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プレミア12の大会方式と存在意義、WBCとの違いは?2019の大会結果や出場国は?

日の丸を背負って!

なんかここ最近よく耳にするプレミア12って一体何なの?っていう方は多いのではないでしょうか?テレビや新聞の報道で見聞きしたところ、どうやら日本のプロ野球選手が代表に選ばれているっていうことぐらいはご存知かもしれません。

ですがプロ野球に興味がある方なら、それってワールドベースボールクラシック(以下WBC)とどう違うの?という疑問をお持ちになるでしょう。WBCが始まってかれこれ10年以上は経ちますが、大会としてはまだ4回しか開催されていないのにまた別の国際大会があるの?と思いませんか?

プレミア12とは一体どんな大会なのか?またWBCとの大会方式の違いを知ることでプレミア12の存在意義が明確になると思います。さらに2019プレミア12の大会結果や出場国について紹介します!

プレミア12とはどんな大会?

プレミア12という言葉をよく耳にしますが、正式名称は「WBSCプレミア12」あるいは「WBSC世界野球プレミア12」と言います。WBSCという言葉は聞きなれないかもしれませんが、「WORLD BASEBALL SOFTBALL CONFEDERATION(世界野球ソフトボール連盟)」の略です。

なおWBCは「WORLD BASEBALL CLASSIC」の略でそもそもWBSCとWBCは似て非なるものです。それではプレミア12とWBCとの違いについて見ていきましょう!

プレミア12とWBCの大会方式の違いとは?

プレミア12とWBCの大会方式の概要は以下の通りです。

プレミア12 WBC
大会名称 WBSCプレミア12 ワールドベースボールクラシック
主催 WBSC MLB、WBCI
開催期間 4年に1回 4年に1回
開催年 2015年、2019年

2006年、2009年、

2013年、2017年

開催時期 11月 3月
出場国 招待国12か国 予選通過国含む16か国
本選形式 オープニング、スーパーラウンド 第1、第2ラウンド

まずプレミア12はWBSCが主催に対してWBCはMLB(メジャーリーグベースボール機構)とMLB選手会による運営会社WBSI(ワールドベースボールクラシックインク)が主催する国際大会です。

WBSCとMLB、WBCIの最も大きな違いはWBSCが国際的に中立的な組織であるのに対して、MLB、WBCIはアメリカのメジャーリーグが主体である点です。例えば開催地はWBCの場合、決勝戦はアメリカ、これ以外に日本、プエルトリコで開催されますが、プレミア12は日本、台湾、韓国、メキシコで開催されます。

開催期間はともに4年に1回ですが、プレミア12はWBCの中間の年に開催されます。このためWBCが開催される2017年と2021年の中間にあたる2019年が開催年となります。開催時期はWBCはシーズン開幕前の3月、プレミア12はシーズン終了後の11月です。

また出場国についてはプレミア12はWBSC世界野球ランキングの上位12か国が出場します。このランキングは12歳以下、15歳以下、18歳以下、21歳以下の全世代の国際大会での成績を加味しており、国全体の野球力を競う大会となっています。

一方、WBCはかつては招待制でしたが、2013年の第3回大会から28か国の参加国から前回大会上位12か国と予選を勝ちぬいた4か国の計16か国が本選へ出場します。この予選は前回大会の下位4か国と新興国12か国の計16か国を4組に分けて各組の1位が本選出場となります。

本選形式は、WBCは16か国を4組に分けて第1ラウンドの総当たり戦(1か国3試合)による上位2か国が第2ラウンドへ進みます。第1ラウンドを突破した8か国を2組に分けた4か国ずつで第2ラウンドの総当たり戦(1か国3試合)を行い、各組の上位2か国で準決勝、決勝のトーナメントを行います。

これに対してプレミア12は12か国を3組4か国に分けてオープニングラウンドで総当たり戦(1か国3試合)を行います。このオープニングラウンドの3組の上位2か国計6か国がスーパーラウンドへ進出、オープニングラウンドで対戦していない国同士で対戦(1か国4試合)して決定した上位2か国で決勝戦を行います。

大会方式はこのように違いがありますが、そもそもそれぞれが開催されるに至った経緯について見てみましょう。

WBCとプレミア12の開催経緯と存在意義とは?

4年に1度開催される国際大会が2つあるのにはどんな理由があるのでしょうか?またそれぞれの大会が開催されるに至った経緯を知ることで各々の大会の存在意義が明確になります。

WBC開催の経緯

1990年代後半から、MLBの国際化が進みアメリカ合衆国以外のMLB選手の活躍が目立つようになり、さらにアメリカ合衆国以外での開幕戦の開催されるようになりました。こういった背景からMLBは本格的なグローバル展開と収益の拡大を目的として野球の世界一決定戦を提唱しました。

これを受け2005年にMLB機構が野球の世界大会を開催することを決定、MLBが選抜した16か国で2006年に第1回WBCが開催されました。2017年までに4回開催されましたが、日本や韓国に比べてアメリカ国内ではまだ認知度が低いのが実情です。

これはアメリカ国内にはメジャーリーグがあり、ワールドシリーズという言葉に象徴されるように世界一を決める大会はメジャーリーグのワールドシリーズだという考えや、メジャーのシーズン開幕前に所属チームを離れて代表に参加することでメジャーリーガーの参加が少ないことが影響しています。

このためWBC自体に批判的な報道もあり、国際大会として定着するにはアメリカ国内の盛り上がりが課題となっています。

プレミア12開催の経緯

もともと野球の国際大会は、国際野球連盟(IBAF)が主催していたIBAFワールドカップ、IBAFインターコンチネンタルカップなどがありました。しかし2008年北京五輪を最後にオリンピック競技から野球が外れたため国際オリンピック委員会(IOC)から補助金を受けることができなくなり、加えて先の国際大会などによる出費がかさみ深刻な財政難に陥っていました。

この財政難を乗り切るためにIBAFはMLBからの援助を受けることになります。MLBは援助の条件として、WBCをIBAFの世界選手権大会として公認すること、IBAFワールドカップ、IBAFインターコンチネンタルカップの廃止して国際大会を再編することを挙げました。

この結果IBAF主催の新しい国際大会としてプレミア12が創設されることとなりました。さらにIBAFは新しく発足したWBSCに統合される予定で、名称もWBSCプレミア12となっています。

しかし開催時期が11月とシーズンオフの休養期間であることや中南米で開催されるウィンターリーグの時期と重なることもあり、メジャーリーガーが出場しない大会であること、歴史も浅いためプレミア12の認知度がそもそも低いことから国際大会として盛り上がるためにはまだまだ課題が多いと言えます。

この2大会の存在意義とは?

WBCはそもそもそれまでIBAFが主催したアマチュア主体の国際大会、ワールドカップに変わるメジャーリーガーを中心としたプロ選手が参加する世界一決定戦を目指して開催されました。

主催がMLB、WBCIでもともとMLBのグローバル展開とマーケットの拡大という目的があるため開催地や開催時期などMLBの意向が大きく反映されてはいますが、IBAFに公認されたことにより野球世界一を決める世界選手権として位置づけられています。

一方でWBSCプレミア12は、それまでのアマチュア主体のワールドカップに変わる大会としてプロが主体となる大会として発足しました。しかしメジャーリーガーは出場しないため盛り上がりに欠ける点や認知度が低いという点でまだまだマイナーな大会であます。

現時点での存在意義は、今までのアマチュア主体のワールドカップに変わってプロも参加するようになった国際大会で国全体の野球力を競う大会として位置づけられます。また2019プレミア12は東京2020オリンピックの予選も兼ねています。

関連記事:東京五輪正式競技の野球、日本代表の歴代成績(公開競技時代を含む)は?

2019プレミア12の大会結果と出場国は?

新たな国際大会として2015年の第1回大会に続き2019年に第2回プレミア12は日本の優勝で幕を閉じました。結果は以下の通りです。

大会日程と出場国は?

各グループの大会日程と出場国は以下の通りです。

【オープニングラウンド】

グループ 日程 出場国 開催地

11月3日

11月3日

11月4日

11月4日

11月5日

11月6日

米国9-0オランダ

メキシコ6-1ドミニカ共和国(6回C)

オランダ4-14ドミニカ共和国(7回C)

米国2-8メキシコ

ドミニカ共和国8-10米国

メキシコ10-2オランダ

メキシコ・グアダラハラ

11月5日

11月5日

11月6日

11月6日

11月7日

11月7日

日本8-4ベネズエラ

チャイニーズ台北6-1プエルトリコ

日本4-0プエルトリコ

ベネズエラ0-3チャイニーズ台北

プエルトリコ1-7ベネズエラ

チャイニーズ台北1-8日本

台中・桃園

11月6日

11月6日

11月7日

11月7日

11月8日

11月8日

キューバ0-3カナダ

韓国5-0オーストラリア

キューバ3-2オーストラリア

カナダ1-3韓国

オーストラリア3-1カナダ

韓国7-0キューバ

ソウル

【スーパーラウンド】

各グループ上位2か国の計6か国、11月11日(月)~16日、東京ドーム、ZOZOマリンスタジアム

日程 出場国 開催地

11月11日

11月11日

11月11日

11月12日

11月12日

11月12日

11月13日

11月13日

11月15日

11月15日

11月16日

11月16日

メキシコ2-0チャイニーズ台北

日本3-2オーストラリア

韓国5-1米国

メキシコ3-0オーストラリア

韓国0-7チャイニーズ台北

日本3-4米国

米国1-2オーストラリア

日本3-1メキシコ

米国3-2チャイニーズ台北

韓国7-3メキシコ

チャイニーズ台北5-1オーストラリア

日本10-8韓国

東京ドーム、ZOZOマリンスタジアム

【決勝、3位決定戦】

決勝(スーパーラウンド1位、2位)、3位決定戦(同3位、4位)、11月17日(日)、東京ドーム

日程 出場国 開催地

11月17日決勝戦

11月17日3位決定戦

日本5-3韓国

メキシコ3-2アメリカ

東京ドーム

日本はプレミア12初の優勝を成し遂げました。宿命韓国との対戦も2勝、アメリカには敗戦しましたがオープニングラウンドは全勝、全日程を7勝1敗で終えました。久しぶりに強い日本復活となりました。

前回2015年第1回の結果は?

前回大会は2015年に日本、韓国で開催されました。

【最終順位】

順位 勝利 敗戦
1 韓国 6 2
2 アメリカ 5 3
3 日本 7 1
4 メキシコ 3 5
5 カナダ 5 1
6 キューバ 3 3
6 オランダ 3 3
8 プエルトリコ 2 4
8 チャイニーズ台北 2 3
8 ベネズエラ 2 3
11 ドミニカ共和国 0 5
11 イタリア 0 5

決勝戦は韓国がアメリカに8-0で勝利し優勝は韓国、準優勝はアメリカでした。3位決定戦は日本がメキシコに11-0で勝利し3位日本、4位メキシコとなりました。第1回大会は2組6か国に分かれて総当たり戦を行い、各グループ上位4か国の計8か国で準々決勝からのトーナメント戦を行いました。

グループAはカナダ5勝0敗、キューバ3勝2敗、オランダ3勝2敗、プエルトリコ2勝3敗で、グループBは日本5勝0敗、アメリカ3勝2敗、韓国3勝2敗、メキシコ2勝3敗で決勝トーナメントに進出しました。

韓国はトーナメントを制し優勝、アメリカが準優勝、日本は準決勝で韓国に敗退、カナダは準々決勝でメキシコに敗退しました。このため勝ち数が最も多い日本が3位、決勝を含め3敗したアメリカが準優勝、2敗の韓国が優勝という結果になっています。

7勝1敗の日本が3位で5勝3敗のアメリカが準優勝、5勝2敗の韓国が優勝となったのはこの大会方式によります。第2回はオープニングラウンドの次はトーナメントではなくスーパーラウンドとしてオープニングラウンドで対戦した国以外と総当たり戦を行います。

まとめ

2017年まで4回開催されているWBCと2015年に第1回大会が開催されたプレミア12の大会方式の違いや存在意義についてまとめました。

といった点に違いがあります。

また2019プレミア12の大会日程や出場国は

と決まっています。

4年に1回開催される大会で2020と東京オリンピックの予選も兼ねています。2019最大の国際大会は日本が優勝で締めくくりました。来年の東京オリンピックでの金メダルに期待したいですね!

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