花巻東が盛岡大付を、岡山県は倉敷工業が関西を、大分県は津久見が大分商を、それぞれ出場回数1位校を上回る勝利数でした。
いずれにしても、これらの各都道府県を代表する高校、強豪校が甲子園に揃って代表校として出場することになれば新鮮味には欠けますが、違う盛り上がり方を見せるかもしれませんね。