明石商業は、1年生ながら2018年第100回夏の選手権から出場する中森投手、来田選手を軸に2020年は甲子園出場が濃厚です。2019年秋の近畿大会は準々決勝で大阪桐蔭に敗退したものの3-4の接戦を演じ、地域性からも選抜される可能性は非常に高いでしょう。
その投打の柱となった中森、来田両選手は2020年春の選抜出場で4季目の甲子園となる予定でした。さらに2020年夏の5季連続出場もかかっていましたが、こちらの大会も中止。交流試合で甲子園最後の勇姿を目に焼き付けたいところです、この両選手のプロフィールと実績について紹介したいと思います。
名前 | 中森 俊介(なかもり しゅんすけ) |
投打 | 右投げ左打ち |
ポジション | 投手 |
出身地 | 兵庫県篠山市 |
生年月日 | 2002年5月29日 |
身長 | 181cm |
体重 | 80Kg |
経歴 | 多紀野球少年団(篠山市立福住小学校) |
三田ボーイズ(篠山市立篠山東中学校) | |
明石商業高校 |
中森投手は福住小3年生で軟式野球を始め、篠山東中学では3年時に県大会3位、3年夏から硬式野球のボーイズリーグ三田ボーイズに所属。明石商業では1年の春からベンチ入りし2018年の第100回選手権大会に背番号17で甲子園初登板を果たします。現在は高校近くで下宿生活を送っています。
場面は青森八戸学院光星高校との1回戦、8-8の8回2死1、3塁からの救援での登板でした。この時に145㎞の直球を投げこみ1年生ということもあって球場の注目を集めました。結局、8回は無失点で切り抜けましたが、延長戦で決勝点を奪われ敗戦投手となります。
この時は球場で観戦しましたが、とにかくすごい1年生が現れたなという印象でした。球速もそうですが、体の強さから来るパワーあるピッチングでとにかく点を取られる雰囲気がなかったのを覚えています(結局点を取られてしまったのですが)。激戦区兵庫県ながら2年、3年と甲子園に戻ってくる予感を感じさせました。
その明石商業は翌年2019年の第91回選抜大会に2年生エース中森投手を擁して甲子園に戻ってきます。選抜での成績は、準決勝までの4試合で防御率1.99と圧巻の成績を残しました。
準決勝では優勝した東邦高校の同じ2年生の吉納選手に3ランを浴びて敗退してしまいましたが、甘く入った失投を痛打されたものでした。こうして夏への課題を残して甲子園を去った中森投手でしたが、第101回夏の選手権にも戻ってきました。
この夏の大会では、初戦強打の埼玉花咲徳栄戦に登板し3失点で勝利投手となりました。続く3回戦の宇部鴻城戦は登板回避するもチームは準々決勝へ進出、準々決勝の八戸学院光星戦は同点の7回途中から救援登板、無失点に抑え7-6で勝ち越し準決勝進出に貢献しました。
準決勝の履正社戦は満を持して先発しましたが、初回に4点を奪われ結局8回5失点と敗戦投手となりました。春に続いて優勝チームに準決勝で敗退という結果に終わりました。甲子園では通算8試合に登板、防御率は2.53の成績を残しています。
新チームになってからの秋の大会の成績は、兵庫県大会の決勝で報徳学園に敗退するものの近畿大会へ兵庫県2位で出場、近畿大会の1回戦は京都東山高校に勝利しましたが、準々決勝の大阪桐蔭戦に敗退しました。夏の履正社戦、秋の報徳学園戦と序盤に失点するケースもありましたので、立ち上がりが一つの課題かもしれません。
同校の狭間監督の中森投手に対する評は、「頭が良くて学業優秀。何かを指示すれば最後までやり遂げられる真面目さもあるが、真面目すぎる一面もある」とのこと。さらに「体幹の弱さや肩の周りの硬さが気になる。冬場はそのあたりを見直していきたい」と指摘。
選抜大会が中止となって以降、体幹を鍛えながら下半身の力をしっかりと上半身に伝えられるよう鍛えて臨んだ高校野球甲子園交流試合では、群馬の桐生第一打線を5安打、失点2の9回完投勝利で高校野球最後の大会を締めくくりました。
2020年秋のドラフトでは間違いなく上位候補、複数球団の1位指名も十分あり得るのではないでしょうか?
名前 | 来田 涼斗(きた りょうと) |
投打 | 右投げ左打ち |
ポジション | 外野手 |
出身地 | 兵庫県神戸市 |
生年月日 | 2002年10月16日 |
身長 | 180cm |
体重 | 82Kg |
経歴 | 明舞ネオボーイズ(神戸市立有瀬小学校) |
神戸ドラゴンズ(神戸市立長坂中学校) | |
明石商業高校 |
来田選手は、有瀬小1年から軟式の明舞ネオボーイズで野球を始め、中学からは硬式の神戸ドラゴンズに所属し2年の夏に全国大会で優勝しています。小学6年生時にはオリックスジュニア選抜チームにも選ばれています。
中学時代から有名だった来田選手は、大阪桐蔭、履正社など数十校から誘いを受けましたが、3つ上の兄が明石商業でプレー、夏の県大会決勝で負けたのを見て明石商業でプレーすることを決めたそうです。
明石商入学後は中森投手と同じく1年生でベンチ入り、2018年の夏の甲子園でも背番号16の1番レフトでスタメン出場し2安打を放ちました。チームは初戦敗退しましたが、1年生中森投手との投打の軸として新チームでも活躍します。
そして来田選手を全国区に押し上げたのが2019年春の選抜大会でした。準々決勝の智辯和歌山戦では先頭打者ホームランとサヨナラホームランという史上初の離れ業をやってのけました。
この試合も観戦していましたが、打った瞬間ホームランとわかる当たりで打撃もさることながら堂々とした振る舞いがとても新2年生と思えない風格を漂わせていたように思います。智辯和歌山にもサヨナラ勝ちしてこのチームに勝てるチームはあるのかと思ったほどでした(結局準決勝で負けるのですが)。
2019年夏の甲子園にも戻ってきた来田選手は、甲子園でも活躍します。特に準決勝の履正社戦では初回4点を取られた後の裏の攻撃で先頭打者ホームランを放ちます。甲子園では通算全9試合に先発出場、打率.371、3本塁打、9打点の成績を残しています。
相手が大きくなるほど力を発揮するタイプのようでここ一番での狭間監督の信頼も厚いようです。新チームでは主将になり3番を打つことが多いようですが、初回にランナーを置いて迎えると非常に怖いバッターではないでしょうか。
狭間監督は、「1番の魅力はスイングスピード、体幹もしっかりしている。一番のすごさは大事な試合で結果を残せること」と評しています。欠点らしい欠点もなさそうですが、狭間監督によれば「上半身と下半身の体の使い方をもっと本気になって、冬場にうまい体の使い方をしみこませれば怖いバッターになる」とさらなる成長に期待を寄せます。
下級生の時から結果を残し続けてきた来田選手が、さらなる進化を遂げた時にどのような選手になるのか非常に楽しみです。高校野球最後の交流試合では、4打数1安打と内野安打1本に終わりましたが、将来的にトリプルスリーも狙える逸材は中森投手同様、ドラフト上位どころか1位指名候補となるでしょう。
ここ数年の明石商業の躍進は目覚ましいものがあります。明徳義塾中学の軟式野球で名をはせた狭間監督により瞬く間に全国の強豪校にまで押し上げられました。そして2018年の夏の甲子園に1年生から出場している中森投手、来田選手の活躍で3季連続で甲子園出場を果たしています。
特にこの両選手の活躍もあり2019年は春夏ともにベスト4と優勝まであと一歩というところで悔し涙を流しています。2020年の第92回選抜甲子園大会にも選抜される可能性が非常に高いと思います。2020年第92回選抜大会でも優勝候補の一角に挙げられるのは間違いありませんでした。
そんな明石商業の投打の柱である中森、来田両選手のプロフィールを紹介しました。間違いなくドラフト上位候補にもあがる選手が新3年生を迎える集大成の年に明石商業はどこまで躍進することができるのか?
明石商業としての初優勝、兵庫県勢としても2002年の選抜で報徳学園が優勝して以来の全国制覇を成し遂げられるか、2020年選抜大会にも大いに期待がかかったものの大会は中止、夏の選手権も中止となり5季連続甲子園出場の夢ははかなくも叶いませんでした。
しかし、この第92回選抜大会の代替大会として開催される甲子園高校野球交流試合に明石商業は出場することとなりました。対戦相手は群馬の桐生第一高校、甲子園を沸かせた中森、来田両選手の最後の甲子園は3-2の勝利で終えることができました。次は秋のドラフト会議、上位指名されるか期待したいですね!
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